新潟県全域で大規模節電の実証実験実施第二回・前年比約5%の削減に留まる

2011/05/05 07:09

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「ピークカット15%大作戦」新潟県は2011年4月28日、先に【新潟県全域で大規模節電の実証実験実施・ピーク時で前年比17%、前日比9%の削減に成功】で伝えた、同年4月13日に続き、4月27日に実施した、電力消費のピーク時間帯に電力消費を抑える実証実験「ピークカット15%大作戦」の第二弾の結果を発表した。前回の17時-19時から、今回は18時-20時の間で実施されたもの。削減率は前年同日比約5%・前日比約9%に留まり、リリースでは「第1回トライアルに比較して削減率が小さかった」ものの、「一定の効果があった」と評している(【発表リリース】)。


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今件は先の東日本大地震で発電所が被害を受け、電力供給力が減少した東北電力管轄内にある新潟県が、電力消費のピークを迎える夏に備え提唱している「ピークカット15%大作戦」の一環。実証実験として大規模な節電啓蒙・実施運動が前回に続き「第二回トライアル」の名前のもとに、同年4月27日18時から20時までの2時間に渡り、県内全域を対象として行われた。

実証実験の結果としては、実験を行った時間帯2時間における削減率は前年同日比(同一曜日での換算のため一日のずれがある)でリリース上では5.4%。節電が叫ばれている昨今と比べる意味で、前日との比較では8.6%の削減が確認された。第一回のトライアル結果「前年同日比17%(16.8%)減」と比べればおとなしめの結果といえる。

↑ 実証実験「ピークカット15%大作戦」「第二回トライアル」の結果
↑ 実証実験「ピークカット15%大作戦」「第二回トライアル」の結果

※報道資料では平均で5.4%とあるが、これは午後6時-7時までの5.9%減と午後7時-8時までの4.8%減を単純に足して2で割ったところから算出されている。一方トライアル時間帯全体の平均電力で換算すると5.6%減であることを書き記しておく

前回のトライアルと比べて実証実験時間帯における節電効果が低かった理由についてリリースでは、

・「前日比」では前回8.2%減、今回8.6%減で、今回の方が効果が高かった
・実験当日の16時と、終了時(前回19時、今回20時)で削減率を比較すると、前回5.2%減、今回7.4%減。終了時間が1時間異なるが、電力「量」削減効果は今回の方が高かった。
・今回の実験では計測時間帯より前の16時-18時において、5.6%減もの節電が計測された(前回は0.4%増)。企業などで早期退社が行われたためと思われる。

などと分析している。つまり2時間という特定の短時間で節電を行いその効果を検証する場合、その対象時間によって節電がしやすい時間帯としにくい時間帯があることが確認されたことになる。特に今回は「退社後」の18時-20時が該当時間だったため、大きな節電効果が望める企業での節電が、該当時間「前」に実施されてしまい計測対象にならなかったことが、大きく関係していそうである。

今回の結果を受け新潟県では「目標を下回った」とした上で、夏の電力需要のピークに向けて、計画停電を回避するための対策を検討していく、としている。可能であればもう一度、今度は第一回と第二回の時間帯双方を網羅する「17時-20時」の3時間、さらには「16時-20時」の4時間にかけて同様の実証実験を行い、企業の動向がどこまで節電効果に寄与するのかなどの検証も行ってほしいものだ。


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