震災で必要以上の自粛ムードに対し文化庁が「クギ」

2011/04/14 12:00

文化庁文化庁は2011年4月12日、東日本大地震に絡み当面の文化芸術活動に関する公知を行った。内容としては震災による各種状況(インフラの状態や人員、電力)などへの配慮は必要とされるものの、文化芸術活動は特に精神面での支えとなるものであり、人々の活力につながるとし、昨今一部で語られているような「環境上の制約による自粛」の域を超えた自粛行動について、これを戒めるものとなっている(【該当文面】)。

スポンサードリンク


文化庁では他の官公庁同様に【東日本大地震関連の専用情報公知ページ】を新設。今般地震で大きな被害を受けた・受けている各種文化財に対し【救援・修復への協力】を4月1日付でメッセージとして流すなど、文化庁の領域内における各種情報を通知している。

今回発表された内容は日本語だけでなく英語でも書かれたもの。要点をまとめると、

・余震の恐れや計画停電(&節電)、事業の自粛などで被災地以外でも伝統的な行事や文化芸術活動が中止、縮小される動きがある。
・しかしそれら一連の文化活動は、参加している当事者は当然のことながら、国内外に対し心理的な観点からの活力を産み出す、与えるものとなる。
・実際、自己発生的な独自の支援(文化芸術分野におけるものも含め)を確認でき、芸術家の国境を越えた連帯感、文化芸術の持つ力を再認識できた。
・被災関係者への心境への配慮や電力事情、安全性などを十分踏まえた上で、今後とも文化の創造や、親しむ活動を積極的に行う事が、日本の復興を支える力となる。

となる。

昨今の事例では「花見自粛」周りの話がある。これは「多くの人が被災している中で花見で騒ぐとはいかがなものか」という自粛意見によるものだが、ムード云々という精神論的な話以外に、花見によって生じる公的リソースを被災地支援に回すべき(あるいは回されているので難しい)という解釈もできる。

しかし一方で、「いかがなものか」とする配慮そのものが「いかがなものか」という考え方も少なくないし(余分な配慮はかえって負担となる)、経済の復興や活性化、そして文化庁が指摘する「心理的な支え、支援」のためには、むしろ積極的に(もちろん各種制約に配慮・対応した上で)経済活動を行うべきであるとする意見も多い。


↑ 花見自粛の動きに対し、被災地のお酒の蔵元からの声「むしろ積極的に花見を行い、岩手のお酒を買う事で支援をしてほしい」が動画として掲載され、大きな反響を呼んでいる。
↑ 花見自粛の動きに対し、被災地のお酒の蔵元からの声「むしろ積極的に花見を行い、岩手のお酒を買う事で支援をしてほしい」が動画として掲載され、大きな反響を呼んでいる。

誤解や過剰な配慮による文化芸術活動も含めた様々なイベントの自粛は、上記動画でも用いられている表現であり、文化庁が今回危惧を表明している「経済的な二次被害」に他ならない。「自粛しないとは何事か」と何でも自粛のレッテルを貼るような古い考えは、厳に慎みたいものである。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー