【更新】主要国の電力消費量をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)

2011/06/12 06:37

電力消費6月2日掲載の【各国エネルギー政策が見えてくる・世界主要国のエネルギー源をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】でも解説したが、昨今のエネルギー情勢や読者諸氏からの要請を受け、【図表で語る エネルギーの基礎 2010-2011】を基として、関連する記事データの更新、さらには各種状況の変化を盛り込んだ分析や精査、検証を行っている。今回は主要国の電力消費量をグラフ化した記事の内容を最新のものに差し替えることにする。電力は近代社会の維持発展に欠かせない主要エネルギーなだけに、各国の電力事情がよくわかる結果となっている。

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今回グラフを作成する項目は国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)が発行している調査資料「Key World Energy Statistics」の最新版【Key World Energy Statistics 2010】を参考にしている。念のためこちらを調べ直したが、最新データであることが確認できたので、そのままグラフに描き起こす。

まずは各国一人あたりの電力消費量。「日本の8072kWh/人ってどれくらい?」と思う人も多いかもしれないが、通常の世帯が一年間で消費する電力を世帯人数分で割った電力量と考えればほぼ間違いがない。【50年前の電気代を今の料金と比較してみる】と見比べてみると、より楽しめるはず。

↑ 一人当たりの電力消費量(2008年、kWh/人)
↑ 一人当たりの電力消費量(2008年、kWh/人)

カナダの電力消費量が多いのは、同国が自然資源に恵まれており、電力料金が極めて安価なため。特に水資源に恵まれており、発電量全体のうち水力発電が占める割合が半数を超えている(【その電気、何から作られてるの? …主要国の電源別発電電力量の構成をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】参照のこと)。余剰エネルギーを他国に輸出できる余裕があるほどだ。そのお隣のアメリカの電力消費量が多いのはいわずもがな。逆に中国やインドは人口そのものが極めて大きいのと、都市化・電化エリアの国全体に占める割合が「他国と比べて」少ないため、必然的に一人頭の電力消費量は少ないものとなる。

これを国単位で見ると、様相は一変する。国の並びを(存在する国に限り)あえて一つ目のグラフと同じにし、国全体の電力消費量を2008年とその9年前の1999年分のとを併記した上で書き記したのが次のグラフ。

↑ 主要国・国別電力消費量(1999/2008年)(億kWh)
↑ 主要国・国別電力消費量(1999/2008年)(億kWh)

・直近データでは電力消費大国はアメリカ、中国、日本、ロシア
・各国とも電力消費量は中期的には伸びる傾向にあるが、中国の伸びは極めて著しい(約2.8倍)。インド、ロシアなどがそれに続く

さらに今回は、前回の記事の2007年分のデータがあることから、2007年から2008年への変移を計算してグラフ化しておく。

↑ 主要国・国別電力消費量(2008年における前年比)
↑ 主要国・国別電力消費量(2008年における前年比)

2007年から2008年にかけては「サブプライムローンショック」と称される金融不況が発生した年でもあり、(電力消費の効率化もあるが)日本が大きく景気を後退させてしまっていることが分かる。また、中国やインドが1年単位でも大きな伸びを示しているのが確認できる。

そしてこれら三つのグラフを見比べることで、例えば

「国単位で考えるのはナンセンス。人口が多いから電力消費量も多いのは仕方がない」
「世界規模で電力問題を考える場合には、結局電力をどれだけ使うかが問題。国単位の消費で考察すべきだ」
「一人当たりの消費量が現時点で少ない中国で、すでに全体ではこのレベルに達しているのなら、アメリカやカナダのような水準になったらどうなるのだろうか?」

など色々な考えが頭に思い浮かぶ。また、今後ますます重要視されるエネルギー問題において、今回の表が問題を解くカギの一つにもなるに違いない。

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