パソコンと携帯で3割超、テレビは4割強だが漸減続く…メディア視聴時間動向(2011年)

2011/06/17 12:00

メディア環境研究所は2011年6月25日、毎年2月に実施している「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査・2011」の抜粋編を発表した。それによるとメディアの接触時間は今年も去年に続き、わずかではあるが増加する傾向を見せていることが確認された。パソコン・携帯電話からのインターネット接続時間が大幅な伸びを示し続けている一方、昨年から転じてテレビや新聞の時間は減り、ラジオや雑誌がわずかながら伸びている動きを見せている(【発表ページ】)。

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今調査は郵送調査方式で行われ、2011年2月4日に発送、2月17日投函を締め切りとしたもの。東京・大阪・愛知・高知の四地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15-69歳の男女に対し調査票が計2953通送付され、2744通が回収された。デジタル手段ではなく、郵送方式で調査が行われたことから、比較的片寄りの無い、昨今の状況を表したデータといえる。なお、特記無き限りデータは基本的に(今回公開対象となった)東京地区のもの。また、調査実施期日が今年の2月であることから、東日本大地震におけるメディアに対する印象・価値観の違いは反映されていないことに留意しておく必要がある。

一連の調査において、各主要メディア毎の一日あたりの平均接触時間を時系列にたどって見ると、2006年から2008年の間に少しずつ減少していた総視聴時間は、2009年以降は少々ずつながら増加の傾向を見せている。

↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(東京)
↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(東京)

今調査を見る限りでは2006年から2011年の間でテレビ6.1ポイント、新聞27.9ポイント、雑誌5.1ポイント、ラジオは25.0ポイント程度の時間減少が確認できる。また昨年と比較するとテレビと新聞の凋落ぶりが顕著。一方で昨年同様にテレビが「全メディアの中では最大の時間帯を確保している」事実も変わりが無い。

それぞれのメディアの増減を、公開されている範囲で最古データの2006年時の値を100%として経緯を見たのが次の図。

↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(個々媒体の2006年の値を100%とした時の推移)
↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均で算出した値が元値)(個々媒体の2006年の値を100%とした時の推移)

上記に挙げたポイント数の推移をはじめとした、各媒体の動向が非常によく理解できよう。

今年の特徴としては、「メディア接続総量」が増加しているが、その増加分はネット接続によるものであるということ。ざっとまとめると

・メディア接触全体量……増加
・パソコン&携帯電話経由のネット接続、雑誌やラジオ……増加
・テレビ、新聞……減少

という傾向にあることが分かる。今傾向の理由について元資料では解説がないが、【減る「テレビ」「新聞」、増える「ネット」……メディアへの接触時間推移をグラフ化してみる(2011年発表版)】にもあるようにテレビは20代男性のイレギュラー値をのぞけば概して減少していることから、テレビ視聴時間の減少の流れが全世代間に起きている可能性はある。あるいは昨年増加したのが【アメリカで伸びる「テレビを観る時間」……レコーダーの普及、不景気と選挙が原因か】でも説明されているように「不景気で『無料で時間をつぶせる娯楽』であるテレビが重宝された」という理由なことから、景気がやや持ち直してき「ていた」のが要因かもしれない。



今回データでは旧来メディアも一部で、利用時間をかさ上げしているように見える。しかし実態としては、大きな流れとして、縮減の方向に向かっていることが次のグラフを見るとよく分かる。このグラフは各年のメディア接触時間全体のうち、それぞれのメディアがどれほどの割合を占めているのかを示したもの。パソコンや携帯電話の割合が確実に増加を遂げ、旧来メディアが少しずつ新メディアに領域を奪われつつあるのが見て取れる。

↑ メディア接続時間時系列推移(各年の全体時間に占める割合)
↑ メディア接続時間時系列推移(各年の全体時間に占める割合)

既存のメディアが少しずつその足場を削られ、新世代のメディアがそこに割り入る形のグラフ。昨今のメディア絡みではどこでも見かける流れである。例えば【経済産業省データを元に媒体別広告費の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】が好例だ。

↑  媒体別広告費(構成比推移、2001-2010年)(経済産業省データより)(再構築の上、再録)
↑ 媒体別広告費(構成比推移、2001-2010年)(経済産業省データより)(再構築の上、再録)

広告費は視聴時間と比べると新媒体(インターネット)が少なめだが、このグラフから「プロモーションメディア広告など」の部分をざっくりと削除すると、形状的に似通っていることが分かる(新聞がやや大きめなところはあるが……)。メディアの接触時間といわゆる「媒体力」、そしてその媒体力への対価としての広告費の動きには、それほど大きな違いはない、ということだ。

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