電気使用の「アクセス解析」こと「スマートセンサー」とは?

2011/04/18 07:07

スマートセンサー先日【セブンイレブン、夏の節電対策加速化・前年比25%削減のためLEDや太陽光パネルの設置へ】で、セブンイレブンが導入した節電対策の一つに「スマートセンサーの設置・導入」というものがあった。その時にはさらりと流す程度の説明しかしなかったのだが、後日【スマートセンサーと節電と】などで触れているように、いくつかの資料(【スマートセンサーの流通ビジネスへの展開(PDF)】など)を入手することが出来た。そこで今回は、簡単にではあるが「スマートセンサー」の考え方をまとめておくことにする。

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「スマートセンサー」は電気の「アクセス解析」のようなもの
……と小見出しタイトルですべてを語ってしまえるのだが、「スマートセンサー」とは電気の使用量を各設備ごとに、セミリアルタイムで検証できる仕組み・設備の事を指す。

通常の電気設備の場合、「月次の電気会社からの電気料金自動引き出しのお知らせで一か月単位の電気使用量」「電気メーターをチェックすることで概算的な電気使用量」を知ることはできる。しかし、個々の設備の電気使用量は分からないし、ましてやリアルタイムでの使われ方など確認できるはずもない。

しかしスマートセンサーを各電気設備に取りつけることで、設備毎の電気使用量が把握可能となる。センサーは設置した設備の電気使用量を逐次情報化し、無線で管理端末に送信する。管理端末側では受信したデータを逐次まとめあげ、グラフ化していく。個々の設備の電気の使われ方が、それこそ心電図のような形で確認できる。

↑ スマートセンサー
↑ スマートセンサー

↑ スマートセンサーから受信した電気の使われ方がグラフ化される
↑ スマートセンサーから受信した電気の使われ方がグラフ化される

受信したデータを確認することで、その設備の電気の流れを把握、個々の設備の特徴と合わせて検証。問題のあるなし、ある場合には何が問題なのかを分析していく。

↑ 通常消費電力(下、7A前後)よりも電気を食っていた事例(上)。吸い込み口に荷物をおいていたり、フィルターが汚れているなどの問題が確認された
↑ 通常消費電力(下、7A前後)よりも電気を食っていた事例(上)。吸い込み口に荷物をおいていたり、フィルターが汚れているなどの問題が確認された

これらは小見出しにもあるように、ウェブサイトやブログにおけるアクセス解析と非常に性質が似ている。電気の流れをブログの来訪者に例えれば、イメージがすぐに頭に浮かぶはず。リアルタイムのアクセス状況を確認し、一定時間単位の動向を確認出来れば、自分のブログの状況や改善点がつかめてくるのと理屈は同じ(トップページや特集記事など「個々のページ」は、エアコンやフライヤー、アイスケースなど「個々の設備」に該当するわけだ)。そして単にリアルタイムの動向を見ただけでは意味が無く、個々の数字の対象物の性質を把握し、数字やその動きが何を意味しているのかを推し量れる分析力も求められる点でも変わらない。

セブンイレブンのリリースでも言及されていたが、結果が数字となって現れることの「見える化」効果も忘れてはならない。原因が明らかな電気の浪費は、その問題を解決することで劇的な節電効果が得られる。そしてスマートセンサーの仕組みを導入していれば、結果はほどなく確認することができる。「たかが見えるだけ」と鼻で笑う人もいるかもしれないが、案外この効果は大きい。

セブンイレブンではスマートセンサーの実証実験導入で、電気使用量を約1割削減できた実績があると伝えている。今回の節電大作戦では、先行して実験している店舗における検証事例が経験として残っていることを考えれば、よりスピーディーに、効率的な節電が期待できよう。

家庭では?
「電気のアクセス解析みたいなのって面白そう」と考える人も多いだろう。一般家庭ではせいぜい月単位の電力使用量の推移しか確認できない。ブログなら一か月の来場者数の推移しか把握できないのと同じ。これではさみしい。

実はスマートセンサーとほぼ同じ役割を果たす「省エネナビ」なる設備が、【無料でチェックできる「家庭の省エネ大辞典2011年版」】でも紹介した【財団法人 省エネルギーセンター】で案内されている(【該当ページ】)。

↑ 省エネナビ
↑ 省エネナビ

解説ページには「”省エネナビ”とは、現在のエネルギーの消費量を金額で知らせると共に、利用者自身が決めた省エネ目標を超えるとお知らせし、利用者自身がどのように省エネをするのか判断させる機器です」とある。「個々の設備」ではなく「世帯全体」でリアルタイムに表示してくれるのがポイント。

現在でも多数のメーカーから省エネナビは発売されているが、単価が十万円単位のもので、一般世帯ベースではかなり調達しにくい(一か月数百円の節電が可能だとしても、数十万円を償還するのは何年かかるか計算すれば、理解は容易のはず)。スマートセンサーや省エネナビのような、「電気のリアルタイム表示」がなかなか周知・普及しないのも、ひとえにこのコスト高が要因といえる。

ただし、色々と割り切り、個別設備の電力使用量の推移をチェックし、節電出来ているかどうかだけでも知りたいというのであれば、比較的安価に調達できる機材もある。いわゆる『ワットチェッカー』などの類がそれだ。


↑ ワットチェッカー(TAP-TST7)の使用方法。
↑ ワットチェッカー(TAP-TST7)の使用方法。

メーカーや機種によって出力できるデータに違いはあるが、概要的には「電源コンセントと対象設備の電気プラグの間に差し込む」「設備を利用して電気の動向をリアルタイムで確認する」というもの。世帯全体、あるいはパソコンなどにデータを転送するなどの機能はないが、目の前で操作をしながら数字の動きを確認することで、どのような使用スタイルならばどれくらい節電できるかが目でチェック可能となるのは非常に頼もしい。



これから夏にかけて、節電の機運がますます高まることは間違いない。また、電力の供給力云々は別にしても、節電がそのまま節約につながることを考えれば、中長期的な視点に立っても、思い切った節電対策をするべき機会といえる。スマートセンサーやワットチェッカーの仕組みをさらに調べ、色々と研究してみることをお勧めしたい。


※最近では「省エネナビ」は安いものでは5-10万円代のものもあるそうです。また自治体によっては補助金が出る場合もあります。ご検討の際には各役所にお問い合わせ下さい。

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