ビデオソフトの購入動向をグラフ化してみる

2011/05/29 12:00

映像ソフト(ビデオソフト、DVDやBD(ブルーレイディスク))業界に関する動向を推し量れる、【日本映像ソフト協会】が毎年発表している市場調査情報「ビデオソフト市場規模及びユーザー動向調査」には、多種多様なデータが盛り込まれている。今回はその中から、直近の2010年におけるビデオソフトの購入動向を中心にデータをグラフ化し、状況を眺めて行くことにする。同業界の動向の一端を推し量れるはずだ(【ビデオソフト市場規模及びユーザー動向調査 2010(PDF)】)。

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今調査は2011年1月にインターネット経由で2010年に関する動向を16歳-69歳の男女に対して尋ねたもので、有効回答数は1200人。性別・年代別・都道府県別構成比を住民基本台帳に基づいて割り付け、さらにビデオリサーチ社によるACR(Audience and Consumer Report)調査結果を用いて、同世代の一般個人によるデータとして推計するよう補正を行っている。

今調査結果報告書に併記されているデータによれば、ビデオソフト(DVD&BD、特記無い場合は以下同)の市場規模は2006年-2007年にやや変わった動きが見られるものの、全般的にはセル(販売)・レンタル(貸出)共に縮小傾向にある。

↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)
↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)(再録)

このような状況下で、該当年1年間でビデオソフトの購入やレンタル経験があったか否かを尋ねた結果が次のグラフ。明らかに購入者・レンタル者共に減少している。1年間で購入もレンタルもしなかった人は7.3ポイントも増加し、半数に達する勢い。

↑ 1年間のビデオソフト(DVD&BD)購入・レンタル状況
↑ 1年間のビデオソフト(DVD&BD)購入・レンタル状況

一見するとレンタル利用者が増加しているように見えるが、「購入もレンタルもする人」は減っており、「購入する・しないを問わずレンタル利用者」は2.7ポイントの減少となる。「レンタルする・しないを問わず購入者」の減少率はもっと大きく、10.2ポイントにも達している。

それでは購入者においては、どのような購入性向の変化を見せているのか。2010年、あるいは2009年のどちらかでもビデオソフトを購入した人に対し、2009年と2010年での購入枚数の変化を聞いたのが次のグラフ。

↑ 調査年における1年間のビデオソフト(DVD&BD)の購入枚数増減(前年と比べて)(調査年と前年における購入経験者対象)
↑ 調査年における1年間のビデオソフト(DVD&BD)の購入枚数増減(前年と比べて)(調査年と前年における購入経験者対象)

「去年買わなかったが今年買った」人は「増えた」に入るとしても、2009年に購入したものの2010年には買わなかった人が半数以上に達している。「2008年に買ったが2009年には買わなかった」人が41.7%なのを見ると、ビデオソフトの購入「者」が確実に減っているのが分かる。

ではなぜ購入枚数が減ったり、買わなくなったのか。それをかいま見れるのが次のグラフ。「増えた人」「減った人(「買わなくなった人」含む)」に、その理由を聞いた結果のうち上位5位ずつを抽出したのが次のグラフ。

↑ ビデオソフトの購入枚数が増えた理由・減った理由(上位5位ずつ、それぞれ枚数が増えた人・減った人対象)
↑ ビデオソフトの購入枚数が増えた理由・減った理由(上位5位ずつ、それぞれ枚数が増えた人・減った人対象)

増えた人の理由の上位は「特定のソフトが欲しい」「ネット経由」「特典」など、どちらかといえばマニア・コレクター・コア的な発想によるところが多い。他方減った理由の上位には、購入対象ソフトの減少や金銭的な余裕が無くなったことなど、「熱が醒めた」様子がうかがえる(「お金の余裕-」も結局は、お金のやりくりをしてまで「欲しい」と思わせるだけの魅力を感じなくなったのであり、間接的に「醒めた」と見ることができる)。

要は、「好きな人」は一層買い増しをするようになり、「醒めた人」「コアで無い人」は購入枚数を減らし、あるいは買わなくなった。購入層の二極化傾向と見ると、道理が成り立つ。



一枚目のグラフを読みなおすと、2009年から2010年にかけて、セル市場はさほど減少していない。しかし今回の調査項目部分を見ると、購入「者」は減り、購入者の中でも「購入枚数が増えた人」よりも「購入枚数が減った人」の方が多い。これでどうしてセル市場がほぼ横ばいを続けられるのか。

答えは別途詳しく解説するが、いわゆる「ヘビーユーザー」による購入枚数・金額の増加がその解答になる。一部のコアなユーザーが「お得意様」として何枚もビデオソフトを買う事で、セル市場はかろうじてなだらかな縮小に留まっているのが現状。ある意味「マニア市場」と評すればよいのだろう。

昨今のアニメビデオの人気ぶりを見れば、そのような状況も十分理解できるというものだ。

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