吉野家はセールスで客足増加も単価減少で相殺、売り上げはプラス1.4%に留まる…牛丼御三家売上:2011年5月分

2011/06/08 12:00

[吉野家ホールディングス(9861)]は2011年6月6日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2011年5月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス1.4%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年4月における売上前年同月比はプラス1.6%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はプラス4.8%の動きを見せている(いずれも既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家は2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した。当然客単価は落ちたが、それ以上の客数の増加で売り上げは前年同月比を上回るものが昨年9月では記録された。しかしその勢いも1か月で鎮静化。その後新商品を幾つか展開したが、売上は一進一退を続けている。今回計測月の2011年5月においては、【牛丼御三家、並んで割引セールを展開】で伝えたように東日本に限定した牛丼の値下げキャンペーンを実施、これが功を奏して客数は大幅に増加した。しかし牛丼値下げの分だけ客単価は落ち込み、売上の面で相殺。結果として売上高のアップは最小限のものに留まることとなった。

↑ 牛丼御三家2011年4月営業成績
↑ 牛丼御三家2011年4月営業成績

5月は三社とも大幅な値下げキャンペーンを行ったものの、客単価の面では松屋はほとんど変化が無く、すき家の下げ幅も最小限のものとなっている。これは三社における(値下げ対象となった)牛丼・牛めしの注文され具合・傾注度合いと見てよい。つまり他メニューも充実している松屋やすき家では、牛丼の値下げが行われても客単価はさほど影響が無く、牛丼がメインの吉野家では大きな変化となって現れるという構造である。

5月分を各社一言ずつでまとめると「吉野家…セールスで客足増加も単価減少で相殺」「松屋…大きな変化なし」「すき家…客単価減は最小限に抑え客数増で売上増」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年5月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年5月)

すき家の客数増加は今年に入り勢いがやや衰えているものの、それでもなお2009年12月以降、毎月前年同月比でプラスを維持している。既存店での売上であることを考えれば、店舗数の拡大とは関係が無く、純粋に営業努力のたまものといえる。一方、御三家全体の値がやや抑えられているあたり、東日本大地震・震災の影響が少なからず出ている感は否めない。

今後各社が自社の長所をどこまで極大化すると共に、短所をカバーし、あるいは克服していくのか。単なる安売り合戦だけではすでに三社とも体力の限界に近く、また消費者も慣れてきてしまっている。新たな切り口が求められているといえよう。

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