若年層で新車購入3割回復…年齢階層別乗用車普及率動向(2011年)

2011/06/02 06:15

先日から【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2011年分データ反映版)】など、【内閣府・消費動向調査】を基にした分析・グラフ生成記事のデータ更新を行っている。今回は以前、年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化して状況を確認した記事の更新作業、すなわち最新の2011年データを反映したものを生成することにした。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

「内閣府の消費動向調査」で年齢階層別の調査が行われているのは2004年4月以降各年3月次。そこでそれらのデータを元に(「主要耐久消費財等の長期時系列表(3月調査)」ではないことに注意)、世帯主年齢階層別・乗用車普及率(総世帯)をグラフ化したのが次の図。

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)

若年世帯主の普及率が低いのは相変わらず。しかし昨年と比べると上昇基調にあり、今年ではついに60歳以上の層を追い抜いてしまった。単なる誤差か、それとも軽自動車の普及が進んでいるのか(【年代別の自動車保有数とその変化をグラフ化してみる】)、もう数年かけて動きを見守る必要がある。それでも30歳未満では大体5世帯に3世帯のみの保有。それに対して30-59歳の世帯では5世帯のうち4世帯以上となる。

これを新車で買ったのか、中古車で買ったのかで見ると、次の通りとなる。

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(新車購入)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(新車購入)

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(中古車購入)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(中古車購入)

まず最初に気が付くのは、若年層の新車購入率の低さ。2007年に一度逆転現象が起きているが、それ以外は「中古車購入>>新車購入」となっている。新車へのこだわりがあまり無いのか、それともふところ事情によるものと考えてよい。さらに若年層では中古車の購入・利用状況が少しずつ増加しているのが確認できる。これも新車と比べた際の価格の安さがポイント。ただし2011年では若年層において「新車・増」「中古車・減」の動きが見える。これがイレギュラー的なものか、それとも新たな動きなのか、自動車総計の保有率と合わせ、注視する必要があろう。

そして直近数年の動きを見ると、新車では「中堅層以降が低減」「若年層はやや増加」、中古車では(直上での言及にある若年層の変化以外では)「中堅層で漸増」の動きが見て取れる。

若年層の
新車利用率増は
一時的か
新たな動きか
中堅層は新車・中古車共に積極的に購入し利用しているが、高齢層は新車へのこだわりが強いようで、若年層とは逆に「新車購入>>中古車購入」の継続傾向が確認できる。

また、全体のグラフからお分かりの通り、若年層では「新車」と「中古車」を足したものがほぼ「乗用車普及率」に近い値なのに対し、中堅・高齢層になると「乗用車普及率」<<「新車」+「中古車」の傾向がある(特に中堅層で差異が大きい)。これは「中古車も新車も数台持っていても、全体の普及率としてはある・なしでしかカウントしない」ことに起因する。言い換えれば「若年層が世帯主の世帯は乗用車を1台しか持っていない場合が多いが、中堅・高齢層、特に中堅層は複数台持っている世帯が多い」ことを意味する。

二世代家族や、まだ親離れしていなくとも乗用車を持つ子供がいることを考えれば、これは当然の結果といえよう。また【新成人がもっとも欲しい自動車は「キューブ」、女性はコンパクトカーがお好き】でも触れているが、買物や子供の送迎、パートの出勤のため、妻が夫とは別に自分自身の乗用車を購入している事例も十分考えられる。



「中古」「新品」という区分では無く「軽」「小型」「普通」という区分で、世帯主の年齢階級別自動車数量について以前「年代別の自動車保有数とその変化をグラフ化してみる」で解説したが、やはり若年層ほど軽・小型といった本体・維持費共に安価な選択肢を選んでいる。

単純に考えれば、世帯主の年齢が若いほど年収・貯蓄額も少なく、収入に余裕がない。単年度で考えれば、「若年世帯主層の方がお金のかからない選択をする」のは、これもまた当たり前。無理に背伸びをしないライフスタイルで生活しているだけの話。若年層の新車普及率が低いのも、「金銭面で背伸びをしない」という点で常識的な考えの結果によるものと思ってよい。

無い袖は振れないし、先行きが五里霧中ならば、一歩一歩ゆっくりと歩いていかないと、危険極まりない。ごく当たり前の行動を選んでいるだけの若者に対し、大人たちが「もっと速く走れ」と後ろから蹴りを入れて急かすような行為は、くれぐれも慎んでほしい。そのようなことをする余裕があるのなら、若者の行く手を明るく照らすなどの選択を「人生の先輩」「大人」たる人たちは取るべきである。

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