熱中症についてまとめてみる…3)対策とWBGT

2011/06/13 12:20

猛暑【「家庭での節電計画を分かりやすく・スマートに」を考えてみる】などでも説明しているように、今般の電力事情に絡みリスクが増大するであろう「熱中症」に関して色々とまとめてみようというお話第三回。今記事では熱中症対策についていくつか絡めることにする。とはいえ当方はその筋の専門職ではないので、主に公的機関が発表している該当資料をいくつかあたることにしよう。

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予防
まずは予防。全般的に【環境省の熱中症環境保健マニュアル】が詳しいのだが、それによると注意事項として

(1)暑さを避けましょう。
(2)服装を工夫しましょう。
(3)こまめに水分を補給しましょう。
(4)急に暑くなる日に注意しましょう。
(5)暑さに備えた体作りをしましょう。
(6)個人の条件を考慮しましょう。
(7)集団活動の場ではお互いに配慮しましょう。

などを挙げている。(1)や(2)はいわずもがなだが、(3)は意図的に行う必要がある。よく「水分を摂ると汗をかいて身体がバテるから良くない」とあるが、それは間違った考え。「体温を下げるためには、汗が皮膚表面で蒸発して身体から気化熱を奪うことができるように、しっかりと汗をかくことがとても重要」だからだ。そして汗は水分だけでなく塩分からも構成されているので、水分だけでなく塩分も適切に補給する必要がある。

ちなみに「水分だからアルコールもOKだよネ」という考えは誤り。アルコールは尿の量も増やしてしまうので、体内の水分補給としてはマイナス効果となる。

もしもの時の対応
【環境省の熱中症環境保健マニュアル】では「熱中症かも?」という状況時の対応についてもまとめている。知識として覚えておくと、役に立つ時があるかもしれない。

■応急措置
・涼しい環境への避難
・脱衣と冷却
 衣服を脱がせて、体から熱の放散を助ける
 露出させた皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やす
 氷嚢(ひょうのう)などがあれば、それを頚部、腋窩部(脇の下)、鼠径部( 大腿の付け根、股関節部)に当てて皮膚の直下を流れている血液を冷やすことも有効
 深部体温で40度を超えると全身痙攣(全身をひきつける)、血液凝固障害(血液が固まらない)などの症状も現れる
 体温の冷却はできるだけ早く行う必要がある。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっている
 救急隊を要請したとしても、救急隊の到着前から冷却を開始することが求められる
・水分や塩分の補給
 冷たい水を与える。スポーツドリンクや経口補水液が最適
 意識障害がある時は誤飲の可能性がある
 吐き気を覚えたりおう吐している場合は胃腸の動きが鈍っている。これらの場合は経口水分補給は禁物
・医療機関への搬送


↑ 処置チャート
↑ 処置チャート

WBGT(暑さ指数)という考え方
世間一般ではあまり耳にしない言葉だが、WBGT(Wet-bulb Globe Temperature、湿球黒球温度)という指数がある。高温環境の指標として労働や運動時の熱中症の予防措置の参考値として用いられているもので、「暑さ指数」とも呼んでいる。人間が暑さを感じる条件をいくつかの要素で抽出して掛け合わせ、リスクの高低を数値化したものだ(「不快指数」みたいなものと思えばよい)。

具体的には、

WBGT(屋外・日射条件)=0.7NWB+0.2GT+0.1NDB
WBGT(室内、屋外で日射の無い条件)=0.7NWB+0.3GT

NWB……湿球温度
GT……黒球温度(6インチ黒球温度計)
NDB……乾球温度

↑ WBGT測定装置(左が基本形、右がハンディタイプ)(熱中症環境保健マニュアルから)
↑ WBGT測定装置(左が基本形、右がハンディタイプ)(熱中症環境保健マニュアルから)

で算出される。

WBGTについては【環境省の熱中症予防情報サイト内の専用ページ】に詳しいが、25度以上が警戒領域、28度以上が厳重警戒領域、31度以上が危険領域となる。

↑ WBGT温度と日常生活指針
↑ WBGT温度と日常生活指針

「WBGT」という言葉が今後もこれまで同様にほとんど使われない可能性は高いが、場合によっては熱中症への啓蒙・警告用の指標として多用されるかもしれない。上記専用ページなどを一読しておくと、理解が深まるに違いない。


■一連の記事:
【熱中症についてまとめてみる…1)定義】
【熱中症についてまとめてみる…2)各種データのグラフ化】
【熱中症についてまとめてみる…3)対策とWBGT】
【熱中症についてまとめてみる…4)パンフレットなど】

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