未成年者と高齢者の万引き推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/05/29 07:07

グラフ化警察庁は2011年5月12日、2010年の各種データをまとめた【平成22年の犯罪情勢(PDF)】を発表した。今回はこの掲載データを基に、以前未成年者と高齢者の万引き推移をグラフ化して精査した記事のデータ更新を行うことにする。

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まずは今回発表分も含めた、取得可能なデータを基に生成した、万引き検挙人員推移のグラフ。警察庁における「万引き検挙人員」では、未成年者として公開されているのが14-19歳までであることに注意してほしい(14歳未満は「触法少年」の扱いになり、刑法第41条の規定「14歳に満たない者の行為は、罰しない」に従い、刑事処罰されない)。

↑ 万引き検挙人員(年齢階層別、警察庁発表)
↑ 万引き検挙人員(年齢階層別、警察庁発表)

全体としては2005年までは漸増、それ以降は漸減傾向だったものが、2009年に入り再び増加の動きを見せていた。2010年はそこからほぼ横ばい。今後の動きを注視すべき状況に違いは無い。

これを全体、及び今回スポットライトを当てている高齢者(65歳以上)・未成年者(14-19歳)に限定し、その動きを見たのが次の折れ線グラフ。

↑  全国の万引き検挙人員数(未成年の検挙・補導数は14-19歳)
↑ 全国の万引き検挙人員数(未成年の検挙・補導数は14-19歳)

2010年の未成年・万引きによる検挙数は2万8364人、高齢者は2万7362人。わずかながら未成年者の方が多い。しかし人口そのものの推移(未成年者の減退、高齢者の増加)を考えれば、逆転現象が起きるのは時間の問題といえる。

さて最後に、「該当年齢階層人口」に占める「万引き検挙者」の比率を算出する。1998年以降の人口推移について総務省統計局の【人口推計】から1歳単位の人口を取得。「人口推計」では2000年・2005年・2010年と5年単位で、5歳区分の人口しか掲載されていない「簡易掲載年」が確認できるが、これは同年に【国勢調査】が行われており、その値を使うため。ただし2010年実施の国勢調査はまだ詳細集計値が出ていないので、それより前の値を基にExcelの推定機能を使い720万7000人という値を算出、類推入力した。前回記事のように「10-19歳の人口を使ったため、実質値より小さな値に-」ということはない。

↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)
↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)

↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)
↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)(2010年)

高齢者に関しては微増-横ばい。未成年者は大きな流れとしては減少傾向にあると見てよい。2001年からの数年間と、2008年-2009年あたりの増加の動きを見ると「不景気になると未成年者の万引きが増える」という法則が見えてきそうでもあるが、それを裏付けるには動きがやや弱い。

一方、今回初めて作成した、直近年における年齢階層別検挙比率を見ると、未成年者の万引き率の高さと共に、30代以降は歳を重ねるにつれて率が漸増していくようすが確認できる。以前【4人に3人は「お金持ってるけど、でも」… 万引きした人の所持金と心理的背景をグラフ化してみる】で示した万引きをした人の心理的背景「歳を経るにつれて増加する孤独感が万引きの引き金の一因」と合わせて考えると、色々と複雑な思いが去来する。



警察庁の公開データでも「万引き」という言葉が使われてはいるが、それが「窃盗」というれっきとした犯罪行為であることに違いは無い。さらにいえば「万引き」の際に店員や警備員に抵抗し、何らかの暴力を振るった場合には「強盗」(事後強盗)に該当する。

ちょっとした心の迷い、気の緩みが、自分自身の、そして周囲の人の人生を大きくゆがませるリスクがあることに、そして「言葉のあや」で物事の重要性を読み違えることのないよう、くれぐれも注意してほしい。

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