【更新】「少女コミック」「別冊花とゆめ」など一部は堅調だが…少女・女性向けコミック誌部数動向(2011年1月-3月)

2011/05/23 07:20

先日まで【社団法人日本雑誌協会】が2011年5月11日に発表した、2011年1月から3月分の印刷部数データを元に、いくつかの定期発刊雑誌の動向をグラフ化し、分析した。今回は一連の記事の最後&オマケ的なものとして、少女・女性向けコミック誌の雑誌についてグラフ化を試みることにする。なお当方男性ということもあり女性誌にはとんと疎いことから、数字そのものはともかく、内容分析については的外れなことを述べている可能性もある。その点はあらかじめご了承願いたい。

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データの取得場所の解説、及び「印刷証明付部数」などの用語説明については、一連の記事まとめ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい

まずは少女向けコミック誌。少年向けコミック誌の「週刊少年ジャンプ」の立ち位置に「ちゃお」がついている。これは前回と変わりなし。

2010年10-12月期と最新データ(2011年1-3月期)による少女向けコミック誌の印刷実績
↑ 2010年10-12月期と最新データ(2011年1-3月期)による少女向けコミック誌の印刷実績

「ジャンプ」のように100万部超の世界は果たしてないが、他誌に比べて「ちゃお」が抜きんでている様子が分かる。直近データでは68万部。販売実数はこれよりも少なくなるので、50万部強くらいだろう。第2位の「別冊マーガレット」の3倍近くに及んでいる。ただしこの68万部も、データが確認できる2008年7月-9月期以降における最盛期の値86.7万部から比べれば、20万部ほど数を減らしている。直近の動きとしては後述するが、「なかよし」が落ち、「少女コミック」などが健闘している。

続いて女性向けコミック誌。こちらは比較的整然とした並び。

2010年10-12月期と最新データ(2011年1-3月期)による女性向けコミック誌の印刷実績
↑ 2010年10-12月期と最新データ(2011年1-3月期)による女性向けコミック誌の印刷実績

注意してほしいのは横軸の区分。一番右で16万部までしかない。男性向け、さらには少女向けコミック誌と比べ、随分と市場が小さいことが分かる。

トップの「YOU(ユー)」は創刊が1980年の隔週刊誌。元々は月刊セブンティーンの増刊としての立ち位置だった。また、いわゆる「レディースコミック」誌の先駆けで、多種多彩な姉妹誌が存在する(のと共に廃併合を繰り返している)のが特徴。例えばこのグラフ中にも姉妹誌の「office YOU」の姿を見つけることができる。

さて「少女・女性向けコミック誌」としての記事は今回が二回目となるが、前回記述したように比較的古い分までのデータが取得できている。そこで他の分類同様に、印刷数変移をグラフ化してみることにする。まずは最新期と前期の変移率。

要は約3か月間にどれだけ印刷部数(≒販売部数)の変化があったかという割合を示すもの。

雑誌印刷実績変化率(少女向けコミック誌)
↑ 雑誌印刷実績変化率(少女向けコミック誌)(2011年1-3月期、前期比)

実は女性向けのコミック誌も男性向けと状況は大して変わらず、厳しい局面を迎えている。今回は前回よりもややポジティブな動きを見せ、プラスとなったのは「少女コミック」「別冊花とゆめ」「マーガレット」の三誌。ただし「ASUKA」「なかよし」などの5%以上の下げを記録している雑誌の下げ具合が前回よりも大きく、一概に「ポジティブ」とは言い切れない。

続いて女性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(女性向けコミック)
↑ 雑誌印刷実績変化率(女性向けコミック)(2011年1-3月期、前期比)

「CIEL(シエル)」のみが大きくプラスで、数誌が少々の上げ、あとはマイナス。「CIEL」が独走体制にあることは前回と同じ。印刷部数そのものは直近で3.35万部とさほど多くはないものの、少なくとも計測期間内では確実に部数を伸ばしている。同誌はいわゆる「ボーイズラブ(BL)」系のコミック誌で、同ジャンルの人気の底深さと浸透拡散ぶりがうかがえる。

冒頭でも触れているが、今回幸いにも過去のデータをまとめて取得できたため、それを用いて「前年同期比」の値も算出することが可能となった。そこでいわゆる「季節属性」を考慮しなくても済む「前年同期比」のグラフも掲載する(例えば今回なら、2011年1-3月と、その1年前の2010年1-3月分の比較というわけだ)。純粋な雑誌の販売数における、年ベースでの伸縮率が把握できる。

雑誌印刷実績変化率(少女向けコミック誌)(2011年1-3月期、前年同期比)
↑ 雑誌印刷実績変化率(少女向けコミック誌)(2011年1-3月期、前年同期比)

前年同期比も厳しいのは男性向けのコミック誌同様で、少女向けコミック誌でもプラスは1誌、プラマイゼロが1誌、あとはすべてマイナス。つまり、前回記事と同じ状態(「少女コミック」がプラス、「別冊マーガレット」がプラマイゼロなのも同じ)。しかも10ポイント超のマイナス値は7誌にも及ぶ。多分(マジ)にシャレにならない状態。

続いて女性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(女性向けコミック誌)(2011年1-3月期、前年同期比)
雑誌印刷実績変化率(女性向けコミック誌)(2011年1-3月期、前年同期比)

前期比部分でも言及した「CIEL」が健闘。他に「MELODY」がプラスだが、こちらは白泉社の(少女コミック部門の)「花とゆめ」「LaLa」から派生した女性向け隔月刊誌で、本家の両誌がマイナスとなる中、大きなプラスを見せている。ストーリー性・ドラマ性の高い作品が数多く揃えられていることが評判を呼んでいるようだ。このあたりの構造も前期と変わらない。少女・女性向けコミック誌は男性向けと比べ、短期間での動きは少ないように思われる。



男性向け雑誌と同じ動きを見せるのなら、いわゆる「季節変動」が生じて今期はそれなりにプラスとなるはずなのだが、女性の行動パターンを考慮すると「季節変動」はさほど生じないと考えてよい。その上で考えると女性向けコミック誌、特に若年層を対象にした少女向けコミック誌の大苦戦ぶりが改めて確認できる。一方で女性向けコミック誌は元々印刷部数が少ない事もあるが、まだ下げ率は小さい。しかしごく一部をのぞき数を落としていることに違いは無く、油断は出来ない。

今回数少ない青色で着色された「CIEL」と「MELODY」は、それぞれボーイズラブ・ストーリーやドラマという特性を持っている。この「オンリーワン」的要素が、激しい生存競争の中で生き残るポイントとなるヒントに違いない。

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