日本は震災の影響が出始めている可能性(日米家計資産推移:2011年1Q分)

2011/06/23 12:00

日本銀行は2011年6月21日、2011年第1四半期(1-3月)における資金循環の日米比較に関するレポートを公開した。それによるとアメリカは「現金・預金」「債権」額は減少したものの、他の項目、特に「株式・出資金」額の増加が著しく、リスク資産の保有額が増加傾向にあることが分かった。一方日本は全般的に減少傾向にあり、「投資信託」が主要項目別では唯一額を増加させている(【リリース掲載ページ】)。

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今リリースは日本銀行が年4回定期的に速報値として発表しているもの。以前掲載した記事から連携・連動させる形で色々とグラフ化してみることにする。

まずは直近、2011年第1四半期(1Q)時点での、日米の家計における資産構成比率。日本が「現金・預金」に大きく傾倒している一方で、アメリカが「株式・出資金」や「投資信託」「債券」を大量に保有している図式に変わりは無い。

日米家計金融資産構成比率比較(2011年1Q)
↑ 日米家計金融資産構成比率比較(2011年1Q)

これを日米別にその推移をグラフ化する。まずは日本。構成比率と絶対額の推移を見てみる。

日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2011年1Q)
↑ 日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2011年1Q)

日本の家計金融資産構成推移(1997年-2011年1Q)(単位:兆円)
↑ 日本の家計金融資産構成推移(1997年-2011年1Q)(単位:兆円)

直近数年(2008年前後)で「現金・預金」の比率が大きく伸びたのは、貯金額そのものが増えたのも多少はあるが、それよりは株価の低迷によるところが大きい(相対的に「現金・預金」比率が上がった次第。また損切りによるポジション整理も多分にある。その証拠に「株式・出資金」の額・比率が同じタイミングで大きく減少している)。今期においてはほぼすべての項目で額面が減っている。やはり株価低迷に加え、東日本大地震の影響が少なからず出ていると考えられる。唯一「投資信託」が増えているが、これは株価が堅調な、海外の株式などを組み込んだものによる結果と考えれば納得がいく。

一方アメリカ。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2011年1Q)
↑ 米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2011年1Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2011年1Q)(兆ドル)
↑ 米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2011年1Q)(兆ドル)

アメリカにおいては該当期の株価動向は2011年2月後半以降3月中旬までやや下げる動きはあったが、全般的には堅調な流れを維持。これを受けて「株式・出資金」の項目で額が増加する傾向を見せている。しかしこの数期に渡り順調に「保険・年金準備金」も増加しているところを見ると、単に株価の上昇に伴い株だけに注目するのではなく、手堅い資産も積み増しているのが見て取れる(同時に現金の額もわずかずつだが増加している)。

グラフには記載していないが、家計金融資産の総額は2011年1Q時点で日本が1476兆円、アメリカが48.8兆ドル。これはそれぞれ直近前期から(日本)マイナス0.87%・(アメリカ)プラス2.52%の変移となっている。為替レートの問題もあるため両国間の額面での単純比較はできないが、それぞれの国において3か月でどれだけ家計の金融資産の評価額が積み増しされたか・減じたか、そしてその上昇率からそれぞれの国の景気の勢いが推し量れよう。

そして株価の下落も大きな要因だが、その株価下落の理由も地震によるところが大きいと考えれば、前回の記事で記載した「東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の家計金融資産への影響」は、少なからず生じていると評せよう。


※2013.06.25.更新
今件記事は説明が多分に重なる部分などを省略した簡略版です。全体版及び最新版については【日米家計資産推移(日銀)最新記事】にて掲載しています。

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