マイナス6.8%とラジオがもっとも減少率が大きい(経産省広告売上推移:2011年4月発表分)

2011/04/15 19:30

経済産業省は2011年4月12日、特定サービス産業動態統計調査において、2011年2月分の速報データを発表した。それによると、2011年2月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でプラス7.7%と増加を見せていることが明らかになった。主要項目別では「ラジオ」がマイナス6.8%と、もっとも大きな減少率を記録している(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択の概要に関しては記事の一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】の中で解説している。そちらで確認のこと。今記事はその2011年2月分データ(公開は2011年4月)の速報値を反映させたもの。なおそれより前のデータについては、速報値の後に発表される確定値で修正されたものを用いている。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2011年1-2011年2月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2012年1-2月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしたが、「インターネットが大きく伸びる」「テレビが復調」「新聞・雑誌・ラジオは下げ気味か横ばい」という動向は先月と大きくは変わらず。先月それなりに健闘を見せた「テレビ」はプラスを維持したものの上げ幅は縮小。「雑誌」は先月のマイナス11.5%からかなり戻しを見せている。他方「新聞」「ラジオ」は先月のプラスからマイナスに転じてしまっている。

「インターネット広告」は2010年2月の時点で、前年同月比がプラス12.0%。そこからさらに3割近い上乗せなのだから、大きく成長を続けているのが確認できる。

今回も該当月における各区分の具体的売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データとの違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つとしてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年2月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年2月、億円)

今回取り上げた項目中では、「インターネット広告」はすでに「ラジオ」「雑誌」を超え、「テレビ」「新聞」に次ぐ第三番目の規模にまで成長している……という言い回しはいつもの通りだが、今月はほぼ同等の域にまで達したのが確認できる。具体的には、新聞を100.00とするとインターネット広告は96.17。ちょっとしたはずみで立ち位置が逆転しそうな状態だ。

しかし全体に占める割合はまだわずかでしかなく(該当月全広告費の7.52%)、「テレビ」のケタ違いの大きさには太刀打ちできそうにないのも分かる(約26.8%程度の額)。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2011年2月分まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2011年2月分まで)

大勢としては「インターネットは激しい起伏の中で2009年後半以降は回復、プラス圏を維持。この数か月は再び大きな伸びへ」「テレビは2010年あたりから戻しの雰囲気」「ラジオはマイナス圏で低迷-やや下げ幅を縮小、一部はプラスに」「雑誌はかなり厳しいレベルの下げ幅を継続していたが、ここしばらくは復調の雰囲気も」という傾向を見せている。特に「雑誌」は(繰り返しになるが)昨年ですでにマイナス20-30%の域に達していたのに、今年はそこからさらにマイナス10%内外を見せており、厳しさが胸に染み入る事態。海外での浸透やプラットフォームの急速な普及も合わせ、昨今において急速に「電子出版」「電子書籍」関連の動きが加速しているのが、広告(費)が削られる要因といえる。

「雑誌」、そして「ラジオ」の低迷と「新聞」の軟調さは広告代理店の業績上にも表れている。状況の改善を見出すことは困難で、ここ暫くはこのような状態が続くものと思われる。一方で「インターネット」の堅調ぶりは当然として、「テレビ」の復調が目立つ。少なくとも金額面ではそれなりの「戻し」を果たしているようだ。ただし出稿内容の傾向まで以前と同じものとは限らない。質的変化が生じている可能性は高いが、残念ながら広告代理店・経済産業省のデータからではそれを推し量ることはできない。

さて、東日本大地震の直接の影響と、その際の各媒体の振る舞いとそれに対する評価、その後の放送・出版動向(テレビやラジオは広告自粛、新聞や雑誌は流通問題や原材料不足)など多数の項目で気になる3月分データだが、すでに【4月はいつもの「電通と博報堂の-」はナシです】でお伝えしているように、今件記事と並列して定期更新している「電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる」の2011年3月分はデータの公開が延期されたため、4月掲載は無くなった。恐らくは5月以降にまとめて、の形となる(上場企業なので月次ベースの売上公開を「パス」というわけにもいくまい)。もしかすると2011年3月分の広告絡みのデータは、今件の経済産業省経由のものの方が、早くお知らせできるかもしれない。

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