震災で発表日も延期、状況も混乱気味(電通・博報堂売上:2011年3月分)

2011/05/13 12:00

【博報堂DYホールディグス(2433)】は2011年5月12日、同社グループ主要3社の2011年3月における売上高速報を発表した。これで[電通(4324)]が同日に発表した単体売上高と合わせ、日本国内二大広告代理店の2011年3月次における売上データが出そろった事になる。今記事では両社の種目別売上高前年同月比をグラフ化し、広告全体及び両社それぞれの広告売上動向を眺めてみることにする。

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データ取得元の詳細、各項目の算出の上での留意事項は【定期更新記事:電通・博報堂売上動向(月次)(電通・博報堂)】にまとめている。そちらで確認のこと。

二大広告代理店の2011年3月分種目別売上高前年同月比
↑ 二大広告代理店(電通・博報堂)の2011年3月分種目別売上高前年同月比

今月は【4月はいつもの「電通と博報堂の-」はナシです】で解説したように、東日本大地震の影響を受けて定例の月次報告が延期。先日12日の決算短信発表と共に、両社の2011年3月分が出そろう事になった。「電通より博報堂の伸び率が良い(あるいは下げ率が低い)」項目が多数存在する状況には変わりないが、両社合わせても前年同月比でプラスなのは全部で5項目、具体的には「テレビ(博報堂)」「インターネットメディア(電通、博報堂)」「クリエーティブ(電通、博報堂)」のみという次第。東日本大地震の影響の大きさが再確認できる。また、博報堂が電通と比べてややマシに見えるのは、先月分で解説したように「前年の同月が再編関連で大きく下げていた」のも少なからぬ要因。一方で「インターネットメディア」では再編効果が出始めた感もある。

このグラフだけを見るとインターネット分野だけで広告業界を大きく担えるように、博報堂が広告業界の大勢を占めるように見えるが、もちろんこれは個々の会社の前年同月比に過ぎない。インターネット分野の額面は他の分野と比べればまだ小さめ、そして個々分野を会社毎に比較した額面上では電通の方が上。例えばインターネット分野なら、電通は56.63億円、博報堂は27.36億円(3社合計)という数字である。

電通・博報堂HDの2011年3月における部門別売上高(億円、一部部門)
↑ 電通・博報堂HDの2011年3月における部門別売上高(億円、一部部門)

3月は中盤以降で東日本大地震の影響を受けたこともあり、4大既存メディア(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の動きはこれまで以上に思わしくない。博報堂でのテレビのプラスは前述の通り前年同月の反発の感が強く、実質的なプラスは「ほぼ無し」のレベル。特に電通の新聞におけるマイナスが目立つ。

ポジティブな面では、インターネット周りが大きく伸びている。念のため昨年同月を調べると「電通プラス54.9%・博報堂マイナス11.6%」。博報堂は前年同月が落ち着いていた分余計に跳ねた・電通は前年同月が伸びすぎた結果勢いが縮んだ部分もあるが、それを差し引いても(今回のような状況下でも)急速な伸びを続けている・一大成長株なのが改めて確認できる。

元々額面がテレビなどと比べれば小さいこともあり(直上グラフ参照)、ここしばらくは「伸び率」という視点だけで見れば、インターネット周辺の成長が目立つ状況が続く。その「伸びた部分」の一部には、既存メディアからの切り替わり・移行組も含まれ得る。さらに今般の東日本大地震を受け、企業が広告費の縮小、効率重視を図ることで、コストパフォーマンスが良いとされ、効果測定がしやすいネットメディアに、今まで以上の注目が集まることは間違いない。

なお一か月丸ごと東日本大地震発生後の初の月となる2011年4月分だが、電通分はすでに【電通 平成23年4月度単体売上高(PDF)】にもあるように3月分と同日の5月12日に公開、博報堂は5月16日15時に公開予定となっている。博報堂のデータが出次第、4月分についても精査を行う予定。

なお電通のを見る限り、動きに今回3月分のものと大きな違いは無い。ただし、色々と推し量れる動きは見られそうだ。

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