個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/05/25 12:10

パソコン利用総務省は2011年5月18日に、平成22年(2010年)に調査した通信利用動向調査を発表した(【該当発表ページ】)。日本のインターネットや携帯電話など、情報通信にまつわる各種調査結果を反映したもので、毎年7月頃に別途発表される【情報通信白書】の根幹部分としても採用される、同省の情報通信統計として重要なものである。現時点においては概要や統計データのe-Stat(統計局のデータベース)への収録のみで、まとまった報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「携帯電話とパソコンに関する利用率」をグラフ化してみることにする。

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今調査の調査方法・調査対象母集団については先の【光回線さらに浸透・半数を超える-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2010年分反映版)】にある通りなので、そちらを参照のこと。

今件は個人ベースにおける、携帯電話やパソコンを利用しているか否か(いわゆる「利用率」)を精査したもの。携帯電話やパソコンの平均利用時間は若年層ほど長く、当然利用率も高いと推定できる(【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】などが参考になる)。結果としてはまさにその通りだが、いくつかの特異な傾向も見受けられた。

携帯電話・パソコンの利用率(年齢階層別・個人/2010年末)
携帯電話・パソコンの利用率(年齢階層別・個人/2010年末)

全体としては携帯電話の利用率がパソコンを6.2ポイント上回っている。今のパソコンも携帯電話も事実上インターネット端末と同義なので、「インターネット端末としてはパソコンよりも携帯電話の方が利用率・普及率が高い」とみなしても良いだろう。興味深いのは世代別の変移で、

・携帯電話の個人利用率は20-40代で9割超、50代でも9割近くと「ほとんど」の域。
・     〃     60代後半でも7割近くに達しており、普及率は高め。
・パソコンの利用率は40代-50代を境目に急速に低下する。携帯電話利用率とのかい離も大きくなる(A)。
・10代はパソコンの利用率が携帯電話利用率よりもはるかに高い(B)。

などの傾向がみられる。(A)は、パソコンは携帯電話よりも高価格で、維持・使用に複雑な操作が必要なこと、価格が高いことなどが要因と推測される(【お年寄りのネット嫌い その理由は?】)。一方、携帯電話は基本的にオールインワンなのが強み。(B)は10代の若年層では携帯電話の保有そのものが許されていない場合が多いこと、(「保有」ではなく「利用」率であることから)学校や家庭でパソコンを使う機会が多いのが原因と考えれば納得できる。

高齢者向け携帯電話には通話機能だけで、本当の”「携帯」する通話用電話”なものも多いが、単純ながらも電子メール機能などインターネット機能を併せ持つ機種も増えている。【高齢者もケータイでネット世界にダイブする】でも触れているが、高齢者にとって携帯電話はパソコンよりハードルが低い、インターネット世界への架け橋の立ち位置とも考えて良さそうだ。



なおやや余談ではあるが、昨年の同データとの変移を計算した結果が次のグラフ。同一調査母体では無いためあくまでも参考値でしかないものの、面白い結果が出ている。

携帯電話・パソコンの利用率変移(年齢階層別・個人/2009年末-2010年末)<br>
携帯電話・パソコンの利用率変移(年齢階層別・個人/2009年末-2010年末)

調査母体が同一でないことから数%の差異が生じるは仕方ないにしても、全般的に「50代までの携帯電話利用率の微減」「50代以降のパソコン・携帯電話の利用率増加」が確認できる。この値だけでは原因までは特定できないが、後者はシニア層がパソコンや携帯電話を介して、インターネットという大海に乗り出し、「宝島」を見つける機会を得ようという動きと考えられる。もしその流れが事実なら、注目、そして賛美すべき傾向といえる。

とりわけ65-69歳は昨年においても大幅な増加(今年はパソコンのみだが)が確認できる。定年退職を迎えた高齢者がパソコンや携帯電話を使ったIT技術への挑戦を、第二の人生の対象としたのなら、喜ばしい話ではあるのだが。

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