電気ガス、エネルギーへの意識変化「あった」は過半数、「節電」強化は9割を超えて

2011/04/27 06:30

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節電サーベイリサーチセンターは2011年4月13日、東日本大地震に関連した心理・行動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体において、本震後に「電気やガスなどエネルギーに対する意識」への変化があった人は過半数に達していたことが分かった。男性よりも女性の方が変化率が高い。具体的内容としては節電度が高まった人が9割以上となり、蓄電池など予備電源の購入モチベーションが上がった人も1割を超えていた(発表リリース)。


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今調査は2011年3月25日から3月31日にかけてインターネット経由で北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県に在住する20歳以上の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2000人。男女比、年齢階層比(20代・30代・40代・50代・60歳以上)、該当都道府県比で均等割り当て。

今般東日本大地震では【東北地方はガソリン・灯油不足が85%…地震発生からの困りごと、水や食料・電池などの不足が上位】にもあるように流通網の混乱や供給力の減退から、ガソリン・灯油不足が深刻化した。また【東電、今夏の電力需給予想を更新発表・ピーク時で5500万kWの需要に対し供給は5200万kW】などで解説しているが、特に東京電力管轄内で電力供給力が不足する事態に陥り、夏のピーク時に向けた節電があらゆる方面で叫ばれる状況となっている。また、福島第一原発の事故を受けて、電力供給源について多くの人が関心を寄せる状況も確認できる。

今件調査項目では、東日本大地震で電気やガスなど、エネルギーに対する意識に変化があったか否かを尋ねているが、全体では53.8%と過半数の人が「変化あり」と答える結果となった。

↑ 今回の地震で電気やガスなどエネルギーに対する意識に変化はあったか
↑ 今回の地震で電気やガスなどエネルギーに対する意識に変化はあったか

世代別では30代がもっとも高く、20代と60歳以上はほぼ同じという、あまり他に例を見ないパターンが確認できる。また、男女別では圧倒的に女性の方が意識変化率は高い。これは【震災後の不安要素、最上位は「福島原発」】など多数の調査結果において、女性の災害に対する反応が男性よりも敏感であることを起因とするものと考えれば説明できる。

地域別では圧倒的に東京電力管轄内での意識変化率が高い。計画停電が実施されたことや、夏に向けた節電対策が盛んに叫ばれているのが原因。

↑ 今回の地震で電気やガスなどエネルギーに対する意識に変化はあったか(都道府県別)
↑ 今回の地震で電気やガスなどエネルギーに対する意識に変化はあったか(都道府県別)

福岡県が高めなのはややイレギュラーだが、それ以外は関東圏とそれ以外で20ポイント内外の差が出ているのが分かる。

「電気やガスなどエネルギーに対する意識変化」の具体的内容としても、直接自分の身にふりかかる問題としての「節電」をより一層行うとする意見が最多を占めている。

↑ 住宅内のエネルギーに対して意識が変化したこと(意識変化者限定)
↑ 住宅内のエネルギーに対して意識が変化したこと(意識変化者限定)

第二位以降は1割内外だが、「蓄電池など予備電源の購入意欲」「太陽光発電システムの購入意欲」「自家発電機器の購入意欲」など、いかに電気周りのやりくりをしていくかという点に注目が集まっているかが分かる。

ちなみに全体比で換算すると、0.538をかければ良いのだから、全体比で「蓄電池購入意欲が高まった人は6%強」「太陽光発電システムの購入意欲上昇者は5%強」ということになる。多いか少ないかは微妙なところだが、需要喚起とそれに伴う関連方面の市場拡大、さらにはそこからもたらされる量産化によるコストパフォーマンスの増大、参入企業の増加、技術革新のスピードアップなど、さまざまな影響を与え得る値としては、(全体の5-6%の人の増加という数字は)決して低いものではないと考えられる。



やや余談になるが、「住宅内のエネルギーに対して意識が変化したこと」のうち、「溜める」に深い関係がある項目では、世代による違いが明確化している。

↑ 住宅内のエネルギーに対して意識が変化したこと(意識変化者限定)(「溜める」系項目限定)
↑ 住宅内のエネルギーに対して意識が変化したこと(意識変化者限定)(「溜める」系項目限定)

若年層と比べて上の世代では、居住環境や金銭面で余裕があり、備蓄系の意識にも配慮がしやすいのだろう。若年層では「懐がさみしいから備蓄する余裕が無いな」という考えに至るわけだ。それと共に高齢になるほど保守的な意識が強くなることもまた、「溜める」意欲を強めている一因なのかもしれない。


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