デジタル使わないシニア層、不便だ・損してると思っていることは?

2011/06/15 07:13

シニアがパソコンを嫌っているシーン[電通(4324)]は2011年6月8日、60歳から74歳のシニア層を対象にしたデジタルギャップ上の心理傾向・行動習慣に関する概要を発表した。それによると調査母体のうちデジタル系ツールを使っていないシニア層においては、インターネットを使わないことによる不都合な点として「懸賞などの応募が出来ない」「ネットなどで商品の安値購入機会を逸している」などを挙げていることが分かった。「ネットが使えず機会損失をしている」という想いが強いようだ(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2011年2月11日から28日にかけて、調査員による訪問留置式によって東京都23区内在住の60歳-74歳までの生活者に対して行われたもので、有効回答数は600人。うち半数はデジタルシニア(普段インターネットを、メールのやりとりの時間をのぞき1日30分以上利用している人)、残りは非デジタルシニア(メールもメール以外も含め、一切インターネットを利用していない人)。男女比は1対1で、デジタル・非デジタルシニアそれぞれに置いて同比率。

【シニア層の伸び継続・年齢階層別インターネット利用率をグラフ化してみる(2010年分反映版)】にもあるように、日本の社会全般では50代を過ぎたあたりからインターネットの利用率は急激に減少するが、それでも60代で7割、70代でも4割近くがインターネットを利用している。

年齢階層別インターネット普及率
年齢階層別インターネット普及率(個人)(再録)

また今調査母体の「デジタル層」ではウェブ閲覧以上にネットショッピングを積極活用している様子がうかがえる。

↑ パソコンのインターネットで行う事(デジタル層限定、複数回答)
↑ パソコンのインターネットで行う事(デジタル層限定、複数回答)(再録)

それではそれと対になる「非デジタルシニア層」は、インターネットを使っていないことでどのような不便、不利益を感じているのだろうか。これは裏返せば「自分がインターネットを使いこなせるようになれば、このようなことができるのに」という願望を示しているとも考えられる。

↑ ネット非利用で感じる不便・不利益(非デジタル層限定、複数回答)
↑ ネット非利用で感じる不便・不利益(非デジタル層限定、複数回答)

もっとも多いのは懸賞やイベント参加などの応募において、応募方法がインターネット経由なので応募できなかったこと。いわゆる「門前払い」を受けた形になるわけで、悔しさがにじみ出た結果といえる。

ほぼ同数で第二位についているのは「インターネットを使えれば商品をもっと安く買えるのではないか」。インターネットを使っていないから、実際に安く買えるか否かは自分で確かめてはいないものの、巷で、あるいはネットを使いこなしている周囲の人からは「ネットを使えば色々な商品を店頭価格より安く買える」という話を耳にしている。自分が知らない、使えない手段で、自分よりも経済的優位性を得られるのは、やはり悔しさを覚えるのも当然。

この「悔しさ」は回答率こそかなり下になるが、第三位の「インターネットを利用していないことで肩身の狭い想いをすることがある」にも表れている。いわゆる「デジタルデバイド」を覚え、どうにかしたいがどうにもならないもどかしい想いがひしひしと伝わってくる。

以前【「なぜインターネットを利用しないのか?」その理由を探ってみる】でインターネットを利用しない層のうち「必要ないから」と回答した人の話を挙げたが、年齢を経るほど高い値を示している。

年齢階層別「インターネットを利用しない理由」で「利用する必要がない」と答えた人(インターネット非利用世帯において、各年齢階層構成人数に対する比率)
年齢階層別「インターネットを利用しない理由」で「利用する必要がない」と答えた人(インターネット非利用世帯において、各年齢階層構成人数に対する比率)(再録)

その記事でも指摘しているが、これらの人は「必要が無い」ではなく「必要と感じさせるメリットそのものを知らない」可能性が高い。そして【お年寄りのネット嫌い その理由は?】で指摘しているように、インターネットを利用しない高齢者の多くは、「使いたいのだが使い方が分からない」「使いこなせる自信が無い」のように、「デジタルサイドに足を運びたいのだけど、それが叶わない」という欲求不満状態にあることが分かる。

米シニアのパソコン手段は色々と考えられ、安全面の確保など考慮しなければならないことも多い。しかし少なからぬ人達が「非デジタル層」のままのシニア層を「デジタル層」にいざなう方策を取り、それを成功裏に納めることができれば、彼ら・彼女らの欲求不満も解消でき、さらなる経済の活性化も望めるだろう。今回データはその可能性を示しているといえる。

そして安全面については【アメリカのインターネットの利用性向、ソーシャルメディアは40-60代で急増】でも示したように、色々な意味で先行しているアメリカの事例が大いに参考になるに違いない。

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