【更新】震災時の品不足、PBが代替品として手に取れらていた……かも?

2011/06/14 07:11

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プライベートブランドのお菓子クロス・マーケティングは2011年6月10日、プライベートブランド(PB)に関する調査結果を発表した。それによると調査母体に昨年6月と直近3か月(2月26日-5月25日)、そして直近1か月(4月26日-5月25日)のPB購入経験を尋ねたところ、直近3か月以内の購入率が複数品目で大きく上昇していることが確認できた。東日本大地震・震災後の品不足の際に、他の商品の代替品としてPBを一次的に購入していた様子をうかがうことができる結果となっている([発表リリース])。


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今調査は2011年5月25日にインターネット経由で全国の男女に対して行われたもので、有効回答数は1166人。男女比は546対620、年齢階層比は20代190人・30代222人・40代254人・50代246人・60代254人。

プライベートブランドとは、それと対で話題に取り上げられることの多いナショナルブランド(NB)との比較で説明すると、

・プライベートブランド(PB)……小売店業者やそのグループ、複数の業者による販売組織体がメーカーと共同で開発、小売店自身のブランド名をつけて発売する商品(食品が有名だが食品だけではない)。基本的にはその小売店業者の関連店舗でしか購入できない。

・ナショナルブランド(NB)……メーカー自身が開発し、どこでも手に入る商品。誰もが知ってる大企業の製品が代表的。

となる。最近では食品系スーパーやコンビニで、日用雑貨品ではお馴染みの商品として普及している。

さて今調査では主要品目別にPBを購入したか否かについて、冒頭で触れたように「直近3か月(2月26日-5月25日)」「直近1か月(4月26日-5月25日)」の二つの期間の状況を尋ねている。また同様の調査を1年ほど前の2010年6月にも行っており、それらの値を併記したのが次のグラフ。

↑ 2010年6月時・直近3か月以内・直近1か月以内に購入したPB商品
↑ 2010年6月時・直近3か月以内・直近1か月以内に購入したPB商品

リリースでも指摘されているが、多くの項目で「直近3か月以内」の値が大きく伸びている。中には「直近1か月以内」でも高い水準を維持したものもあるが(ヨーグルト、チーズ)、多くはほぼ元の水準に戻ってしまっている(牛乳、カップラーメン、ビール系飲料など)。「直近3か月以内」で購入し「直近1か月以内」で購入していない層は、差し引きすると「2月26日-4月25日の期間にのみ該当PBを買った層」となるが、この期間には【乾電池、水、ガソリン…震災後の品不足感、関西より関東が上】【納豆や水、乳製品はまだまだ?…本震後一か月で品不足の多くは解消へ】で解説した、東日本大地震・震災に絡む形で発生した各種商品の品不足期間と一致する。

↑ 品不足で困った商品
↑ 品不足で困った商品(再録)

これらのデータを絡めて考察すると、これもリリースで指摘されているが、普段はNBを購入していた消費者層の一部が、お目当ての商品を入手することが出来ず、代替品として同種類のPB商品を購入した行動様式が推測される。中には「ヨーグルト、チーズ」のように品不足が継続しているものもあり、そのような品目では「直近1か月以内」の値が高めで維持されているところを見ても、この推測があながち的外れでないことが分かる。

また、今回は詳細グラフ作成を省略するものの、「カップラーメン」「お茶系飲料」、「レトルトカレー」を直近3か月以内に購入した人の割合は、女性を中心に高い値が出ている。

↑ 直近3か月以内に購入したPB商品(性別・世代別)(一部)
↑ 直近3か月以内に購入したPB商品(性別・世代別)(一部)

「カップラーメン」では女性は中堅層、「お茶系飲料」は全般的に若年層、そして「レトルトカレー」は中堅層-シニア層で高めの値を示している。これらもあわせ、今般震災における品不足とPBとの関係という観点において、非常に興味深い動きといえよう。


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