【更新】一か月で減る不安や心配、ただし電力不足は逆に増加

2011/05/24 12:00

不安リサーチ・アンド・ディベロプメントとクロス・マーケティングは2011年5月20日、同年3月11日に発生した東日本大地震から2か月経過した後の首都圏における、生活と消費の意識に関するアンケート結果の一部を発表した。それによると調査母体においては、2011年4月と比べて5月の時点の方が、地震関連の心配や不安が多少ながらも減退していることが分かった。しかし用意されている項目の中で唯一「電力不足による不便な生活の強要」に強い同意を示す回答者が増加しているのが確認できる。主要インフラの一つである電力が不足することへの不安感は強く、マインドに深い影を落としているようだ([発表リリース、PDF])。

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今調査は2011年5月12日から15日(4月調査は4月8日から11日)にかけて首都圏40キロ圏内の18-74歳男女に対して、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は3000人強。いずれの調査でも性別・年齢別に首都圏の人口構成比に比例するよう、回答データに補正をかけている。

今調査では東日本大地震から一か月経過した4月、さらにもう一か月経過した5月に同様の調査を行い、心理状況の変化を探っている。東日本大地震の直接・間接的な被害・影響による不安や心配について、主要項目を列挙。それぞれについて「非常に感じる」「やや感じる」「感じる」の三択で選んでもらい、そのうち「非常に感じる」の回答率とその変移をグラフにしたのが次の図。

↑ 今後の不安や心配(「非常に感じる」「やや感じる」「感じない」の三択で「非常に感じる」の回答率)
↑ 今後の不安や心配(「非常に感じる」「やや感じる」「感じない」の三択で「非常に感じる」の回答率)

元資料には「喉元過ぎても……心の奥底に漠然とした先行き不安感」という表現があるが、果たして「喉元」を過ぎているのか否かは別として。多数の項目で多かれ少なかれ、不安や心配が減退しているのが確認できる。その中で唯一増加を見せているのが「電力不足で不便な生活を強いられるかもしれない」という項目。

【東北・東京・中部電力の一日単位の最大電力需要推移をグラフ化してみる(2011年5月12日まで反映版)】にもある通り、年ベースでの電力消費のピークは夏季、7-9月にやってくる。東日本大地震後初の夏季は電力需給において(東京・東北電力管轄はもちろん、中部、そして場合によっては他の管轄でも)これまでにないほどの厳しい状態に迫られることが予想され、企業から個人まで節電対策一色の感はある。

電線節電へのムーブメント、モチベーションの高まりそのものは悪くない。しかしそれが同時に、今件の調査結果にもあるように、全般的な心理状態の不安定化をもたらしてしまっていることも否めない。「存在感を覚えさせないほど、常にいつも供給されること」こそがインフラの必要条件であり、それが果たされない状態で「不安を覚えるな」と意見されても、難しい話といえる。

少なくとも夏までは、このような心理状況の変化は継続される。不安の増加は経済状態にも確実にマイナスの影響をもたらす。インフラが従来のインフラ形足り得るよう、施政は全力を尽くすべきであろう。



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