光回線さらに浸透・半数を超える-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/05/23 12:10

ブロードバンド総務省は2011年5月18日、平成22年(2010年)調査における通信利用動向調査を発表した(【発表ページ】)。日本におけるインターネットや携帯電話など、情報通信関連の各種調査結果を反映した調査結果で、毎年7月頃に発表される【情報通信白書】のベースにもなる、同省の情報通信統計としては非常に重要なものである。現時点では概要、及び統計データのe-Statへの収録のみで報告書の類は完成していないが、今回は「自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(世帯別)」についてグラフ化を試みることにする。ブロードバンド化がいかに進んでいるか、昨年のデータと比較して、どのタイプの回線が普及を進めているかが理解できよう。

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今調査(通信利用動向調査)は2011年1月に、地域及び都市規模を層化基準とした層化二段抽出方式による無作為抽出で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員4万5120世帯に対して行われたもの。有効回答数は2万2271世帯・6万5202人(企業に対して行われたものは常用雇用者規模100人以上5160企業/有効回答数2119企業)。調査方法は郵送による調査票の配布および回収なので、各媒体の保有率は調査結果に影響を与えていない。

最新版「通信利用動向調査」によると、2010年12月末時点のインターネットの普及率(過去1年間にインターネットを利用したことがある人の率)は78.2%・利用者人口は9462万人。この調査結果における「インターネット利用」とは、6歳以上で、過去1年間にパソコン・携帯電話・PHS・ゲーム機・タブレット機などあらゆる端末でインターネットにアクセスした経験があるか否かのみで判断している。アクセス対象の機器を自分が保有しているか否か、利用目的が私的・仕事上・学校の学習用であるかなどは一切問われていない。要は「インターネットカフェで、備え付けの端末でネットサーフィンをした」「DSでインターネットブラウザを使ってアクセスした」でも「利用者」に該当する。

「自宅」の「パソコン」に対するインターネット接続回線の種類はブロードバンド(光、DSL、ケーブルテレビなど)・ナローバンド(ISDN、電話回線)のいずれなのか、そしてその普及率はどれほどのものなのか。複数回答なので双方を並列導入している・していた場合もあるが、ナローバンド回線は2007年から2010年の間、毎年普及率が確実に減退していることが分かる(今件の母体は「自宅からパソコンでインターネットを利用している世帯」、2010年末なら1万6780世帯(全世帯中75.3%)となる)。

自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(世帯)
自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(世帯)

ブロードバンド回線の普及率は2010年末で77.9%。パソコンでインターネットを使っている世帯では、大体5世帯に4世帯が導入している計算。2006年から2010年までに10ポイント増加している。ナローバンド普及率の減少に比べるとブロードバンド普及率の伸びが鈍いように見えるのは、インフラの整備が遅れていることや、「ブロードバンド・ナローバンド双方を使用していた人が後者の利用を取りやめただけで、ブロードバンドは元々利用していたから、ブロードバンドの普及率向上には寄与しない」と考えることができる。

ブロードバンド・ナロードバンド双方において、具体的にどのような種類の回線を利用しているのかを示した利用率グラフが次の図。

自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(世帯/詳細)
自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(世帯/詳細)

【ADSLと光回線の転換点は2005年】【ブロードバンド契約数は2644万件、うちFTTHは33.3%に・DSLは微減】でも示しているように、かつてブロードバンド環境を一挙に浸透させた、ADSLに代表されるDSL回線は緩やかにその普及率を下げ、一方で光回線が急速に伸びを見せているのが分かる。また、ケーブルテレビ回線も昨年までは順調な伸びが確認できたが、2010年では減少。これもまた利用者の一部が光回線に移行しているものと、容易に想像できる(当方の居住地もケーブルテレビを利用しているが、頻繁に光回線への切り替えを勧誘するチラシが投函される)。ナローバンドではISDN・電話回線双方とも、着実に減少している。



かつてナローバンド回線からインターネット接続環境の主役を奪ったDSL回線は、今や光回線とケーブルテレビ回線から、同じような主役争奪戦を挑まれて、劣勢に立たされている。2010年末時点では普及率順で光回線・ケーブルテレビ回線・DSL回線の順。

一方トップをいく光回線の普及率は52.2%。2010年においてついに「2世帯に1世帯」「過半数」の域に達し、前回までやや鈍化していた普及スピードが、大いに加速している。今後もさらにじわじわと、その値を積み増していくことは確実。光回線の普及率が7割、8割以上に達し、ブロードバンド環境がごく当たり前の状況になった時、インターネットそのものや、それを取り巻く環境はどのように変化を見せるのだろうか。モバイル端末の進化・連動性と合わせ、劇的な変貌を待ち伸び見たいところだ。

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