【更新】日本の石炭事情をグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)

2011/06/20 06:47

石炭先日【世界各国の石炭採掘量や輸出量などをグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】で、経済産業省・資源エネルギー庁から公開されている【エネルギー白書2010】を元に石炭事情をグラフ化・解説したところ、「日本の詳しい事情をもう少し見たい」という話をいただいた。同白書には日本国内における石炭事情について触れている部分・データもあるため、今回はその要望に応えることとした。前回の記事同様に【世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)】、そして【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】などと合わせ読むと、さらに理解が深まるはずだ。

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参照した具体的な場所は【第1部 エネルギーをめぐる課題と今後の政策 第1章 各国のエネルギー安全保障の定量評価による国際比較 第2節 世界のエネルギー供給構造の変遷】

まずは日本が「石炭の他国からの輸入」という観点でどのような立ち位置に居るかの確認。日本は世界最大の石炭輸入国となっている。

↑ 国別石炭輸入量シェアの変化(褐炭を除く)(2008年見込み値)
↑ 国別石炭輸入量シェアの変化(褐炭を除く)(2008年見込み値)

これは後述するように、日本が大量の石炭を燃料・原料として使う一方、ほとんど国内での生産がなされていないため。

ただし今件は2008年見込み値のためまだ6位でしかないが、昨今では中国がその輸入量を大幅に増じており(数年前まではむしろ輸出国だった)、世界最大の輸入国となる可能性がある。「世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)」のEIAデータでは2009年版だが、そこで確認してもすでに日本1.65億トンに対し中国1.37億トンとなっている。今秋にも更新されるであろう2010年版データでは、中国が世界最大の石炭輸入国となることは容易に想像がつく。

続いて日本の石炭供給量の推移。工業化の進展と共に石炭の消費量も増え、総計は右肩上がり。鉄鋼精製などに用いられる「原料炭」の輸入量は1980年代前半からほぼ横ばいだが、むしろそれ以降火力発電用などの「一般炭」需要が増え、直近データでは「原料炭」を超えた量が輸入されている。

↑ 日本の石炭供給量の推移
↑ 日本の石炭供給量の推移

↑ 日本の石炭供給量の推移(全体比)
↑ 日本の石炭供給量の推移(全体比)

一方国内生産量については「原料炭」「一般炭」共に減少を続けている。これは主に石油へのエネルギー需要の転換、そして割安な輸入炭との価格競争に打ち勝つことが出来なかったため。2005年度には125万トン/年にまで減少してしまうが、その後の原油価格の高騰を受けて減少はストップ。詳しくは【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】に記述しているが、少しずつ増加の兆しを見せている。



以前【天然ガスが伸びてます…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】でも解説したが、日本国内に限っても天然ガスと共に石炭は再び注目を集めつつある。

↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)
↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)(個別折れ線グラフ)(再録)

石炭の場合は採算効率と共に環境負荷対策が、生産・利用の際の要となる。今後の状況を鑑みると、これらの改善化への投資増加による、さらなる状況の改善化を願いたいところだ。

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