【更新】天然ガスが伸びてます…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)

2011/06/07 12:00

石炭エネルギー先日から電気事業連合会が定期更新公開している「図表で語るエネルギーの基礎」の最新版「2010-2011」を基に、過去の記事のデータを直近のものに差し替え・更新を行っている。今回は以前日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化し精査した記事で紹介した、日本の一次エネルギー消費推移グラフを差し替えることにした。

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取得するデータは[図表で語る エネルギーの基礎 2010-2011]からのもの。また、「一次エネルギー」という言葉についてだが、これは自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているものを指す。化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)、ウラン、そして水力・火力・太陽熱・太陽光・地熱などの自然エネルギーから直接得られるエネルギーが該当する。一次があれば当然二次もあり、「二次エネルギー」とは電気やガソリンなど、一次エネルギーに手を加えて得られるエネルギーを指す(逆に考えれば電気やガソリンが、自然界に利用できる形で存在しているわけではない)。

ちなみに【総務省統計局の「日本の統計」から取得した「総合エネルギー需給バランス」】によると、国内で消費される一次エネルギーのうち、エネルギー転換(二次エネルギーなどに転換)される割合は約33%。

ともあれ、元資料にある一次エネルギー消費の推移をグラフ化すると次のようになる。なお横軸の年度は同期間の間隔では無いので注意を要する。

↑ 日本の一次エネルギー消費推移(単位:10~15J)
↑ 日本の一次エネルギー消費推移(単位:10~15J)(年度)

J(ジュール)はエネルギーの大きさを表す指標の一つ。1M(メガ=100万)Jは0.278kWh=0.256リットル(A重油)に相当する([奈良県地域省エネルギービジョン]内[参考資料(PDF)]から算出)

昔から石油がメインだったことに違いはないが、2000年に入ってからその比率が少しずつ減少していることが分かる。また、2000年以降エネルギーの消費がほぼ横ばいとなっているが、これは「エネルギー消費の効率化」「多量のエネルギーを消費する国内工場の建設スピードの鈍化」など複数の要因によるものと思われる。そして2008年度においては合計値が下がっているが、これは不景気で産業方面でのエネルギー消費が減退したため。

エネルギー消費の構造変化を詳しく見るために、それぞれの要素の全体構成比変移を折れ線・棒グラフ化したのが次の図。折れ線グラフでは石油・石炭・原子力の3項目はそれぞれの比率もグラフに盛り込んでいる(最新の2008年度分は主要項目すべての値を反映)。

↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)
↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)(個別折れ線グラフ)

↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)
↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)(構成比棒グラフ)

【レギュラーガソリン価格と灯油価格をグラフ化してみる(2010年8月10日版)】などで解説しているように、第一次石油ショックまでは日本のエネルギーは石油に頼るところが大きかった。しかし一手段に傾注し過ぎることのリスクを二度の石油ショックで経験したため、大規模なエネルギー構造の転換が中長期的エネルギー戦略として実施される。以降、石油が一次エネルギー消費全体に占める比率は少しずつ、しかし確実に減少を見せている。

代替エネルギーの筆頭として注目を集めたのは原子力。1970年の0.3%から、一時期は(グラフにはないものの1998年につけた)13.7%にまでシェアを拡大している。しかし多様な問題点を抱えているのも事実で、以降は供給量は横ばいか低減。比率も少しずつ減少を続けている。

一方で天然ガスや石炭など、旧来の化石燃料が再び見直されているのも注目に値する。石炭は【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】でも触れているように、適切な対応を施すことでデメリットの「二酸化炭素の排出量」を相当なレベルまでに抑えることができるようになった(あとは国内算出の採算性が十分に取れる、ブレイクスルー技術が登場すれば言うことは無い)。天然ガスは安定供給・保存を確保できれば、容易に使える燃焼エネルギーとして注目を集めており、昨今では利用比率・利用量共に増加を見せている。



今件は2008年度分までのものだが、昨今の震災や電力供給不足を受け、エネルギー消費比率をどのようなバランスに保つべきか、そして安定したエネルギーの供給をいかに維持するかが、これまで以上に重要な課題となっている。そのためにも、将来性のある技術(新規だけでなく、上に挙げた石炭の効率良い・環境負荷の少ない利用など、既存技術の改善版で新たな道が開けるものも含む)開発が求められている。成果は国内のエネルギー供給に貢献するだけでなく、海外とのビジネスの材料としても非常に有望となる。

そして技術開発は往々にして「必ず結果が期待できる」類のものばかりでは無い。例えるなら発芽率の悪い種を植える行為ともいえる。そして芽が出ても、それが実を成らせるとは限らない。しかしだからといって、種をまかずに実を期待することも不可能。即効が確認できないから、具体的な短期的成果が見えてこないからという理由で、種をまくことを「無駄」と切り捨てる短絡的な考え方で、未来をも切り捨てる行為は厳に慎んでほしいものだ。

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