通勤時間の平均は往復1時間19分、大都市圏勤めほど長い傾向(2016年)(最新)

2016/03/03 10:32

多くの人は成人に達すると自らの糧を得るために勤め人となり、自宅から離れた職場へ通う日々を過ごす。これを通勤と呼ぶが、自営業者でも無い限り、通勤にはそれなりの時間が必要となる。今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、勤め人の通勤時間に関する項目にスポットライトを当て、その実情と過去からの推移を確認していくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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昔も今もあまり変わらない通勤時間、都市部ほど長い傾向


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。

また、今件における時間表記は「時間:分」とする。例えば3時間45分なら「3:45」となる。さらに「勤め人」とは自由業や自営業以外の被雇用者、雇われている人、具体的には販売職・サービス職、技能職・作業職、事務職・技術職、経営者・管理職などに従事している人を指す(平日の全回答者の77%が該当)。無職や学生、主婦は含まない。農林漁業者や自営業なども含めた有職者よりは狭い範囲なので注意が必要。

通勤時間の長さは【1日の平均通勤時間はどれくらい? 理想は34分、現実は……】などにもあるように、短い方がありがたい。今調査結果では、直近で平均1時間19分との結果が出た。これは片道ではなく往復の時間。概算では片道で40分ほどとなる。

↑ 通勤時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(時間:分)
↑ 通勤時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(時間:分)

片道大体40分は少々短いと感じる人もいるかもしれない。今件はサラリーマンだけでなく、多様な職種の勤め人を対象としているため、自宅から近場で働いている人も多分に含まれているのが、短さを覚える結果となった一因。なお今件は「勤める時間が1日15分以上の行為者」を対象としているのであり、「通勤時間が15分以上の行為者」では無い。

経年別に見ると通勤時間にほとんど変化は無い。昔も今も、往復一時間以上を通勤にかけているライフスタイルは変わらない。そして男性よりも女性の方が通勤時間が短い傾向もまた同様。20分ほど短いが、これは女性が男性よりも近場での就職を望んでいることや、長時間の通勤を嫌うこと、そして女性の場合はパートなど自宅近所の小売店での仕事も多分にあることによるものと思われる。実際、平日1日あたりの平均仕事時間も女性より男性の方が長い。有職者では男性20代で8時間17分なのに対し、女性は7時間21分、40代の場合はそれぞれ9時間22分・6時間33分である。

これを各種条件別で見ると、男女別は上記の通りだが、回答者居住地域の規模別の場合は大都市圏の方が長い傾向が確認できる。

↑ 通勤時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(都市規模別含む、2015年)(時間:分)
↑ 通勤時間(平日、往復の合計、行為者平均時間)(都市規模別含む、2015年)(時間:分)

「5万人未満」-「30万人以上」における一般都市区分ではほとんど差異が無い。しかし東京圏・大阪圏に限定すると20分ほどそれらの中小都市からのかさ上げが確認できる。特に東京圏では勤め人の全体平均と比較して20分以上の長さを示している。やはり東京・大阪圏では近郊からの通勤であることや、都市部内での移動時間(移動距離では無く)が長いようだ。

通勤時間は変わらない、それでは通勤の時刻は?


通勤のための時間の長さは昔も今もほとんど変わりが無い。それでは通勤の時刻、つまりタイミングも同じだろうか。勤め人を対象に、15分区切りで出勤者・退勤者が多数と考えられる時間帯における、通勤行為者率の動向を調査年別に示したのが次のグラフ。出勤時間はダブりやすいが、退勤時間は業態や自宅と勤め先の距離など多様な条件で変わりやすく分散しがちなため、両グラフの縦軸の仕切りも異なるものとなっている。

↑ 通勤行為者率(平日、勤め人、調査年別、朝)
↑ 通勤行為者率(平日、勤め人、調査年別、朝)

↑ 通勤行為者率(平日、勤め人、調査年別、夕方)
↑ 通勤行為者率(平日、勤め人、調査年別、夕方)

まず出勤だが、ピーク時間が7時45分から8時に変わりはないものの、少しずつピークの回答者が減り、早朝が増え、ピーク以降の時間が減っている。出勤時間の分散化と共に、早朝出勤をする人が増えている様子が確認できる。

他方退勤ではピーク時間が直近に近づくに連れて後ろにずれ込む傾向があり、退勤時間が遅くなっている感はある。ただしピーク時以降の行為者率は大よそ減退する動きがあり、「退勤ピークはやや遅くなったが、残業が減っている」傾向をつかみ取ることができる。



毎日1時間強の通勤時間は、例えば月20日出勤すると仮定した場合、20×12(か月)×40(年)=9600倍もの時間が通勤のみで費やされることになる。平均値の1時間19分をそのままかけると、75万8400分、約527日に相当する。そのまま何もせずに呆けていたり、運よく座ることができれば仮眠を取るのも一興であるし、心身の安寧を得るのには有効な時間の使い方でもある。一方で【7つのクリエイティブな通勤時間の過ごし方】にもあるような、有益な利用方法を模索し、実践することも一つの手といえよう。


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