【更新】政府の福島原発事故関連情報「信用できない」73.9%

2011/05/26 12:00

記者会見アイシェアは2011年5月25日、福島第一原子力発電所(福島第一原発)の事故における政府の情報公開・発表に関する調査結果を発表した。それによると調査母体内では、政府の情報発表のタイミングについて「遅い」と感じている人は8割を超えていることが分かった。また情報の信用性について、7割以上の人は「信用できない」「信用できないものが多い」とネガティブなとらえ方をしていることも判明した。「すべて信用できる」と回答した人は1%内外でしかない([発表リリース])。

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今調査は2011年4月15日に無料メール転送サービス「CLUB BBQ」の会員に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1193人。男女比は52.3対47.7、年齢階層比は20代8.9%・30代45.7%・40代45.4%。

東日本大地震による被害をきっかけに現在でも状況が進展中で、直接的な影響はもちろんのこと、電力需給の点で間接的にも大きな影を落としている福島第一原発の事故。今件はその事故自身の重要性はもちろんだが、政府からの情報公開に関する挙動や内容、さらにはそれに連なる政府側の対応の妥当性そのものにも色々と注目が集まっている。

これに絡み、情報発表のタイミングについての妥当性を尋ねたところ、「早い」「ちょうど良い」とした人(つまり妥当であるとの判断)は18.0%。「遅い」という意見の人は82.0%となり、多数の人が情報公開の遅さを実感している結果が出た。

↑ 東日本大震災をきっかけとした、福島原発の事故に関する政府からの情報発表のタイミングについてどう思うか
↑ 東日本大震災をきっかけとした、福島原発の事故に関する政府からの情報発表のタイミングについてどう思うか

「兵は拙速を尊ぶ」との孫子の言葉ではないが、とにかく情報公開は早くした方がよい、とする考えもある。しかし今般のような重要かつ専門的な内容を多分に含み、誤解を生じると大きな問題となりうるものについては、精査の時間をかけた方が、最終的には良い結果を生み出す場合も多い。だから一概に「遅いからダメだ」と決断するのは正しいとはいえない。ただし「精査する必要性が低い」「自らの立ち位置が悪化するのであえて遅らせる」という理由で発表を遅らせるのは、健全な判断でない。

それでは情報公開の「遅い早い」では無く、「正しい正しくない」という信用度についてはどのように想われているだろうか。少なくとも今調査母体では、完璧に信用している人は1%前後でしかなかった。

↑ 福島原発の事故に関する政府からの情報発表について、あなたの信用度はどのくらいか(2011年4月15日時点)
↑ 福島原発の事故に関する政府からの情報発表について、あなたの信用度はどのくらいか(2011年4月15日時点)

ある程度信用している人まで含めた、「ポジティブ派」は大体2割強-3割足らず。すべて信用できない・信用できないものが多いを合わせた「ネガティブ派」は7割強に達している。世代別の差異はほとんど見られず、男女別ではやや女性の方が「ポジティブ派」が多いように見受けられるが、誤差の範ちゅうともいえる。ともあれ、政府発表の情報が7割以上の人から信用されていないという事実に違いは無い。



ひそひそ話グラフのタイトル中にも記したが、今件は2011年4月15日時点でのもの。公開情報上の問題点、矛盾点、情報の保全性(関連会議では議事録を意図的に残していないことも公知されている)などは以前から指摘されていたが、今月後半に入り、これまで公開されていた情報のうち、初期対応に関する部分で、事象全般に関する責任の所在、重大な判断ミス、さらにはそれを覆い隠すかのような「事実とは異なる情報」の公知が行われていた可能性が複数指摘されるようになった(要は既存の発表情報における矛盾点が次々と露呈されたということ)。このような状況を受け、再度同様の調査を実施したら、同じような結果が出るだろうか。

同じものを「観て」も、視点や感性が違えば表現が別物になるように、同じ料理でも食べた人の味覚や好き嫌い、経験で感想が異なるように、人により立場により、事象に対する解釈の違いは存在する。しかし「事実」は一つ。それを覆した上での情報発信は単なる「欺まん」でしかなく、正しい行為では無いことは誰の目にも明らかな話だ。


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