ギリシャ6割超え、ポルトガルも大幅上昇(国債デフォルト確率動向:2011年4月)

2011/04/16 07:19

2010年12月17日付で掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化し解説した記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年4月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)そのものの細かい定義やデータの取得場所、また各種概念については一連の記事のまとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説が行われている。そちらを参照してほしい。

今件のグラフは日本時間で2011年4月15日、つまり先ほど取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回は前回からいくつかの変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年4月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、今なお紛争が継続中のリビアにおいて一種の「実情」が見えてきたこともあり、先月以上に下火に向かいつつある。これに反応してか、エジプトやドバイの値は下落中。イラクは10位圏外に離脱。

一方、図中に矢印で記したギリシャやポルトガルなど、ヨーロッパでのいわゆるPIGS(金融危機のさなかにあるポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)がきな臭くなってきた感はある。ギリシャは債務不履行の懸念から国債価格が下落し、債務再編の可能性が伝えられている。ポルトガルはEUによる金融支援パッケージの協議中で、関係者曰く「このパッケージが債務危機の封じ込めにつながる」とのことだが、状況が不安定なのに変わりは無い。両国の値がグンと高まったのが、今回一番の気になる動きだ。

なお先月の記事でも触れているが、公知のために繰り返し記しておく。事ある毎に悲観主義的経済評論家や一部報道で「危ない危ない」と連呼されている日本の国債についてだが、おなじくCMD Visionの2010年4Qにおける【リスクレポート(PDF)】によると、CPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位。最も低リスクな国はノルウェーの2.1%・aaaとされている。また、アメリカは3.6%・aaaで5位となっている。

リストを詳しく見れば分かるが、「この国の国債がデフォルト起こすようなら、世界恐慌のレベルをはるかに超えた経済的混乱が起きる、あるいは連鎖反応を引き起こす」という国がいくつも数%-10%台に位置している。そしてCPDもまた、上記で説明したように「市場の流れが元で計算された、あくまでも目安の一つ」でしかない。仮に日本の国債がデフォルトを起こすのなら、確率論としてはその前にイギリスや韓国、フランス、ロシアなどがバタバタと債務放棄をしなければならない。そのような事態に世界経済が陥れば、CPD値など無意味な状態になってしまうのは、誰の目にも明らか。やはり経済の面においても自分の目で元情報を調べることが、これからは今まで以上に重要といえる。

今月データでは先月と比べ、財務状況が悪化したギリシャやポルトガルの値が敏感に反応しているあたり、CPDが指針の一つとして有効であることを再認識させるものとなっている。来月位には出てくるであろう、四半期単位のリスクレポートの2011年第1四半期分で、日本がどのような評価を受けることになるのか、かなり気になるところだ。


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