商売敵のiPhoneを守りつつ宣伝も行える素敵な商材

2011/06/21 06:20

カバー商品の流通量が一定量を超えると、それに付随する周辺機器も多種多様なものが登場する。それだけビジネスの場が広がり、商売をしやすくなり、多くの人に知ってもらえる可能性が出てくるからだ。スマートフォン分野ではトップ街道をひた走っているiPhoneシリーズもまたその部類で、【ゲームボーイのようなiPhone4ケース】【世界で一つのiPhoneを・個性ゆたかなiPhoneケースたち】に紹介した事例のように、多彩なケースが登場している。今回紹介するiPhone用ケースもそれらと同様に独特なものではあるが、他のケースとは少々異なる切り口によるもの。iPhoneをライバル視している商品でありながらiPhone用のケースを提供して「本体を守る」という便益を与え、しかも自商品のアピールまでしてしまう、非常に優れたアイディアの一品である(I Believe in Advertisingなど)。

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↑ Leica V-Lux 20を模したiPhoneカバー
↑ Leica V-Lux 20を模したiPhoneカバー

これはカメラのブランドで有名なライカの新型デジタルカメラ『Leica V-Lux 20』(GPS機能搭載、光学12倍ズーム、有効画素数1210万画素など)の高性能さをアピールするために展開された、プロモーション用のアイテム。写真を見れば分かるように、デジタルカメラの最大のライバルであるスマートフォンiPhoneの便益になるカバーを提供している(【デジカメを 持っているけど ケータイで! デジカメ利用は イベントの時のみ】にもあるが、あまり画質などにこだわらない人はデジカメをわざわざ購入・使用せずに携帯電話やスマートフォンのデジカメ機能で済ませてしまう場合が増えている)。

カバーには「Leica V-Lux 20」の実機の姿形がそのままプリントされており、しかも裏面のiPhone4のカメラレンズ部分にはしっかりと穴まで開いている。「Leica V-Lux 20」のサイズはiPhoneとほぼ同じため、カバーをかけた状態は「ほぼ実物大」。普通のiPhone用カバーは本体背面を傷つけないようにするだけだが、この「Leica V-Lux 20」カバーをつけると、ユーザーはまるで「Leica V-Lux 20」を手にしているかのような状態になる。

↑ カバーをつけるとまるで「Leica V-Lux 20」のようなスタイルで、iPhoneのデジカメ機能を使える。そして側面には……
↑ カバーをつけるとまるで「Leica V-Lux 20」のようなスタイルで、iPhoneのデジカメ機能を使える。そして側面には……

カバーに描かれた「Leica V-Lux 20」のレンズはもちろん絵でしかないが、同じ面からiPhoneのレンズが穴越しにのぞいている。ユーザーはiPhoneで写真を撮る場合、周囲からは本物の「Leica V-Lux 20」を使っているかのようなスタイルをすることになる。何も気がつかずにそのまま「デジカメで写真を撮ってるのだな」と思う人もいるし、「何か妙だな」と気が付きカバーのことを尋ねる人も出てくる。後者の場合は、カバーの所有者とは別の第三者に「Leica V-Lux 20」の存在、そしてコンパクトさを知らしめることになる。

そして極めつけはカバーの側面。キャッチコピーとして、

「(iPhoneと)同じ大きさで、より良い画質の写真を。Leica V-Lux 20.でなら可能です
 (Same size, better pictures.The Leica V-Lux 20.)」

と書かれてある。iPhoneでたまにしか写真を撮らない人は「そうなのか」でおしまいだか、それなりに頻度の高い撮影をしている人、つまり写真撮影が好きな人は、そのたびにこのメッセージを目に留めることになる。そして「普段撮っている写真より高画質のものが、同じサイズで撮れるのか……」と、自分自身が「比較広告」の影響を受けてしまっていること、そしてiPhoneと同サイズに収まっている「Leica V-Lux 20」に興味を覚えていることに気が付く。

このプロモーションが大変優れているのは、「自機のライバルであるiPhoneを利用しているユーザー」をターゲットに絞れること。そしてデジカメによる写真撮影に興味関心を持ち、何度となく撮影している人ほど、その影響を受けやすいこと。その上カメラに興味があれば、カバーのセンスの良さを認識し、是非共欲しい、少なくとも実機を見てみたいと思うに違いない。もちろんiPhoneにも「本体の保護」という便益を与えているので、よくある比較広告のような、やもすればえげつなさを覚えることは無い。

残念ながらこのカバー、日本では入手不可能なようだ。しかし可能なら是非一つ手に入れたいと考えるほど良く出来た、そして思惑にはまりそうな一品ではある。

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