更新データを反映…東京電力需要推移(2011年2月分)

2011/04/30 19:30

先に【東京電力管轄内の最大電力需要の推移をグラフ化してみる】【東京電力管轄内の最大電力需要の推移をグラフ化してみる(追補版)】で、東日本大地震後の東京電力管轄内の電力需給のひっ迫に鑑み、過去のデータを基に最大電力需要時の電力推移をグラフ化した。その後逐次データ取得元の【でんきの情報広場内情報ライブラリー内・電力統計情報】をチェックしているのだが、なかなか2011年2月以降のデータが更新されない。そこで他に取得できる場所は無いかと探していたところ、【資源エネルギー庁 統計情報・電力調査統計】で2011年2月分のデータが更新されているのを見つけることが出来た。過去のデータを参照して先のものとの合致性も確認できたので、今後はここの値でグラフを生成することにしよう。

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具体的には「統計表一覧」における「2-(2)月間最大電力(一般電気事業者)」が今件グラフのデータ取得元になる。【「電気事業」とは(経済産業省)】に説明があるが、「一般電気事業者」など電気事業者の概要・区分は次の通り。

・一般電気事業
 一般(不特定多数)の需要に応じ電気を供給する事業(者)。北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10電力会社が一般電気事業者に該当する。

・卸電気事業
一般電気事業者にその一般電気事業の用に供するための電気を供給する事業であって、その事業の用に供する電気工作物が経済産業省令で定める要件(発電出力合計200万kW超など)に該当するもの。現在、電源開発、日本原子力発電が卸電気事業者。

・特定電気事業 
特定の供給地点(限定された区域)における需要に応じ電気を供給する事業。六本木エネルギーサービス、諏訪エネルギーサービス等が特定電気事業者に該当。
 なお[東京ガス内特集ページ]にもあるが、六本木エネルギーサービスはガスによる発電を行い、六本木ヒルズで使われるエネルギーのすべてを供給していることで知られている。

・特定規模電気事業
電気の使用者の一定規模の需要であって経済産業省令で定める要件に該当するもの(契約電力50kW以上 等。以下「特定規模需要」)に応ずる電気の供給を行う事業であって、一般電気事業者がその供給区域以外の地域における特定規模需要に応じ他の一般電気事業者が維持し、及び運用する電線路を介して行うもの並びに一般電気事業者以外の者が行うもの(俗にいうPPS)。

まずは2007年以降の月単位最大電力需要。年単位で折れ線グラフを別個用意し、重ねたもの。矢印の先にあるのは、現在公開されている最新のデータ、2011年2月におけるピーク時のもの。

↑ 東京電力の月単位最大電力需要(万kW、最大需要時)(2007年-)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要(万kW、最大需要時)(2007年-)

各年・各月の気温などの各種条件により電力需要は変化するが、大体7月-9月がピークになることが分かる。4月-5月は比較的少ないが、これは冷房も暖房も使わないため。また、仮に去年と同じ電力需要だとしたら、6月には早くも本格的な計画停電による供給制限か、さらなる節電対策を行う必要が生じてくるのも分かる。

【東電、計画停電は6月3日まで「原則不実施」】でも伝えたが、6月3日までは原則的に計画停電は不実施とのこと。それ以降の電力需給がひっ迫する期間においては、計画停電では無く電気事業法第27条の活用をはじめ、あらかじめ各需要帯が節電を行う事で対応する(させる)予定。その観点では、いわゆる「エコポイント」制度の導入による省電力家電の普及促進は、(このような事態に陥るとまでの想定はなかったものの)先見の明があったと評せざるを得ない。

続いて東京都における平均気温と電力需要の推移を合わせたグラフを生成する。先の記事では単純に平均気温と電力需要を重ねたが、多少分かりにくいため、別途当方で過去11年間(2000-2010年)における東京全域での月次平均気温を算出し、それと各年月の平均気温の差異の動きを反映させた。夏場なら平均気温以上の場合、冬場なら平均気温以下の場合、エアコンで電力が大きく使われる傾向があるということだ。

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2007年)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2007年)

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2008年)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2008年)

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2009年)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2009年)

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2010年)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2010年)

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2011年)
↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(11年来の平均気温との差異)(2011年)

特に冷夏だった2009年と豪暑だった2010年の動きに注目してほしい。2009年の夏は平均気温より低かったこともあり、最大電力需要も低めに収まっているが、2010年は平均気温との差異がプラスに大きくぶれているだけに最大電力需要も高いままで維持されている。夏場の最大電力は多分に気温に左右されることが、改めて認識できる。



【東電・今夏5500万kW確保を目標に】などの話もあるものの、現行では公式発表は【東電、今夏の電力需給予想を更新発表・ピーク時で5500万kWの需要に対し供給は5200万kW】にもあるように5200万kWが最大電力供給力となる。一部で「揚水発電をさらにかさ上げすれば云々」という論議もあるが、揚水発電は雨量や夜間電力量など不確定要素が大きいことから、いわば「機動予備兵力」的な意味合いが強いため、それを常備兵力とカウントするのには無理がある(野球に例えれば、代打・ピンチヒッター専用の打者を毎試合毎回本選手として参戦させるようなものだ)。

中長期的な視点はまた別の話になるが、短期的、具体的には今夏、そして今冬における東電管轄内の電力需給においては、気象動向と合わせ、引き続き注意深いチェックが必要となる。今件記事も定期的にデータを更新していくことにしよう。

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