会員数は増加するもPVに変化なし、幽霊会員率34%…mixi動向(2011年3月)

2011/05/16 07:18

【ミクシィ(2121)】は2011年5月10日、2010年度第4四半期(2011年1月-3月)及び同年度通期における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料などから、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料から過去の記事を元にグラフを再構築・構成し、mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース一覧ページ】)。

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会員数は増加、ページビュー数は横ばい、モバイル率アップ
資料によれば2011年3月(末)時点でのmixiの主要データは次の通り。提示された資料は2011年度第4四半期(2011年1月-3月)及び同年度通期(2010年4月-2011年3月)のもので、基本的に2011年3月末のデータが提示されている。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1537万人
・ユーザー数
 ……2337万人
・月間ページビュー数
 モバイル……250.7億
 パソコン……44.4億
   Touch(スマートフォン)……16.5億
  計……311.6億

今回発表分から月間滞在時間のデータが非公開となった。また、2011年1月分からmixi Touch(スマートフォン向けに最適化されたmixi)の測定ツールが変更されたこともあるが、スマートフォン利用者の増加が著しい事が確認できる。

↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)
↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)(2011年1月から測定ツール変更)

留意すべきは上位二つの項目。ユーザー数が1537万人なのに対し月間ログインユーザー数が2337万人、つまり差し引き800万人(34.23%)が2011年3月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月前のデータ(785万人・35.06%)と比べて割合が減少しているのは幸いだが、人数は増加しており、気になるところではある。

また、昨年末時点と比較すると、ユーザー数は増加・総ページビュー数は微増増加、パソコン(スマートフォン含む)経由のページビュー数は大幅増加の傾向を見せている。これはモバイル利用者の一部がスマートフォンに移行したことで、同じ携帯端末利用者でも利用あたりのページビュー数が減ってしまうことによるもの(表示画面はスマートフォンの方が大きく情報量も多くなるため、同様の巡回や情報取得をする場合でも、携帯電話よりスマートフォンの方がページビュー数が減る)。また、前回の記事でも指摘しているが、システムの整理統合改変などで無駄なページへのアクセス機会が少なくなったのも要因の一つ。

他方、具体的数字は提示されず資料ではグラフのみの掲載のため、今回は記事での反映を略するが、各種コミュニケーション機能(ボイス投稿、チェック投稿など)の総投稿数・利用率は増加しており、利用者のアクティブ度は増しているように見える。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。前回懸念した通り、今回の資料でも月次ベースの会員数推移が非公開となっている(3月末時点のは上記の通り)。

ともあれグラフからは、2009年秋のmixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また、2010年2月に大きく落ち込み、3月にはその反動以上に数字が伸びているのも分かる(一か月の日数の違い)。今回更新分の2011年1-3月においては、ユーザー数は増加、ページビュー数は微増傾向にあることが確認できる。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン+Touch経由とモバイル経由)推移

前月比で考えた場合、各月の曜日・日数そのものの違いがあるため、最大で1割近い変移は誤差の範ちゅうとして考えねばならない(今年の2月は28日、3月は31日のため、日数だけの差異なら9.7%に達する)。それらを前提にデータを見直すと、いずれもこの変移内に留まっている計算になる。むしろ2011年2月から3月における、パソコンとmixi Touchの合計値での伸び率が前月比でプラス25.1%と大幅に伸びているのが目立つ。2月25日にSoftBankからよりソーシャルフォンサービスの提供が開始され(【「ソーシャルフォン(R)」サービス、ソフトバンクモバイル先行で本日より提供開始】)、これが大いに効用を発揮したことが伺える。

mixiがモバイル(スマートフォン含む)SNSであることに変わりなし
次のグラフはPVにおけるPC(+Touch)・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。直近3か月においては、比率はモバイルページビュー数の減少とスマートフォンによるアクセスの増加で、わずかにモバイル率が減少。しかしパソコン(+スマートフォン)のページビュー数はページビュー全体の六分の一程度でしか無い事実は覆しようも無い。さらに赤系統色のグラフの内部も、実のところスマートフォンによるものであることを考えれば、mixiがモバイルSNSという状況に変化は無いことが分かる。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

データを改めて読み返すと、この1年はモバイル・PC率がほぼ横ばいで推移している。上記グラフで赤系統色が伸びているのは、ひとえにスマートフォンによるもの。試しにこの部分を「パソコン」「mixi Touch」で分割した上で、直近データをグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 2011年3月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年3月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率

パソコン用画面をスマートフォンで見る人は多分に想定できるが、mixi Touchをパソコンで使うのは意味がないことを考慮すると、モバイル率は9割近くに達していると見てよいだろう。

高年齢化の傾向継続中
決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

2011年3月末時点でも最多階層が20-24歳であることに違いはないが、モバイル会員の方が若手が多いことが容易に把握できる。特に20代前半におけるモバイルユーザーの密度の高さ(三分の一超)が分かる。

これを前回・前々回、つまり3か月前・6か月前のデータと比較すると、別の動きが見えてくる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)

↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)

今回のグラフ化でも前回同様、

・最多年齢階層の20代前半、及び10代後半層の割合縮小
・15-17歳層の増加
・30歳代以降の増加(ごく一部に例外あり)

の傾向が確認できる。利用継続者がそのまま歳を取ることによる所属年齢階層のスライド化が一因として挙げられるが、同時にソーシャルメディアが社会全体に認知・利用され、中堅層の新規利用者が増えつつあることの流れも少なからぬ影響を与えていると考えてよい。さらに、携帯電話・スマートフォンを初めて所有するようになった若年層が、mixiへの入会を「当たり前のもの」と考えている節もある。



同じソーシャルメディアという土俵にあるものの、性質も構成会員の思惑も多分に異なるmixiだが、「黒船来襲」に相当するFacebookに対する焦りは相当のもの。上記でも一部触れているが、外部他社コンテンツとの連動性を高めたり、スマートフォンへの注力をより大きなものとしたり、さらには2011年3月から展開した新規テレビCMでは「新規ユーザーの勧誘」よりも「既存ユーザーの利用活性化」に重点をおいているあたり、黒船への対抗手段として「国内での地盤固め・防御力強化」を推し進めているように見える。

↑ mixiの最新TVCMのご紹介 Vol.6(公式動画)。
↑ mixiの最新TVCMのご紹介 Vol.6(公式動画)。

今後さらなる飛躍を遂げるため、mixiはどこを向き、歩み始めるのか。古参利用者の一人でもある当方(不破)自身としても、非常に気になるところではある。

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