【更新】身体の負担を軽減する筋力補助装置「スマートスーツ・ライト」が震災復旧作業で効力発揮

2011/05/06 07:27

スマートスーツ・ライト農業用に開発され多目的な分野で応用が図られている、軽労化技術を体現化する「スマートスーツ」などを開発している【スマートサポート】は2011年4月27日、同社が試作開発中の筋力補助装置「スマートスーツ・ライト」を東日本大地震で被災した宮城県の日環エンジニアリングに提供し、成果を挙げていると報告した。スマートスーツは倍力化や省力化では無く、身体の負担を軽減する目的で作られたもので、今回提供されたスマートスーツ・ライトは機械的な駆動部分を取り外し、コルセットに近い形で身体の負担を軽減するというものである。また掘り起こし作業での労力が軽減できるUDスコップ(ユニバーサルデザイン・スコップ)のアルミ製・鉄製の試作品も同時に提供され、効果を発揮している(【発表ページ】、トリガー記事:[北海道新聞])。

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↑ 「スマートスーツを新ブランドに」。1分40秒過ぎから「スマートスーツ・ライト」に関する言及がある。
↑ 「スマートスーツを新ブランドに」。1分40秒過ぎから「スマートスーツ・ライト」に関する言及がある。

スマートサポートでは、人間の行動を補助する装着型機構としてはありがちな「増力」、あるいは重負担の作業の「省力」ではなく、従来作業のさらなる「軽労化」を主目的とする、筋力補助装置。要は「プラスαの力を得るために」ではなく「今を今よりもっと楽に」を目指すもの。作業において身体の負担が軽減されるため、作業そのものが楽になり、生産性の向上が望める。

同社の「軽労化」を体現化するものとしては「スマートスーツ」がある。これはロボット工学を基にゴムと小型モーターなどを併用して使用者の動きを補助する、筋力補助装置。一方「スマートスーツ・ライト」は「スマートスーツ」から各種機械的な動力機構(センサーとモーター)を除き、基本的にゴムの力だけで「軽労化」を図っている。

↑ スマートスーツとスマートスーツ・ライト
↑ スマートスーツとスマートスーツ・ライト

今回はスマートサポート社が農業分野で付き合いのある日環エンジニアリングへ提供を行ったもの。レポートでは石巻市での津波の被災現場で日環エンジニアリングが行っている、ボランティア作業における使用状況がレポートされている。提供されたスマートスーツ・ライトは開発試作段階のもののため、調整がまちまちだが、調整を果たした後での利用は、中腰での作業が多くなる復旧作業に大いに役立ったとの話が寄せられている。具体的には、

実際に着用いただいたボランティア・スタッフに伺うと、スマートスーツ・ライトの着用感も上々でその効果も実感できたそうです。着用やフィッテングに少しの慣れが必要だと言ってましたが、自分の身体に合わすことがわかると、腰にかかる負担がかなり減少し、疲れも少ないと評価していただきました。また、翌日の筋肉痛も軽減され、このスーツはぜひ製品化してもらいたいと絶賛いただきました。

とのことで、フィッテングを要するものの、それが果たせれば大きな「軽労化」が果たせたことが使用者から寄せられている。

また同時にUDスコップ(柄の部分がS字型に曲がっていて、作業の力点を自分の身体近くに寄せられ、持ち手が高い位置にくるので腰の屈め方が少なくて済むことなどから、すくいあげの労力を軽減化できる)のアルミ製・鉄製の試作版も提供され、効力をあげていると報告されている。


↑ スマートスーツ・ライトとUDスコップで復旧作業にあたる日環エンジニアリングのスタッフ。一枚目の写真中央にある、S字型のスコップがUDスコップ
↑ スマートスーツ・ライトとUDスコップで復旧作業にあたる日環エンジニアリングのスタッフ。一枚目の写真中央にある、S字型のスコップがUDスコップ

現在はまだ試作開発の段階のため、大量使用は果たせない状況だが、考え方としては非常に興味深い。特に今回提供された「スマートスーツ・ライト」と「UDスコップ」はモーターなどの機械機構を用いていないため、生産性も高く、使用の上でのハードルも低い。さらに「パワフル化」ではなく「労力の節約」という観点では実に日本らしい発想で、好感が持てる。今般震災のような状況下をはじめ、多種多様な場面での活躍が容易に想像できることもあり、早期の量産技術の確立と展開を望みたいところだ。

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