【更新】東日本大地震での津波「来るかも」と「どれくらいの時間で来る」との関係

2011/05/04 06:57

時間サーベイリサーチセンターは2011年4月28日、東日本大地震に関する宮城県沿岸部における被災地アンケートの調査結果を発表した。それによると本震発生直後に津波が来襲すると考えた人は5割強に達していたが、ほとんど考えなかった人も1/4程度いることが分かった。一方で津波到来までの余裕時間については、「すぐ逃げないと間に合わない」と考えている人は1/4ほどでしかなく、やや甘めにとらえている感も見受けられる(発表リリース)。

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今調査は2011年4月15日から17日にかけて、宮城県沿岸部(8市町18避難所)(南三陸町、女川町、石巻市、多賀城市、仙台市若林区、名取市、亘理町、山元町)を対象に、避難所に避難中の20歳以上の男女に対し、質問紙を用いた調査員による個別面接調査法で行われたもので、有効回答数は451人分。

【警察庁の発表】によれば(記事執筆時点で)今般東日本大地震における人的被害は死者が1万4000人を超え、行方不明者もいまだに1万人を数えている。そしてその多くが津波による被害であるとされている([東北地理学会・東日本大震災の被害概要])。今回調査では東日本大地震において、特に津波関連の実情を問い合わせている。

元々調査地域の宮城県沿岸部では、地理的・歴史的背景から、内陸部と比べて津波に対する対策意識が強かった。しかしそれでも、東日本大地震の本震において、揺れの直後に「津波が来る」と断ずることができたのは3割強でしかなかった。

↑ 津波来襲の確信度(地震直後)
↑ 津波来襲の確信度(地震直後)

「恐らく来る」という可能性の高い肯定を含めると5割強。同地域の津波に対する意識の高さが認識できる。それと共に、楽観視する向きも4割強確認され、これが後述する「津波到来までの余裕時間」の認識につながっているのが見て取れる。

続いて全員に、「津波が到来するまでどの程度余裕の時間があるか」と尋ねた結果。余裕時間の概算は、避難対応にも大きな影響を与える。実際、【「他人事」だったのが...恐らくは少なからぬ人が】などでも触れているが、今般地震による津波では「大丈夫だろう」という楽観的な認識をしていた人が、想定を超えて自分の場所にまで押し寄せ、慌てて逃げるという状況が少なからず動画で確認できる(確認できた=本人が生存しているのだから、これはまだ幸いといえる)。

↑ 津波到達までの余裕時間の見通し
↑ 津波到達までの余裕時間の見通し

到達までの見通しを見ると、最初の「到来確信度」と比べて目算がやや甘めなのが分かる。来ることには違いないが、余裕を持って行動できる、一刻の猶予もならないというレベルでは無いという認識の人が多い。


↑ 陸前高田市消防団員の津波映像 フル映像その1。

例えばこれは陸前高田市消防団員による、津波からの避難の状況を撮影したものだが、後半部分で住民の避難状況が映っている。想像を絶する規模のものであったのも一因といえるものの、後半部分にある住民の避難状況に、人によって認識の違いが出ているのが分かる。

津波到来の見通しが、到達までの余裕時間の見積もり、そしてそれに伴うリスクの高低に浅からぬ影響を与える。この相関関係を考えれば、今般津波に限らず災害に対する「見積もり」「見通し」について、各々がおかれた環境を元に再考する必要が求められよう。

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