テレビの視聴時間は若年層で減少中、高齢者はほとんど変わらず(2016年)(最新)

2016/03/01 12:55

時代の変遷と共にメディアの技術進歩や多様化、さらには社会生活様式の移り変わりが生じ、それに連れてテレビ(番組)の視聴動向も大きな変化を示している。今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、20年に渡るテレビ視聴の時間の変化を、年齢階層別に見ていくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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じわりと減る若年・中堅、高値を維持する高齢層、そして直近では…


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】を参照のこと。また今件ではテレビ(番組)を観ている人をテレビ行為者と呼んでいる、これは具体的には1日15分以上テレビ(据え置き型テレビだけでなく、ワンセグによる視聴も含む。録画視聴や購入・レンタルソフトの視聴は除く)を観ている人を意味する。実質的に回答者が「テレビを観ている」と自認できる視聴をしている人のことを意味する。また、各グラフ上では時間を「時間:分」で表記する。例えば3時間54分は「3:54」となる。

テレビを観る人の割合(テレビ行為者率)は最新の調査でも8割強に達している。もっとも、今回データが公開された1995年からは少しずつだが減少する動きを見せている。

↑ テレビ行為者率(全体)(再録)
↑ テレビ行為者率(全体)(再録)

それでは視聴時間はどのように変化しているのだろうか。男女別で平日の視聴時間の変移をグラフ化したのが次の図。各年齢階層全体における平均値であり、行為者に限定したものではないことに注意。当然、非行為者の視聴時間はゼロとして平均値の算出の際に計上されるため、行為率が下がれば平均値も減少する傾向を示す。

↑ テレビの視聴時間変移(全体、調査年別、男性、平日)(時間:分)
↑ テレビの視聴時間変移(全体、調査年別、男性、平日)(時間:分)

↑ テレビの視聴時間変移(全体、調査年別、女性、平日)(時間:分)
↑ テレビの視聴時間変移(全体、調査年別、女性、平日)(時間:分)

男性は40代までは一律に減退、50代と60代は2010年までは横ばいでむしろ増加する動きさえ見せたが、直近の2015年では大きく値を減らしている。70歳以上も前回調査比では値が減ってはいるが、過去の動きから見るに、誤差の範囲内とも解釈できる。女性は男性より若い年齢階層の30代までが漸減で、40代以降は横ばいの動きだったが、こちらも2015年では40代から60代にかけて一様に下げる動きに転じている。70歳以上に関しては事実上横ばいなのも男性と同じ。これら中堅層までの漸減傾向に加え、壮年層の減退ぶりが、2015年における全体としての平日の視聴時間の減少を導いたものと考えられる。

↑ テレビの全員平均視聴時間(全員、調査年別)(時間:分)
↑ テレビの全員平均視聴時間(全員、調査年別)(時間:分)

もっとも、その減退量は大したものではなく、土曜日では逆に増加すら示している。これはこれはひとえに長時間視聴する・減退分が少ない高年齢層の数、全員に対する比率が増加しているからに他ならない。テレビ番組を運営する側にとって、高齢者はますます大切なお客様になっている次第である。

元資料には詳細な数字こそ1995年以降のものしかないが、グラフとしては1970年以降のも用意されている(調査方法が異なるため連続性に欠けるため、値は公開していないようだ)。それを見ても「全体としての」テレビの平均視聴時間にほとんど変わりがなく、2015年において平日と日曜に下げたのがレアなケースであるのが分かる。普通のメディアやサービスなら「高齢者が抜けてその分若年層の割合が増え総量が維持される」新陳代謝が起きるのだが、テレビの視聴に関しては「若年層が減り高齢者が増え総量が維持される」逆新陳代謝が起きていることになる。

男女で異なる土日のテレビ視聴時間の差異


テレビ視聴時間の経年変化を確認する今記事としてはやや蛇足になるが、興味深い動きが見受けられたので、合わせてチェックを入れておく。次に示すのは直近年における男女・年齢階層別の平日と日曜の、テレビ視聴時間の実態。10代は就学のため男女とも平日は短く、日曜は長い、そして男性は大よそ就業世代では平日は日曜と比べて短く、女性はあまり差が出ないのだが……。

↑ テレビの視聴時間(男性、2015年)(時間:分)
↑ テレビの視聴時間(男性、2015年)(時間:分)

↑ テレビの視聴時間(女性、2015年)(時間:分)
↑ テレビの視聴時間(女性、2015年)(時間:分)

茶の間女性は大よそ20代以降は平日と日曜で変わりはないが、男性は定年退職をしているはずの60代以降でも差が生じている。無論、それより若い年齢階層と比べて視聴時間そのものは伸びているので、テレビに割ける時間は増えているのだが、女性と同じように平日・日曜で似たような値にはならない。

これは、公開値の限りでは細かい値の確認はできないものの、60代以降もなお何らかの形で就業している人が相当数いる結果によるもの(資料のグラフからは直近2015年において、全有職者の11%が男性60代、5%が男性70歳以上であることが読み取れる)。若年時代と比べれば時間に余裕ができたものの、それでも日曜と比べると平日は就業に時間を拘束される人が少なからずおり、その分テレビを観る機会・時間が減っている次第ではある。


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