主要国のエネルギー輸入依存度をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)

2011/06/11 06:36

エネルギー輸入2012年6月2日掲載の【各国エネルギー政策が見えてくる・世界主要国のエネルギー源をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】でも解説したが、昨今の情勢・要請をかんがみ、【図表で語る エネルギーの基礎 2010-2011】をベースとして、関連する記事データの最新取得版への更新や、各種状況の変化を盛り込んだ分析・精査を行っている。今回は主要国のエネルギー輸入依存度をグラフ化した記事の内容を最新のものに差し替えることにする。各国のエネルギー自給率やエネルギーに対する国レベルでの政策をかいま見ることができるグラフとして、注目すべき内容といえる。

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今グラフは各国が消費エネルギーのうち、どの程度を海外に依存しているかについて図にしたもの。100%なら国内消費エネルギーの100%を海外からの輸入に頼っている計算になる。逆にマイナスの場合は、自国内で生産したエネルギーで原則国内消費エネルギーのすべてをまかない切れており、さらに余った分(マイナスの分)を海外に何らかの形で輸出している計算。

もっともこれらの値は全部の総和。例えばプラスの国(輸入国)が一切エネルギーを国外に輸出していないわけではない。逆にマイナスの国(輸出国)がエネルギーを一切輸入していないわけでもない。

↑ 主要国のエネルギー輸入依存度(2008年)(マイナスは輸出を示す)
↑ 主要国のエネルギー輸入依存度(2008年)(マイナスは輸出を示す)

原子力の場合、燃料の輸入問題はあるが、それを別にすれば自国内でエネルギーを生産していると考えることもできる。そこでこのグラフでは原子力を含めた場合と、除外した場合の2通りで算出した値をグラフにしている。

以前「各国エネルギー政策が見えてくる・世界主要国のエネルギー源をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】」でも解説したように、2008年時点でもイタリアは脱原発政策を貫いているため、「含む」「除く」双方で同じ値を示している。一方、エネルギーの自給自足・自活を(他国に影響されない、政略上の独自基調を裏付けるための)ポリシーとしているフランスでは、積極的な原発推進をしている。その関係で、含む・除くの差が非常に大きなものとなっている。

日本は原子力込みでも82%の
エネルギーを輸入に頼っている
エネルギー輸入大国
それらの特異的な動向を除けば、グラフの左から順に、日本・韓国・イタリア・ドイツまでがエネルギー輸入大国、フランス・アメリカ・インド・イギリス・ブラジル・中国が輸入「小」国、そしてカナダとロシアが輸出大国であるのが分かる。意外に思えるのが「カナダがエネルギー輸出大国」であることだが、同国では石油が採掘できる他に自然に恵まれており、水力発電が極めて盛んなのが要因。自国内の電力料金も安めで、他国に輸出できる余裕すらある(もちろん無駄使いをしているわけではない)。

さて今回は、前回のデータからの変移を計算することができるようになった。整数値までの表記のためぶれが大きいのが残念だが、概要を推し量ることはできる。

↑ 主要国のエネルギー輸入依存度(2007年から2008年への変移、概算)
↑ 主要国のエネルギー輸入依存度(2007年から2008年への変移、概算)

1%程度は誤差の範囲と見ると、アメリカは大きくマイナス、中国はややマイナス、イギリスは大きくプラスという動きとしてまとめられる。対外戦略上は当然国内だけでエネルギーをまかなえる=輸入依存度が低い方が良いので、アメリカと中国はポジティブ、イギリスはネガティブに状況が変化したことになる。もっともこれが、国内でのエネルギー消費量の減少によるものか、それとも国内エネルギー算出量の増加によるものかまでは分からないので、一概に善し悪しを断ずることは出来ない。

また、日本にスポットライトを当ててみると、日本が少資源国であるがため、エネルギーの多くを輸入に頼っている現状が改めて認識できる(例えば石油の場合、【国産原油の産出量をグラフ化してみる】にもある通り、国内産出量はごくわずかに過ぎない)。輸入でエネルギーが十分に、安定した状態で確保されている状況に慣れていると、それが当たり前のものとして大切さを忘れてしまう。しかし実際には多くの人の手によってその「気がつかない当たり前」が支えられている。インフラとは、かくも地味で、そして大切なものなのである。

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