携帯電話でのインターネット利用率をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/05/24 12:10

携帯電話でインターネット総務省は2011年5月18日、平成22年(2010年)調査における通信利用動向調査を発表した(【発表ページ】)。日本におけるインターネットや携帯電話など、情報通信関連の各種調査結果を反映した調査結果で、毎年7月頃に発表される【情報通信白書】のベースにもなる、同省の情報通信統計としては非常に重要なものである。現時点では概要、及び統計データのe-Statへの収録のみで報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「携帯電話(PHSを含む)における、インターネットの利用率」をグラフ化してみることにする。

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今調査(通信利用動向調査)は2011年1月に、地域及び都市規模を層化基準とした層化二段抽出方式による無作為抽出で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員4万5120世帯に対して行われたもの。有効回答数は2万2271世帯・6万5202人(企業に対して行われたものは常用雇用者規模100人以上5160企業/有効回答数2119企業)。調査方法は郵送による調査票の配布および回収なので、各媒体の保有率は調査結果に影響を与えていない。

今回グラフ化したのは、「携帯電話を使った」「インターネットの利用率」。なお今件における「携帯電話」は、PHS・PDA共に含まれる。

まずは2010年末における全体・年齢階層別のグラフ。過去一年間に携帯電話(PDA、PHS含む)を経由してインターネットにアクセスしたことがある人の割合。

携帯インターネットの利用率(2010年末)(過去1年間において、PHS・PDAも含む)
↑ 携帯インターネットの利用率(2010年末)(過去1年間において、PHS・PDAも含む)

携帯電話そのものの利用率・インターネット全体の普及率同様に、20-30代がピークでその後定年退職前後までは緩やかな、そしてそれ以降は急激な下り坂を描いているのが分かる。また、6-12歳が1/5ほどのみ、13-19歳も20歳以降と比べて少なめなのは、多くの人が自分の収入で端末を入手できない立場であること、そして保護者から端末の利用許可・本体そのものをもらっていないことなどが想定できる。

これをさらに過去の調査データ5年分を元に、その推移を示したのが次の図。

携帯インターネットの利用率推移(PHS・PDAも含む)
↑ 携帯インターネットの利用率推移(PHS・PDAも含む)

各年齢層とも少しずつ利用率が増加し、「携帯電話によるインターネット利用」が普及していく状況がつかみ取れる。特に50代以降の伸びが著しい。一部データ上の「ぶれ」のためか値が微少ながら減退している世代もあるが、全般的は伸び率の差はあれど、利用率そのものは増加傾向にあると見てよい。

ただし「6-12歳」は幼少時における携帯電話経由のネット接続に対するリスクを考慮した、保護者による措置が広まっているものとも判断できる。来年発表の2011年分以降も同じ動きを見せれば、それはほぼ確実といえる。

せっかくなので、2010年末における「携帯電話の利用率」「インターネット普及率」「携帯インターネットの利用率」を世代別に併記してみることにした。

「携帯電話の利用率」「インターネット普及率」「携帯インターネットの利用率」
↑ 「携帯電話の利用率」「インターネット普及率」「携帯インターネットの利用率」(2010年末)

6-12歳と13-19歳において、他の項目と比べて「インターネット普及率」が突出しているのは、学校経由におけるパソコンのネット利用が多いため。また、携帯電話の保有を保護者から止められている場合が多いのも、「携帯電話の利用率」が低い要因。それを除けばほぼすべての年齢階層において、

「携帯電話の利用率」>=「インターネット普及率」>「携帯インターネットの利用率」

という式が成り立つのが分かる。これはそのまま、各メディア・サービスの利用ハードルの高低を表している。ただし20-50代においては事実上「携帯電話の利用率」=「インターネット普及率」となっており、この世代ではインターネットと携帯電話のインフラとしての普及率がほぼ同レベルに達していることを意味している。

気になるのは50歳以降になると、「携帯電話の利用率」「インターネット普及率」と「携帯インターネットの利用率」とのギャップが大きくなること。60歳以降になるとさらに「携帯電話の利用率」と「インターネット普及率」との差も大きくなる。これはやはり操作の複雑さ、そして必要度の違いからくるものと考えて良い。



以前【60代が区分線!? 年齢階層別インターネット利用率をグラフ化してみる】の後半部分でグラフ付きで解説したが、高齢層はこれまでの生活の中でインターネットや携帯電話に接した時間の割合が少ないため、必要性や信頼性の面でこれらを重要視しない傾向がある。あるいは単に、便宜性に気が付いていないだけなのかもしれない。

新世代メディアの展開を10年と仮定した時の、各年齢における「自分の人生全体における新世代メディアとの接触年数」(概念図)(再録)
新世代メディアの展開を10年と仮定した時の、各年齢における「自分の人生全体における新世代メディアとの接触年数」(概念図)(再録)

また、覚えなければならないことが多く、利用までのハードルが高いのも普及・利用の低迷理由と考えられる(覚えること自身に難儀するし、「覚えるまでの時間」と「覚えてから楽になる時間」とどちらが長いか、寿命と兼ね合わせて考えると……という足し引きが頭の中で行われている)。

テレビや冷蔵庫、洗濯機などのように使いこなすまでに必要な習練時間が少なくて済み、気軽に利用できるインターネット機器や携帯電話が登場すれば、高齢者にも受け入れられ、普及率・利用率も向上していく可能性はある。その観点で考えれば、昨今のタブレット機は、インターネットを敬遠する高齢者に対して、何らかの突破点となる可能性を秘めているといえる。

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