松屋はメニューの多角化などで単価をプラス6.3%に押し上げ…牛丼御三家売上:2011年4月分

2011/05/09 12:00

[吉野家ホールディングス(9861)]は2011年5月6日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2011年4月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でマイナス10.2%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年4月における売上前年同月比はマイナス2.6%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はプラス6.0%の動きを見せている(いずれも既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家は2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した。当然客単価は落ちたが、それ以上の客数の増加で売り上げは前年同月比を上回るものが昨年9月では記録された。しかしその勢いも1か月で鎮静化。その後新商品を幾つか展開したが、売上は一進一退を続けている。昨今では新たな展開も特に無く(4月実施の震災絡みのキャンペーンも西日本限定)、今回発表された4月分では震災の影響と、昨年4月のキャンペーン【「春の牛丼祭」(吉野家が1週間期間限定で主力商品110円引き・牛丼並盛は270円で御三家最安値へ)】の反動もあり、客単価ではほぼ横ばいなものの、客数が大きく落ち込み、結果として売上高も大きくダウンすることとなった。

↑ 牛丼御三家2011年4月営業成績
↑ 牛丼御三家2011年4月営業成績

松屋の定食今月は震災による影響が一か月丸ごと生じる初の月だったことに加え、昨年の同月で三社とも大幅な値下げキャンペーンを行っていたことが「前年同月比」としての値の低迷につながった。しかしすき家は元々【2010年4月の該当リリース】にもあるように、値下げキャンペーンを実施したのが1割弱の店舗であったことから反動も最小限で済み、むしろ客数を増して売り上げをプラスに押し上げている。一方松屋は客数こそ前年比の反動で落ちたものの、メニューの多角化などで単価を押し上げており、売上の下落を最小限に留めている。

吉野家は、といえば客単価はマイナス0.9%となり、先月のマイナス8.8%からさらに改善。先月コメントの「少しずつではあるが客単価の前年同月比は戻しを見せており、状況の改善が進んでいる」が一歩前進した形。しかし客数はさえない。昨年4月の客数は大規模値下げキャンペーンをしたにも関わらず、(2009年4月と比較して)マイナス3.2%とプラスに戻すまでには至っていなかった。今月はそこからさらにマイナス9.4%という値が出てしまうあたり、吉野家の業績改善には客足を戻し、さらに増やすための抜本的改革が求めらると考えてよい。

4月分を各社一言ずつでまとめると「吉野家…客足遠のく」「松屋…客足軟調を客単価かさ上げでカバー」「すき家…客数堅調で売上アップ」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年4月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年4月)

前年4月のキャンペーンの重点度による違いもあるが、売上ですき家がプラス、松屋が微弱のマイナスで済んだのに対し、吉野家が大きなマイナスを出してしまったあたり、三社の現状がストレートに現れた感は否めない。5月以降もこの動きが継続するのか、あるいは何らかのキャンペーン・新商品、さらには戦略転換などの展開で新たな方向性が見えてくるのか、気になるところではある。

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