本震当日「何とか帰れた、でも苦労したなあ」最多回答は「携帯電話が通じない」

2011/05/25 07:22

帰宅サーベイリサーチセンターは2011年4月7日、東日本大地震に関する「帰宅困難者」関連の環境・判断などを中心とした調査結果を発表した。それによると調査母体のうち本震(2011年3月11日)当日に帰宅できた人において、帰宅する際にもっとも苦労したのは「携帯電話が通じない」ことだった。約3割の人が苦労したと答えている。男女別では「身体の冷え」「一人で不安」などの点で女性が大きな不安を抱えていたのが確認できる(発表リリース)。

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今調査は2011年3月25日から28日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2026人。首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)在住で、本震発生時に首都圏にいた人を対象としている。年齢階層比は20代・30代・40代・50代・60歳以上で均等割り当て、男女比は1対1、居住地区比は1都3県でほぼ均等割り当て。

今調査では回答者2026人のうち、本震当日に自宅に戻れた人は1663人(82.1%)。その人たちに帰宅する際の苦労した点を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。最多回答項目は「携帯電話が通じなかった」で31.2%に達している。

↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答)
↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答)

自分自身の安否を他人に知らせたり、逆に肉親・知人の安否を確認するのは言うまでも無く、さまざまな情報取得が出来るツールとして、携帯電話は非常に役立つ存在。それゆえに、携帯電話が通じないのは非常に不便なだけでなく、情報の遮断という現実感を再確認させるきっかけとなり、心理的な不安さをも呼び起こしてしまう。

震災当日は回線の集中利用、停電、各種設備の物理的破損などさまざまなハードルで携帯電話がつながらず、復旧には(場所やキャリアによって差異はあるものの)多くの人が頭を抱えることになった。近頃主要キャリアの決算発表・決算説明会などの資料が公開されているが(【例えばNTTドコモはこのページ】)、それらには一様にして今件事態の被害報告と共に、今後の対応などが描かれている。携帯電話のキャリア決定・変更を考えている人は、今回の地震における状況を思い返すと共に、それらの対策資料に目を通し、さらに本震後各社の経営陣がどのような姿勢を「インフラ復旧・対策」に見せたか、思い返すことをお勧めする。

次いで多いのは「体が冷えた」。当日はまだ春に足を踏み入れたばかりで、気象的に温かかったとは言い難い(被災地では雪も降っている)。さらに各種情勢が不安定で、交通機関も使えず徒歩などで帰ることになり、一人歩きの時間が長くなることによって、不安を覚えた人も多数確認できる。

「身体が冷えた」「一人歩き」は女性の値が大きく伸びている。特に女性が強く苦労・不安を覚えたようだ。

↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答、男女別)
↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答、男女別)

さらに全般的に男性より女性の方が不安を覚える事項が多いことから、災害時には女性の方が精神的に不安定になる傾向を再確認する結果となっている(【東日本大地震後の不安要素は原発、そして被災地への支援状況】など)。

また「革靴・ハイヒールだったので歩きづらい」という回答が1割近く、男女共に確認できる。日頃から安物で良いので一足運動靴を買いそろえ、職場などに常設しておくというのもありかもしれない。



やや余談になるが、携帯電話関連の項目を抽出し、これを世代別に区分したのが次の図。

↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答、携帯周りのみ、世代別)
↑ 帰宅する際、どのような苦労があったか(本震当日帰宅できた人限定、複数回答、携帯周りのみ、世代別)

見事に「若年層ほど高い値」「シニア層ほど低い値」となっている。元々携帯電話やパソコンへの注力度が低ければ、それが使えなくなっても「苦労」を覚えることは無い。特に携帯電話が通じないことへの不安では、20代と60歳以上では13.2ポイントもの差が出ている。今般東日本大地震では、災害時における携帯電話が「インフラ」としていかに大切か、若年層ほど強く感じたに違いない。

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