【更新】ギリシャとポルトガルのハイリスク化止まらず(国債デフォルト確率動向:2011年5月)

2011/05/16 12:00

2010年12月17日付で掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化して精査した記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年5月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年5月15日、つまり先日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回は前回からいくつかの変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年5月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、今なお紛争が継続中のリビアにおいて、(事実上)EUが介入をはじめたものの事態打開の決定打としては程遠く、状況はカオス化しているが、一時期のような熱気はすでに醒めている感は強い。

一方、図中に矢印で記したギリシャやポルトガル、アイルランドなど、ヨーロッパでのいわゆるPIGS(金融危機のさなかにあるポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)をはじめとしたヨーロッパ諸国の金融方面でのきな臭さは否めない。ギリシャやポルトガルは相変わらずだが、アイルランドが支援する立場にあるEU全体との支援条件面での対立を深めており、これが同国国債のリスクを跳ね上げる要因になったようだ。

なお、先般発生した東日本大地震、そしてそれに伴う各種震災により日本全土が大きな被害を受けたことは承知の通りだが、それを受けてか日本の国債に対する値も、ややイレギュラーな値を示していることが確認できた。おなじくCMD Visionの2011年1Qにおける[2011年第1四半期リスクレポート(PDF)]によると、CPD値は8.7%・格付けはaaで順位は29位。2010年第4四半期の値がCPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位だから、随分と悪化したことになる。これは震災による被害やその復興のための財務的負担が、大きなものになるであろうことを示唆する動きともいえる。

今月データでは先月と比べ、財務状況そのものやそれを取り巻く環境、施策の動向が悪化したギリシャやポルトガル、アイルランドの値が敏感に反応しているあたり、CPDが指針の一つとして有効であることを再認識させるものとなっている。今後の動きも注意深く見守りたいところだ。


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