業界規模は3.2兆円・お菓子の売れゆき具合をグラフ化してみる(2010年版)

2011/05/20 19:30

お菓子先に【毎日間食3人に1人、女性は男性の2倍以上】などで間食について色々と調べた際に、お菓子の種類やその販売規模をチェックすることになった。これについては以前まとめておいたのだが、せっかくだからと全日本菓子協会のサイトを確認したところ、各種数字が2010年のものに更新されていることが確認できた。そこで今回はその最新データ【元データ、2010年版、PDF】を基に、各種グラフを再構築することにした。

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今資料からは、比較的景気動向の影響を受けにくい(単価が安く買いやすい趣向品は不景気でも買われる。むしろストレス解消のために購入頻度が高まる動きすら想定できる)お菓子業界でも、景気の荒波にもまれていること、【82.8%が「購入経験あり」・女性はやっぱりコンビニスイーツが大好き】などでも触れているように、コンビニのスイーツへの注力に伴う洋菓子の低価格化が、お菓子業界全体にも少なからぬ影響を与えていることが確認できる。例えば概況について「和生菓子」「洋生菓子」の部分を抽出すると、

・和生菓子
和生菓子は一般家庭内消費については、若干購入単価の減少がみられるものの、健康志向の高まりによる客数の増加がみられることもあり、ほぼ横ばいで推移した。リーマンショック以降の景気低迷の影響により、贈答品需要については1件当たりの購入価格の低下と購入数量の減少があり、また、法人需要も低調であることから売上は減少している。規模の大小に関わらず売上の伸張については事業者間の格差が広がる傾向が強くみられる。このような状況から全体として前年実績を下回る結果となった。

・洋生菓子
洋生菓子は長引く景気低迷による消費者の低価格商品志向の中で、商品の小型化、販売単価の低下傾向がみられる一方、素材や品質にこだわり、新しい商品を求める消費者は増えており、消費の2極分化傾向がみられた。

また、前半は景気の低迷、夏場の記録的な猛暑の影響もあり、全体的に洋菓子の販売は低迷した。秋以降はクリスマスケーキの販売等で何とか持ち直し、おおむね前年を上回るベースで推移した。ただ、都市部と地方の格差が広がり、年間では低迷をカバーするまでにはいたらず、最終的には生産量・金額とも前年を下回った。

などの解説がある。特に「景気の低迷で法人・贈答品の需要や単価低下」「洋菓子の小型化や販売単価の低下、そしてこだわりの新商品へのニーズと合わせた2極化」などの部分は注目に値する。

さて分野別の売り上げ高だが、和生菓子がトップで約4800億円。次いで洋生菓子が約4500億円。チョコレート、スナック菓子などが続き、合計は3兆2080億円。前年比490億円減(-1.5%)。

↑ 菓子小売金額の構成比率(2010年)
↑ 菓子小売金額の構成比率(2010年)

↑ 菓子小売金額(2009-2010年、億円)
↑ 菓子小売金額(2009-2010年、億円)

当方(不破)は相変わらずせんべいが大好きで、新商品をコンビニやスーパーの棚で見かけるとつい見入ってしまうし、関連企業の新作リリースには胸ときめかせながら目を通しているのだが、市場シェアとしては「その他大勢」レベルでしか無いのを見ると少々悲しいものがある。それはともかくとして、生和菓子がスーパーやコンビニで見かける以上に大きなシェアを持っていること、区分分けの仕方も一因だが、意外にお菓子の需要が分散しているのが分かる。

最後は売上高の前年比。他業種の同様のグラフと比べると2ケタ台のような下げ率は無く減退率は少なめで、やはり景気の影響は「あまり」受けにくいことが見て取れる。ただし去年と比べると調子が出なかった分野が多いのが分かる。

↑ 菓子小売金額前年比(2009-2010年)
↑ 菓子小売金額前年比(2009-2010年)

2010年はプラスの区分はほとんど無く、あったとしても1%未満。一方でマイナス区分は多く、3-4%のものが頻発している。中長期的な消費減退・低価格商品志向に加え、コメントからは豪暑の影響が大きく出ているのが確認できる。また、売上では把握できないが、原材料費の高騰を受けていることが示されており、売上以上に企業の利益が減退していることが想像できる。



おせんべい冒頭でも触れているように、お菓子、特に甘味系のものは景気後退時にも手堅いアイテムとして知られている。しかし贈答品としてのお菓子の活躍の場が減り、旅行機会が減ることで土産品としてのお菓子の売り上げが落ちるなど、少なからぬ影響を受けている状況も確認できる。

一つ気になる言及としては、ビスケットの項目で「ソフトビスケットの生産が引き続き増加しており、ハードビスケット、クラッカーなどは減少している。柔らかい食感のものが好まれる傾向にあると推測される」というコメントがあること。和生菓子の「健康志向の高まりによる客数の増加がみられること」と合わせて考えると、【定年前後のシニア層、間食は男性半数・女性8割が「週一以上」】でも触れたように、市場全体に占める高齢者間のお菓子ニーズが増えている気配が感じられよう。

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