【更新】本震後の自粛ムード、お祭りなどは一か月で3割前後
2011/05/02 07:15


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今調査は2011年4月8日から11日にかけて全国の15歳以上他の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は16万7162人。男女比は86835対80327、年齢階層比は10代2187人・20代18897人・30代52458人・40代53646人・50代27269人・60歳以上12705人。
今年の3月11日に発生した東日本大地震の本震から約一か月経過した時点で行われた今調査だが、本震後の自粛関連の話としてはタイミング的に重なる形となった「お花見」が典型的な事例として挙げられる。某地方自治体の長による発言で賛否両論が交わされたが、実質的には「雰囲気として自粛すべき」ものではなく、インフラの問題から休止せざるを得ないというのが実情だった(無論それらの影響が無い地域での自粛は、雰囲気や気分的な問題としての判断になり、色々な視点での討議が行われたことは記憶に新しい)。
今調査では本震発生からの経過日数でいくつかに区分し、自粛した方が良いか否かを代表的なイベント毎に尋ねている。今回はそのうち、公共団体のイベントにスポットライトを当てているが、その結果は次のグラフの通りとなる。

↑ 自粛した方が良いと思う活動・本震発生からの期間別(公共団体のイベント)
本震発生から2週間の期間では、「お祭り」「お花見や花火大会」のような娯楽系イベント、「選挙活動」のような政治的イベント、そして「卒業式・入学式など学校行事」のような教育的イベントいずれにおいても高い値を示している。特に娯楽・政治的イベントの値は5割前後と、約半数の人が「自粛した方が良い」と考えているのが分かる。
これが半月-一か月となると、いずれの項目も20ポイント前後減少する。調査の回答時期はちょうどこのタイミングだが、その時点で娯楽・政治的イベントは約3割、教育的イベントは1割の人が自粛に肯定派。逆にいえばそれぞれ7割・9割の人は「自粛すべきとは考えていない」ことになる(「自粛しなくてもよい」では無い。それ以外に「どちらともいえない」の場合もあるため。いずれにしても自粛積極肯定派ではないということ)。以降時間の経過と共に自粛すべきとの意見は減り、3か月を過ぎると自粛賛成派は1割内外、教育的イベントに限ればほとんどゼロになる(1.0%)。
これらの動きから、
・教育イベントは、(直後は別にしても)自粛の対象としてはすぐに外されやすい
・三か月が過ぎれば公共団体のイベントにおける自粛ムードはほぼ鎮静化する
のような傾向が確認できる。
詳細は機会を改めて別途解説するが、企業のCMや新商品発表会など民間への自粛ムードは、公共団体のそれよりも早期に鎮静化する傾向がある。

↑ 同じ時間区分で民間のCMや新商品発表に関する「自粛すべき」の意見をグラフ化したもの。上位2位でも公共団体のイベントと比べて早期に鎮静化しているのが分かる。
公の団体は厳粛に自粛した方が良いという無意識の現れかもしれない。
補足としていくつか付け加えておくと、まず本文中で触れたように「見た目は心理的な意味合いからの自粛のように見えて、実は物理的に難しいから休止せざるを得ない」という場合が多々ある。特に公共団体のイベントの場合、その傾向が強い(電力を多分に使うイベントや、自衛隊・消防・警察周りはとりわけそうだ)。

また、それと同時に自粛の判断をする際の基準時期を「いつ」にするかという問題もある。今件ではあくまでも本震からカウントしているが、未だに被災地の状況は「回復ムード」とは言い難いところも少なくない。さらに福島第一原発周りにおいては、現在もなお「事態は進行中」であるため、状況は複雑である。
今回の東日本大地震とその震災に関しては、自粛周りについても、今までとは違う、複数のベクトルによる多数の要素を考慮した上で、検討することが求められる。一つだけ言えるのは、決して感情的・狭量的な判断をしたり、他の人の決定を責めてはいけないということだ。
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