5.4%の企業は電力不足で他地域への移行可能性あり

2011/06/05 12:00

引っ越し帝国データバンクは2011年6月3日、今夏における企業の活動に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体の企業のうち5.4%の企業が、電力不足への対応を目的とし、企業活動を行う地域を移行する、あるいは移行する可能性があることが分かった。今春に計画停電が行われた南関東地域では7.6%と高い値を示している(【発表リリース】)。

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今調査は2011年5月19日-31日にかけて帝国データバンクによってインターネット経由で行われたもので、有効回答企業は1万1111社。

今般東日本大地震とそれに関連する各種災害により、少なくとも今夏は東北・東京・中部電力管轄で電力需給バランスがひっ迫する状況にある。これを受けて例えば経済産業省では【電力需給対策について > 節電 ‐電力消費をおさえるには‐】のページに配されている各種事業体向け資料にあるように、細かく区分した事業体毎に節電方法の指南などを行っている。

このような状況の中、節電対策をするよりは、いっそのこと企業活動地域を電力不足の懸念がない場所に移す、という決断をする企業もいる。調査母体全体では節電のする・しないは別として、電力不足への対応を目的とした移行予定がまったくない・検討もしないとする企業は78.8%に留まっていた。

↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況
↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況

判断をしかねる企業が15.8%。これからの先の電力需給がどのような方向性を見せるのか、そして企業への影響についての情報が不足しているのがうかがえる。他方、移行済み・移行予定の企業は合わせて0.6%。検討も含め可能性がある企業は合わせて4.9%に達している。

地域別に見ると、やはり計画停電を体験した南関東がもっとも多く、ついで北関東、東海の順に高い値が見受けられる。東北地方は電力不足という観点で見れば少なめだが、これはむしろ被災状況からの復興に専念をするという意味合いもあるものと思われる。

↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況(地域別、「予定・検討可能性無し」「分からない」以外)
↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況(地域別、「予定・検討可能性無し」「分からない」以外)

特に南関東の値は極めて大きく、春の計画停電が直接・間接的に大きなプレッシャーとなったことが改めて認識できる。

具体的な移転先としては「近畿」がもっとも多く、次いで「南関東」、そして「海外」「九州」の順。

↑ どこに移転するか(複数回答、「すでに移行済み」「移行予定」「移行検討」「移行検討可能性」企業限定&回答母体)
↑ どこに移転するか(複数回答、「すでに移行済み」「移行予定」「移行検討」「移行検討可能性」企業限定&回答母体)

「近畿」は電力リスクが低く、他企業との連携も容易なため。電力リスクが大きい「南関東」で高い値が出ているのは、分散移行を行うため。再び計画停電が実施されたとしても、分散していればすべての事業行動が一度に止まることは無い(&互いが近場なので連携は容易)という判断によるものだ。そして資料本文でも指摘しているが、「海外」への移行を検討している企業も1割を超えており、日本国内の産業空洞化がさらに進展する可能性を露呈している。

「露呈」と言えば企業規模別で見ると、中小企業より大企業の方が、移行可能性が高い傾向が確認できる。

↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況(企業規模別)
↑ 電力不足への対応を目的とした企業活動地域の移行状況(企業規模別)

大企業には関連企業が多く連なることを考えれば、中小企業が移行に追随する、あるいはそれが出来なくて業績の悪化を招いてしまうなど、リスクの連鎖が生じる可能性が見えてくる。体力のある大企業よりもむしろ、体力のない中小企業にむけて電力不足周りの対応策を手厚く施す必要があろう。


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