携帯小説、「読むのを止めた」は2割強・理由は「飽きた」「ゲームやSNSに時間を取られる」

2011/04/27 06:27

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携帯小説ネットエイジアは2011年4月26日、「携帯小説」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、携帯小説を読んだ経験がある人は4割近くに達していることが分かった。しかし今でも読んでいる人は1割強に過ぎず、2割強は「以前は読んでいたが今は読んでいない」と回答している。読むのを止めてしまった人の理由としては「飽きた」「モバゲーやグリーなど、SNSやゲームで遊ぶ時間が増えた」「携帯電話を操作する時間そのものが減った」が上位に上がっており、携帯小説の購読が行動上の優先順位としてはさほど高くない・なかったことがうかがえる(【発表リリース】)。


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今調査は2011年2月10日から2月14日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1083人。男女比は430対653人。年齢階層比は10代107人・20代395人・30代581人。

【ケータイ小説、出版化されれば7割が購入】【10代女性の7割は「ケータイ小説読んだことあるヨ」-若年層、特に女性に強い携帯小説・コミックたち】にもあるように、携帯電話を用い限られた画面表示の中で読ませる「ケータイ小説(携帯小説)」は一世を風靡し、書籍化された作品からはミリオンセラーも輩出されるほどの注目を集めた。

今件調査母体では携帯小説の購読経験者は4割近く、現在も購読している人に限れば12.1%という結果が出ている。

↑ 携帯電話で「携帯小説」を読んだことがあるか
↑ 携帯電話で「携帯小説」を読んだことがあるか

気になるのは「以前は読んでいたが今は読んでいない」人の割合。全体の約1/4、25.6%にも達している。そこでその人たちに、なぜ読まなくなったのか、その理由を選択肢から選んでもらったところ、もっとも多くの人が同意したのは「飽きた」という意見だった。

↑ 携帯電話で「携帯小説」を読まなくなった理由(以前読んでいて今は読まなくなった人限定、複数回答)
↑ 携帯電話で「携帯小説」を読まなくなった理由(以前読んでいて今は読まなくなった人限定、複数回答)

粗製乱造、読む側の趣向の変化など、「飽きた」を生み出す要因は色々と考えられる。いずれにせよ短期はともかく、長期間読み手の心をひきつけるだけの魅力が「携帯小説」には無かった、損なわれている可能性が考えられる。あるいは元々、常に大規模な新陳代謝が購読者層内で起きる類の分野なのかもしれない。

携帯で遊ぶ第二位は「モバゲーやグリーなど、SNSやゲームで遊ぶ時間が増えた」。言い換えれば「携帯小説よりSNSやゲームの方が面白い、時間を費やしたい」。限られた自由時間の中での時間配分で、携帯小説の優先順位は低かった、低くなったわけだ。第三位の「携帯電話を操作する時間そのものが減った」も大きな意味合いとしては同じようなもの。割ける時間が減ったので、優先順位の低い「携帯小説」は切り捨てられたことになる。

上位三項目はいずれも回答率が3割を超え、それ以外は1-2割ほどに留まっているが、下位項目にしてもいずれも「携帯小説」のウィークポイントをついたもの。「薄っぺらい」と表現するのはやや失礼なところがあるが、「斬新ではあるが重厚さに欠ける」感が強い「携帯小説」の問題点が浮かび上がっている感は否めない。そしてほとんどの項目で男性よりも女性の方が高い回答率を示している状況を見るに、女性の「携帯小説」に対する厳しい目がうかがえる(それでもなお、全体値で見れば、男性の2倍以上の割合で女性は「現在も携帯小説を読んでいる」のだが)。



今後はさらにSNSをはじめとしたソーシャルメディアの浸透率が上昇していく。そして「携帯小説」の主な読者層とは微妙な世代のずれがあるが、スマートフォンを中心に広域表示画面を活用した電子書籍が普及率を高めていくことになる。

元々小さな携帯電話の画面内で閲覧することが前提で、それだからこそ独自の表現が出来、そこが魅力でもあった「携帯小説」。周囲を取り巻く環境の変化で、どのような立ち位置の動きを見せるのか。今後の動向が気になるところだ。


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