毎月分配型投信、低年収だった人ほど「欲しいナ」傾向。でも……

2011/04/30 07:04

分配金イメージフィデリティ投信株式会社は2011年3月25日、退職金の運用に関する調査報告書を発表した。それによると退職金をもらった退職者から成る調査母体において、投信(投資信託)のタイプとして「分配金を出さない、または年に1回しか分配金を出さないタイプ」よりも「毎月分配を出すタイプ」を選ぶ人は、現役時代に年収が低い人ほど多くなる傾向があることが分かった。しかし年収が低い人ほど投資そのものをしない動きも見せており、実際に購入するのではなく、単に毎月手元にお金が入るという観点で「毎月分散選択」を好む傾向が強いようだ(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2011年2月1日から14日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は8018人。対象は60-65歳男女で退職金をもらった退職者。男女比は男性7355人・女性663人。調査母体における平均受け取り退職金は1873万5000円。

現役時代の年収と退職金額との間には比例に近い関係がある。そして少なくとも今調査においては年収、退職金額双方とも高い人ほど、退職金の幾ばくかを投資(元本非保証型金融商品の購入)に当てる比率も高くなる。

↑ 退職金で投資(元本非保証型金融商品の購入)をした人の割合(退職金の金額別)
↑ 退職金で投資(元本非保証型金融商品の購入)をした人の割合(退職金の金額別)(再録)

↑ 現役時代の年収別・退職金で投資(元本非保証型金融商品の購入)をした人の割合
↑ 現役時代の年収別・退職金で投資(元本非保証型金融商品の購入)をした人の割合

年収が高い人ほど退職金も多くなり、余裕が出てくるので投資にも回しやすくなる。シンプルな流れが見えてくる。

さてそれでは投資対象の一つとして、特に高齢者に人気の高い投信(投資信託)で、分配金についてはどのようなニーズがあるだろうか。以前【投信と分配金の関係、ちゃんと理解してる? 全体では51.1%・保有者でも63.4%止まり】【投信の分配金、「同じ投信に再投資」が34.6%・高齢者は「生活費や年金、小遣いの足し」に】でも説明したが、「分配金」は利子とは別物で、利益が出ていなくとも(あるいは利益以上の)分配金が支払われるケースもある。

↑ 分配金の基本的な仕組み(野村アセットマネジメントから抜粋)
↑ 分配金の基本的な仕組み(野村アセットマネジメントから抜粋)(再録)


↑ 分配金のケース。同じ「50円」の分配金でも、その中身はさまざま(野村アセットマネジメントから抜粋)
↑ 分配金のケース。同じ「50円」の分配金でも、その中身はさまざま(野村アセットマネジメントから抜粋)(再録)

昨今では「毎月配当みたいなのが出るから毎月分配金タイプが好き」という人も少なからずいるが、必ずしも「投資」という観点でその選択が正しいとは限らない。月単位での収入の補てんを考えている人になら適切な金融商品足り得るが、分配金のための手数料や、再投資による複利効果を考えると、むしろ毎月分配金タイプはマイナスともいえる。

今調査結果では現役時の年収区分で見た場合、年収が低かった人の方が毎月分配型を強く望む傾向が出ている。

↑ 毎月分配型投資信託への志向(投資信託でどちらを選ぶか)(現役時の年収別)
↑ 毎月分配型投資信託への志向(投資信託でどちらを選ぶか)(現役時の年収別)

詳細データは公開されていないものの、実際の退職金の多い少ないに関わらず、概ね7割の人が「毎月分配型」を志向しているとのこと。恐らくは現役時代の年収が低い人ほど、「毎月手元にお金が届く」事への執着が強く、投信選択時にもその想いが現れるのだろう。

しかし実際には最初のグラフにあるように、年収が低い人ほど「実際に」投信購入などの投資をする人の割合は少ない。例えば年収300万円未満の人で「毎月分配型投信を望む」人は67.1%に達しているが、退職金で投資をした人は16.5%に過ぎない。投信購入者はさらに割合が低いはず(投資対象は投信に限らない)。

資料の言及にもあるように、「低年収者の毎月分配型投信への強い需要」はあくまでも潜在的なものでしか無く、本当に購入するか否かとはまた別の問題であるようだ。

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