新車が減り中古車が増加継続…テレビやパソコンなどの普及率動向(下)(乗用車やエアコン、デジカメなど(2011年)

2011/05/31 12:10

先に【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2011年分データ反映版)】で解説したように、【内閣府の消費動向調査】を元にした、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率をグラフ化する企画記事の下編。今回は三種の神器「カラーテレビ」「クーラー」「自動車」の後者二つに代表される、一般的な耐久消費財をターゲットにする。一部特別編さんした別記事とダブる部分があるが、それはその場で解説を加える。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

さて、最初に「三種の神器」のうち「クーラー」に該当する「ルームエアコン」について。「クーラー」そのものは今夏の節電問題とも絡み重要案件のため、別途先行する形で【エアコン普及率をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】にて詳しく解説している。その記事では(節電対策関連は全世帯で考える必要があるので)「全世帯」を対象としているが、今記事ではあくまでも「一般世帯」を対象としていることに注意してほしい。

統計データでは1973年までは「クーラー」(冷房のみ)について尋ねており、厳密には1973・1974年間にデータの連続性は無い。しかし当時はほとんどエアコン(冷暖房)は普及していなかったと思われるので、実質的には無視できる誤差といえよう。

ルームエアコン普及率
ルームエアコン普及率

統計データで取得内容を「エアコン」に切り替えたあたりから普及率は上昇を見せ、「2世帯に1世帯がエアコン持ち」の、いわゆる過半数に達したのは1985年。普及率急上昇の真っ盛りの中。約30年をかけて「5世帯に4世帯まではエアコン装備」の状態になった。その後上昇率は緩慢となり、90%目前で横ばい。先の「全世帯」で同じような値を示している……が、年収が550万円以上あるいは持家マンションの人は、普及率が9割を超えていたことを思い返す。

空気清浄機普及率
空気清浄機普及率

前回3年分しかなかった空気清浄機のデータも今回は5年分。多少様になる形となった。傾向的には「微妙ながらも増加」というところか。いずれにせよ「3世帯に1世帯が保有」という現状には違いない。

続いてややデジタル色のある、デジカメについて。

デジタルカメラ普及率
デジタルカメラ普及率

2004年から2005年にかけて大きな減少が確認できるが、これはグラフタイトルにもあるように、2005年以降は「デジカメ内蔵の携帯電話を除外した」ため。デジカメそのものはデジカメ機能搭載の携帯電話の普及と、その機能の高性能化で汎用機は市場で非常に厳しい立場にあるものの、昨今では逆に「携帯デジカメをはるかに超える超高性能・多機能」化を推し進め、難局を乗り切ろうとしている。

今回の記事データ更新のきっかけになった【映像ビデオ市場の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】とも深い関係のある映像媒体録画再生機器。最近はブルーレイなど高画質化が進み、順調な伸びを示している。

DVDプレイヤー・レコーダー
DVDプレイヤー・レコーダー

2005年からは「再生専用機」「再生録画兼用機」のそれぞれについてのデータも取得されている。そして今回新たに加わった項目として、2010年分からはBD(ブルーレイディスク)も追加されている(逆に2009年まではBDは光ディスクプレイヤー・レコーダー全体にカウントされていない)。全体的には光ディスク再生・録画機は7割強の家計が保有している計算。再生も録画も出来るタイプは2世帯に1世帯、再生専用機は5世帯に2世帯、そしてBDは4世帯に1世帯の割合。単純に足すと計算があわないので、世帯によっては「再生専用機」「再生録画兼用機」「BD」のうち複数、あるいは全部を持っている可能性もある。

地デジへの切り替えもあり、今後普及率は高まる……はずなのだが、総合値が2009年から2010年においては減少している。同時に「DVD再生録画兼用機」も大きく減少しているので、テレビそのものをDVDと共に廃した可能性もある。一方でBDは大きく飛躍。今後DVDからの切り替え、新規導入者の多くはBDを手にすることから、BDは伸び、DVDは減退するという動きが継続するだろう。

最後は三種の神器の一つ、乗用車について。

乗用車普及率
乗用車普及率

新車購入と中古車購入については1983年からデータが取得されている。また、2006年から2007年にかけて、中古車と新車に大きな変異が見られるが、これは調査票上の表記を単純な「新車」「中古車」から、「新車で購入したもの」「中古車で購入したもの」に変更したのが原因。つまりそれ以前の「中古車」区分では「新車として買ったが、現在は自分が使っているから中古車なので『中古車』区分に」と勘違いして回答した人が少なからず含まれていることになる(これは元データでも注意書きとして明確に言及されている)。

1961年には2.8%でしかなかった普及率も1960年代後半から急速に上昇。1978年には51.7%に達し、「2世帯に1世帯は自動車持ち」となった。その後も普及率は上昇を続けるが、1990年以降はほぼ横ばいを続けている。必要と考えている(あるいは他の項目と天秤をかけて「乗用車」側に傾く)世帯にはほぼ普及してしまったのかもしれない。

気になるのはこの数年、新車購入者が低減し、中古車が増えていること。日常生活における自動車の立ち位置が、変化しつつあると見てよいだろう。



最後の乗用車の普及率が横ばい、この数年はむしろ低減傾向を続けていることからも分かるように、多くの世帯で既存の耐久消費財は十分に普及した様子が見られ、今後急速な販売増加は見込まれにくい。消費(国内の普及率だから≒内需)を拡大するには、

・イベントによる既存耐久消費財の切り替え(例:地デジ、ビデオからDVD、BD)
・新しい便益やサービスをもたらす新商品の展開(例:太陽光発電)
(&それらを後押しする仕組み(例:エコポイント))

を生み出し、消費者に提供して行く必要がある。これらの項目にてこ入れをすることで産業が活性化すれば、回りまわってもう一つの重要な要素である「消費者の可処分所得の増加」にもつながっていく。

生活を楽にしていく、そしてコストパフォーマンスに優れた、商品やサービスとして魅力的な「現状の大規模改良」と「新分野の開拓」はどのような世界・市場にも欠かせない。耐久消費財においてもまたしかり、ということだ。

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