【更新】ギリシャのCPD、ついに70%を超える(国債デフォルト確率動向:2011年6月)

2011/06/15 19:30

2010年12月17日付で掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化する企画記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年6月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年6月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回は前回から大きな変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年6月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、今なお紛争が継続中のリビアにおいて、(事実上)EUが介入をはじめたものの事態打開の決定打としては程遠く、状況はカオス化している。他国の動向もあわせ、一時期のような熱気はすでに醒めている。「ジャスミン革命は事実上の失敗」と評する意見もある。

一方、図中に矢印で記したギリシャやポルトガル、アイルランドなど、ヨーロッパでのいわゆるPIGS(金融危機のさなかにあるポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)をはじめとしたヨーロッパ諸国の金融方面でのきな臭さは否めない。特に今回分ではギリシャの上昇ぶりが目に留まるが、これは先日から
ギリシャへの支援策で各国や組織の有力者が次々と自論を展開し、状況を混乱させていることを起因としている。一部ではギリシャ債のデフォルトに関する言及もなされるほどで、これではCPDが上昇するのも当然。

そしてギリシャ動向に連動する形でポルトガルやアイルランドも上昇しているわけだが、先月には上位10位に入っていなかった(=21.36%未満だった)アイスランドとスペインも巻き添えを食らう形で含まれている。連鎖反応への懸念が「リスクを高めている」と市場が判断したと見なしてよい。

他に変わったところでは、ベトナムが10位に入っている。同国の登場は2011年2月15日以来のものだが、値としてはその時の22.30%と比べれば低め。EU諸国以外の他国の値が低かったので、相対的に順位が押し上げられた形。あえていえば中国との対立激化が要因と考えられる。

なお、先般発生した東日本大地震、そしてそれに伴う「各種」震災により日本全土が大きな被害を受けたことは承知の通りだが、それを反映して日本の国債に対する値も、ややイレギュラーな値を示していることが確認できた。おなじくCMD Visionの2011年1Qにおける[2011年第1四半期リスクレポート(PDF)]によると、CPD値は8.7%・格付けはaaで順位は29位。2010年第4四半期の値がCPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位だから、随分と悪化したことになる。これは震災による被害やその復興のための財務的負担が、大きなものになることを示唆する動きともいえる。

今月データでは先月以上に、財務状況そのものやそれを取り巻く環境、施策の動向が悪化したギリシャやポルトガル、アイルランドの値が敏感に反応しているあたり、CPDが指針の一つとして有効なことを再認識させている。とりわけギリシャの急上昇ぶりは、警戒域と表現できる。今後の動きも注意深く見守りたいところだ。


■関連記事:
【「豚ちゃん(PIGS)」の次は「おバカさん(STUPID)」!? 財政危機国家の略語たち】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー