テレビの視聴時間は平日3時間強・休日4時間近く、お年寄りほど長い傾向(2016年)(最新)

2016/03/01 11:04

テレビ(番組)の視聴はメディアの多様化と共に減退していく一方で、その気軽さを背景に高齢者からは相変わらず高い支持を集めている。その実情は年齢階層別に仕切り分けした上での平均視聴時間にも表れている。今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、その実態を確認していくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】を参照のこと。また今件ではテレビ(番組)を観ている人をテレビ行為者と呼んでいるが、これは1日15分以上テレビ(据え置き型テレビの他にワンセグによる視聴も含む。録画視聴や購入・レンタルソフトの視聴は除く)を観ている人を意味する。要は実質的に回答者が「テレビを観ている」と自認できるほどの視聴をしている人のことを指す。

今調査ではテレビ行為者率は2015年においても8割強との結果が出ている。

↑ テレビ行為者率(全体)
↑ テレビ行為者率(全体)

「それではテレビの一日あたりの視聴時間はどれくらいなのか」との疑問へのアプローチが、今記事での主題。公開値は「全回答者における平均」であり、視聴していない人(上記にもあるように1割強)も含めた平均値。視聴している人に限れば、1割ほど時間がかさ上げされることを念頭に各値を見てほしい。今件ではあくまでも「全体としての平均視聴時間」を考察対象としているので、そのあたりはあまり気にしなくてもよい。もっとも気になる人もいるであろうことから、テレビ行為者に限定した視聴時間の試算も、別の機会で行うこととする(予定)。

まずは全体的な平均時間。当然平日よりも土曜・日曜の方が長い。

↑ テレビの平均視聴時間(テレビ非視聴者も含めた全員)(2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(テレビ非視聴者も含めた全員)(2015年)(時間:分)

平日の昼間は学生は授業に出ており、勤め人は会社に居るのでテレビを観ることはできない。しかし土曜、日曜ともなれば、視聴できる機会を得られる人は格段に増える。行為者率が上がれば、全体における平均時間が上昇するのも当然の話。

これを年齢階層別に見ると、当然ながら高齢者の方が長い傾向が確認できる。

↑ テレビの平均視聴時間(男性全員、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(男性全員、2015年)(時間:分)

↑ テレビの平均視聴時間(女性全員、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(女性全員、2015年)(時間:分)

・どの年齢層でも平日より土曜、土曜より日曜の方が視聴時間は長い(一部例外あり)

・男性は50代以降、特に60代以降は急激に視聴時間が長くなる(定年退職で自宅にいる時間が増える)

・男女とも高齢、特に50代以降は一日のかなりの時間をテレビ視聴に費やしている

・男性は高齢層でも平日と土日に差異が生じるが、女性は60歳以上ではほとんど違いが出なくなる

興味深いのは男性の動きで、特に平日は60代、土日は50代以降に視聴時間が急増している。これは定年退職(、さらには時短による再就職)で在宅時間が増え、時間を費やす娯楽としてテレビを頼る動きの結果であることが容易に想像できる。また、男女のグラフの縦軸をあえて同じ基準で割り振ったが、ぱっと見でも「青系統(壮齢から高齢者)の棒グラフの長さは、男性の方が長い」ことが分かる。

男女の差異を確認するため、平日と日曜に関して数字を再編集し、グラフにしたのが次の図。

↑ テレビの平均視聴時間(平日、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(平日、2015年)(時間:分)

↑ テレビの平均視聴時間(日曜、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(日曜、2015年)(時間:分)

平日は男性が会社勤めの比率が高いため、自然と女性の方が視聴時間が長くなる(未行為者も含めた平均値なのも影響している)。しかし定年退職を迎える60代になると、男性と女性の時間はほぼ同じとなり、差はほとんど無くなる。元々会社勤めでも自宅にいる機会が多い日曜ともなれば、30代のうちから視聴時間は男性の方が長く、歳を重ねるに連れて差が開く結果が出ている(もっとも70歳以上では女性も大きく伸び、差は縮んでいるが)。

これは【お年寄りの日常生活での楽しみ、トップは「テレビ・ラジオ」だが……】などで解説しているように、歳を経るに連れて男性が内向的な時間の楽しみ方に傾注するのに対し、女性は外交的な娯楽も積極的に行うことによるものと考えることができる。



テレビは「ながら視聴」の視聴スタイルに代表されるように、受け手の娯楽として楽しむ際のハードルが極めて低いメディアであることが特徴であり長所の一つ。入院などにより体の身動きが取れにくい環境下では、その特性を大いに体感できる。その点ではラジオも同じだが、多種多様な情報が得られる点で、テレビはラジオをはるかに凌駕する。

心身共に色々と無理がきかなくなる高齢者ほど、手軽な娯楽としてテレビを選択して楽しむ。結果として視聴時間が長くなるのも、納得のいく結果に違いない。


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