個人の携帯インターネット利用率の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/05/29 06:58

個人の携帯電話利用総務省は2011年5月18日、平成22年(2010年)調査における通信利用動向調査を発表した(【発表ページ】)。日本におけるインターネットや携帯電話など、情報通信関連の各種調査結果を反映した調査結果で、毎年7月頃に発表される【情報通信白書】のベースにもなる、同省の情報通信統計としては非常に重要なものである。現時点では概要、及び統計データのe-Statへの収録のみで報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「個人の携帯インターネット利用率の推移」をグラフ化してみることにする。

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今調査(通信利用動向調査)は2011年1月に、地域及び都市規模を層化基準とした層化二段抽出方式による無作為抽出で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員4万5120世帯に対して行われたもの。有効回答数は2万2271世帯・6万5202人(企業に対して行われたものは常用雇用者規模100人以上5160企業/有効回答数2119企業)。調査方法は郵送による調査票の配布および回収なので、各媒体の保有率は調査結果に影響を与えていない。

先の記事【携帯電話でのインターネット利用率をグラフ化してみる(2010年分反映版)】にもあるように、2010年末における全体・年齢階層別のグラフ、つまり過去一年間に携帯電話(PDA、PHS含む)を経由してインターネットにアクセスしたことがある人の割合は次の通りとなっている。

携帯インターネットの利用率(2010年末)(過去1年間において、PHS・PDAも含む)
↑ 携帯インターネットの利用率(2010年末)(過去1年間において、PHS・PDAも含む)(再録)

携帯電話そのものの利用率・インターネット全体の普及率同様に、20-30代がピークでその後定年退職前後までは緩やかな、そしてそれ以降は急激な下り坂を描いているのが分かる。

このデータも反映させた、過去の記録が確認できる2001年末以降のものについてその推移を折れ線グラフで示したのが次の図。

↑ 携帯インターネットの利用率推移(人口比)
↑ 携帯インターネットの利用率推移(人口比)

全体値(6歳以上全体)は2005年以降上昇率がゆるやかになっているが、これは20歳以上-中堅層が堅調に伸びているのに対し、「6歳-12歳」「13-19歳」がほぼ横ばいなことで、伸びを押しとどめているのが推測できる。前者は【携帯電話のパケット定額制普及率の推移をグラフ化してみる(2010年版)】でも触れているようにパケット定額制の普及が大きな後押し要因となっているのは明らか。一方で20歳未満の横ばい、さらに直近の2010年分では(赤矢印にあるように)6-12歳の層で大きな下落が見えるのは、定額制の普及以上に安全面の問題から「携帯はダメ」「防犯面で仕方ないから携帯電話を所有しても良いが、インターネットは使用禁止」などの規制をかけられていることが要因だと推測される(【子供のネットトラブル、「出会い系サイト」から「非出会い系サイト」への移行続く(2010年中データ反映版)】)。

他方、高齢層では元々普及率が低めだったことも一因だが、50歳代・60歳代での順調な伸びが確認できる。特に先の記事で特記した(グラフ中でも赤い矢印で示した)「65-69歳の急激な伸び」以外でも、「50-59歳」「60-64歳」「70-79歳」の層(青矢印部分)がこの数年間で大きな向上を見せているのが確認できる。導入・利用ハードルがパソコンより低い携帯電話(そしてその他のモバイル端末)は、シニア層のインターネットの窓口として、着実に普及しつつあるようだ。

今後は今まで以上に高齢者(シニア層)に携帯電話も含めた、モバイルインターネットに対する注目が集まる。「【お年寄りのネット嫌い その理由は?】でも指摘しているアクセスまでの技術的・操作上のハードルがパソコンより低い」「元々普及率が低いだけに伸びしろが大きい」「基本的に有線ではなく電波・無線でつながるので、『ラストワンマイル』問題を気にしなくて済む」など、理由はいくらでも挙げられる。さらに高齢層の可処分所得・金融資産を考えれば、企業側もビジネス的にも色々と考えたくなる。突き詰めるところ、金銭面云々をのぞけば、その問題は新興国におけるインターネット普及のプロセスと非常に似通っていることが分かる。

その上今後、この年齢階層の「人口そのものの増加」を合わせて考えれば、コンテンツ提供側も色々と考察が必要になるのは言うまでもあるまい。

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