朝食のピークは平日の方が早い、平日の昼食時は時間帯制限のため集中している…平日と休日の食事時間帯(最新)

2021/06/12 04:27

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2021-0602多くの人にとって食事は毎日3食欠かせないものであるが、就業・就学スタイルをはじめとした生活様式、家族構成や習慣により、その摂取時間は大いに違いを見せる。今回はNHK放送文化研究所が2020年5月21日に発表した2020年国民生活時間調査の報告書を基に、食事の摂取時間帯動向を確認していくことにする(【発表リリース:「2020年 国民生活時間調査」結果概要】)。

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食事は1日3回、朝昼夜


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを見る人、しかし高齢者は相変わらずほとんどの人が見ている(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。

食事時間帯の動向は、食事をし「ながら」テレビを見る傾向が強いことから、【テレビを観るのは朝昼夕食時、夜はやっぱり多めです】【テレビ観る時「ながら」と「専念」どちらが多い?】などである程度推測できる。つまりテレビ視聴のうち「ながら」の行為者率が高い部分で食事をしている、とするもの(もちろんテレビを見ずに食事をする人もいるし、スマートフォンを操作したり新聞を読むなど食事以外の「ながら」をしながらテレビを見る人もいる)。ただし平日の昼間は職場や学校で食事をする人も多いため、テレビの「ながら視聴」の比率は低めとなる。

↑ テレビの視聴平均行為者率(全体、平日、スタイル別)(2020年)(再録)
↑ テレビの視聴平均行為者率(全体、平日、スタイル別)(2020年)(再録)

↑ テレビの視聴平均行為者率(全体、日曜、スタイル別)(2020年)(再録)
↑ テレビの視聴平均行為者率(全体、日曜、スタイル別)(2020年)(再録)

それでは肝心の食事における平均行為者の推移はどのようなものだろうか。平日と日曜に関して、その動きを確認したのが次のグラフ。縦軸の区切りは双方で合わせてある。

↑ 食事の平均行為者率(平日)(2020年)
↑ 食事の平均行為者率(平日)(2020年)

↑ 食事の平均行為者率(日曜)(2020年)
↑ 食事の平均行為者率(日曜)(2020年)

1日3回大きな山が出来ており、多くの人が食事を1日3回取るライフスタイルが確立されているのが分かる。そしてよくその中身を見ると、

・平日より日曜の方が朝食時の行為者率が高くなる幅が広く、起床時間がまちまちなことが推測できる。

・平日の昼食時は時間帯が限られているためか、ピーク時の行為者率が高い。

・日曜の夕食は平日夕食よりもピーク時の平均行為者率が高く、世代を問わず(≒家族で)時間を合わせて食事をしていると推測できる。

・朝食のピークは平日の方が早い。

などの動きを読みとれる。特に最後の「朝食のピークは平日の方が早い」は、次のように平日・日曜を重ねて折れ線グラフにすることで明確化が可能。

↑ 食事の平均行為者率(曜日別)(2020年)
↑ 食事の平均行為者率(曜日別)(2020年)

平日と日曜では起床時間がずれるので、朝食のピークやボリュームゾーンもずれる。さらに日曜では幅広い状態となる。そして夕食は食事時間のピークやボリュームゾーンこそ変わらないものの、皆で食事を取るために該当時間帯の平均行為率が上がることが確認できる次第である。

少しずつ早まる朝食時間


いくぶん余談ではあるが。2015年分の報告書では朝食時間に関して、平日の具体的値とともに「早起きの傾向と共に朝食が早まる」との示唆がなされていた。これについて実際に2005年以降の平日と休日それぞれの動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 食事の平均行為者率(平日、朝食時間帯、調査年別)
↑ 食事の平均行為者率(平日、朝食時間帯、調査年別)

↑ 食事の平均行為者率(日曜、朝食時間帯、調査年別)
↑ 食事の平均行為者率(日曜、朝食時間帯、調査年別)

平日の動向では8時から8時半を境として、それ以降の時間帯では減少、それ以前では増加の動きを示していた。日曜でも7時から7時半を境としてそれより早い時間帯では減少、それ以降では増加の動き。寝ている最中に食事は不可能なことを合わせ考えると、人々の生活リズムは全般的に早起き・早朝食へとシフトしていたようだ。

他方、直近の2020年における動向を見ると、平日は6時ぐらいまでは増加、8時以降も増加の動きを示している。新型コロナウイルス流行で在宅勤務者が増え、平日ではあるが自宅で業務を行うことによって通勤の必要が無くなった人が多々生じたため、結果として朝食を取る時間も遅くなったのかもしれない。早い時間帯でも増えているのは、これまでの傾向通り「朝食時間が早くなっている」が継続されているまでの話だろう。

一方2020年の休日では法則性の類は見出しにくいが、どちらかといえば遅めの時間の平均行為者率が増えており、これまで以上に日曜の朝食時間が遅くにずれ込んでいる感はある。平日の朝食時間が遅くなった人が、休日はさらに遅くなる生活習慣を取るようになったのだろうか。


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【大人の朝食欠食、男性14.3%・女性10.5%】
【「毎朝しっかりと朝食を食べている」中学生は8割強…若年層の朝食欠食状況(2015年)(最新)】

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