大きな下落は本震直後の3月14日のマイナス28.9%…東北・東京電力需要推移

2011/05/11 05:21

先に【各電力会社間の電力の融通具合を図にしてみる】で電力系統利用協議会の資料を元に各電力会社別の応援融通(応援送受電)の上限を図にしたが、その際に協議会サイト内で興味深いデータを発見した。具体的には【系統情報サービス】なのだが、そこの「需要実績」では過去2か月の電力会社別の「日単位」での最大需要電力と一日の電力量が、そして「その他の情報」では過去数年間に渡る「日単位」での需要実績が月ごとにファイル化されて収録されていた。今回はこれを元に、定期更新(最新では【東京電力管轄内の最大電力需要の推移をグラフ化してみる(2011年2月分反映版)】)の月次ベースではまだ収録されていない、東日本大地震の本震である2011年3月11日をはさんだ電力需要の推移について、東北・東京電力の両電力会社管轄を対象にグラフ化してみることにした。

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まずは純粋に3月1日以降、収録最新データの5月8日までの推移を東北・東京で並列表記したもの。

↑ 東北・東京電力の最大電力推移(日ベース、万kW)
↑ 東北・東京電力の最大電力推移(日ベース、万kW)

細かいギザギサを刻んでいるのは、曜日特性によるもの(土日は多くの企業が休むために電力需要が減る)。本震の3月11日の翌日12日に大きく値を落とし、その後はそれ以前と比べて低水準で推移しているのが分かる。本震当日の11日が高い値だったのは、本震より前の時間でその日のピークを迎えていたから。

続いてもう少し分かりやすい形で、それぞれの電力会社別にグラフを再構築する。昨年の同月同日と併記する形で生成したのが次のグラフ。曜日調整はしていないが、大体の状況は把握できる。

↑ 東北電力の最大電力推移(日ベース、万kW)
↑ 東北電力の最大電力推移(日ベース、万kW)

↑ 東京電力の最大電力推移(日ベース、万kW)
↑ 東京電力の最大電力推移(日ベース、万kW)

去年は夏こそ豪暑だったものの、それまでは平年なみかやや低め(日照時間が少なかった)の気温を維持していたため、今回の収録期間中では気温による調整は考慮しなくて良い。両グラフの縦軸の区切りの違い、最下層がゼロでないことに注意する必要があるが、東北電力管轄内での電力需要の落ち込み具合の大きさが、あらためて実感できる。

最後にせっかくだからとばかりに、少々手を加えてみることにした。電力需要は曜日による属性変化が大きいことは先に触れた通りだが、2010年と2011年では同じ月日だと曜日が一日ずれる計算になる。そこでそれを調整した上で、前年比を算出したのが次のグラフ。今件はとりあえず東電のみの図を創ってみた。

↑ 東京電力の最大電力推移・2011年における前年同日比(日ベース、曜日修正済み)
↑ 東京電力の最大電力推移・2011年における前年同日比(日ベース、曜日修正済み)

大きな下落は本震直後の3月14日におけるマイナス28.9%、そして4月15日のマイナス30.1%。あとはマイナス20%を軸にプラスマイナス10ポイントの幅で動いている。ただしゴールデンウィークに入ると祝祭日の(前年同日比に関する)調整が行えないので、ややバラバラな値を見せる。

ゴールデンウィーク明け以降に再びマイナス10%を軸にした動きで留まるのか、それとも節電対策が進んで需要が落ちるのか、あるいはマイナス幅が縮まるのか、非常に気になるところではある。しかしながら御承知の通り去年は豪暑で、6月以降の値は(エアコンの利用を勘案すると)あまり参考にならず、今グラフを継続算出しても有意性は薄い。

ちなみに直近5年間における東京電力管轄における最大電力需要は2008年8月の6089万kW。ここから1割引ければ5400万kWとなり、ギリギリな感はある。しかしながら不特定要素によるぶれを考慮し予備供給力を持たねばならないというインフラの鉄則を考えれば、さらに先日【中部電力、浜岡原発の運転停止へ・公式発表】でお伝えしたように中部電力からの応援融通が不可能になった以上、東京電力管轄内では帳尻を合わせるための労苦がさらに求められよう。

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