学生の平均通学時間は1日往復1時間強・高校生は長めの傾向(2016年)(最新)

2016/03/03 11:50

大人が就職先に毎日通勤するのと同様に、子供は学校に毎日登校し就学を果たすことになる。小中学時代は義務教育のために大よそ居住地域近辺の公的学校への通学となるが、高校では義務教育課程からは外れるため、自宅から距離のある学校へ通う人も出てくる。中には一人暮らしをはじめて通学する人もいるだろう。今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、学生の通学時間に関する項目にスポットライトを当て、その実情と過去からの推移を確認していくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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少しずつだが伸びていく通学時間


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。また、今件における時間表記は「時間:分」となる。例えば3時間45分なら「3:45」。

学生時分は「学校が自宅の隣にあれば遅刻もしなくて済む。より長く寝ていられる」との妄想を抱いた人も少なくあるまい。しかし現実にはそのような夢の環境で生活している人はごく少数で、大抵は少なからぬ通学時間をかけて学校へ通学することになる。今調査では直近年における学生全体(大学生まで含む)の平均通学時間は往復1時間19分。片道40分近くをかけての通学との計算になる。なお大学生の個別時間は公開されていない。

↑ 通学時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)
↑ 通学時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)

報告書では「1995年から大きな変化はない」と解説している。確かに2000年の平均1時間7分がやや短めになっているため、傾向だった動きは無いようにも見えるが、その値がイレギュラーだとして全体を見直すと、大よそどの学校種類でも通学時間は伸びていると見た方が自然ではある。中学生は例外といったところ。

直近分について回答者の属性別に見ると、いくつかの特徴が確認できる。

↑ 通学時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(都市規模別含む、2015年)(時間:分)
↑ 通学時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(都市規模別含む、2015年)(時間:分)

小中学生と比べて高校生の通学時間が長いのは、冒頭で触れている通り、公立小中学校の場合は学区単位での通学となり、自宅近辺での就学が原則となるからに他ならない。高校ではそのような取り決めが無いため、遠場の学校への就学率も高くなり、当然通学時間も伸びる。

また都市規模別では大阪圏より東京圏の方が通学時間が長い。東京圏の方が(主に高校における)就学先学校に強いこだわりを持っているのだろうか。他方、一般都市区分では通学時間に大きな差異は無い。この動きは勤め人における通勤時間と同一のパターンとなっている。

登校タイミングは変化をしているのか


経年ではわずかずつではあるが、通学時間が伸びていることが確認できた。それでは通学のタイミングには変化が生じているのだろうか。通学行為者における、通学行為率の動向を、平日の15分区切りで確認したのが次のグラフ。朝の登校時と、夕方の下校時に分けている。なお通学行動は「自宅と学校の往復」と定義されているため、部活動などで授業の終業後も学校に残っている場合もあることから、遅めの時間も行為者率が生じている。あるいは学校から自宅に戻らずそのまま塾に足を運び、その後に帰宅する人も想定されよう。

↑ 通学行為者率(平日、学生、調査年別、朝)
↑ 通学行為者率(平日、学生、調査年別、朝)

↑ 通学行為者率(平日、学生、調査年別、夕方)
↑ 通学行為者率(平日、学生、調査年別、夕方)

まず登校時だが、通勤同様ピークは7時45分から8時。ピーク時の登校率は直近に至るに連れて少しずつ上昇し、それ以前の時間帯も大よそ増加を示している。一方、ピーク時以降は逆に、昔の方が高い値を計上しており、登校時間が少しずつ早まっているようすが分かる。

他方下校ではピーク時間は大よそ16時台で変化はないものの、それ以降はいくぶん直近につれてやや回答率が落ちているようにも見える。ただし登校時のように、法則を特定付けるまでの動きとは言い切れない。公開値は18時45分から19時までの時間帯のため、学校からの下校と帰宅の間に塾を挟む場合、どれほど遅い帰宅となるのかの確認もしたいところだが、残念ながらそれはかなわない。あるいは19時以降の回答率が増えており、塾通いで帰宅が遅くなる子供か増えている可能性も否定はできない。



あまりに長い通学時間は生活、学業上の負担となってしまうが、学生生活においては通学時間もまた、貴重で楽しい時間ともいえる。電車やバスの通学における、朝のラッシュ時はさすがに体力・精神共に消耗してしまうが。無理をせずに自分自身のライフスタイルに合わせ、有意義な時間として活用してほしいものだ。


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