投げ捨てられたゴミの姿が心に突き刺さる広告

2011/04/02 06:41

化石例えば通常のプラスチックのように石油精製物を中心とする化学製品・工業製品などは、安価で耐久性などに優れている。一方で紙や木材などの生物資源を原材料としているものに比べ、自然によって分解されにくく、ゴミになった場合に長期間その形を維持し続けるので、環境に少なからぬ影響を与え得る。海辺に打ち寄せられるペットボトルやゴミ袋の姿を、自分の目で見たことのある人は少なくないはずだ。今回紹介するのは、それらのゴミの影響力をひしひしと感じとれる広告である(【ADS of the World】)。

スポンサードリンク


↑ ペットボトルの化石
↑ ペットボトルの化石

これは波乗りをする人たち「サーフライダー」の観点から、海岸周辺の環境を保全し調査を行い、美化活動とその啓蒙を行う団体【サーフライダー・ファウンデーション(Surfrider Foundation)】の広告。画面中央には魚のような造型に見える化石と、その周囲にシダの葉のような化石が埋まっている岩。しかし中央の化石を良く見ると、それが魚では無く、ペットボトルとそのフタであるのが分かる。そして「海を汚すと、その行為は長い間影響を及ぼし続けることになる。海の環境維持のために御協力下さい(When we pollute the sea, we pollute for a long time.Help us to keep the ocean clean.)」とのキャッチコピー。

つまり自分が不用意に海に投げ捨てたペットボトルが、長い期間に渡って海にその形を留め、環境に悪影響を及ぼし、長年の時間の経過の末に化石になってもその姿を維持し続けているというメッセージが込められている。ペットボトルそのものが毒性を持ち、常にそれをまきちらし続けるというわけではないが、例えば「自然には分解しにくい」ペットボトルを動物が飲みこんでしまうリスクを考えれば、いかなる影響が生じるかは容易に想像できるはず。

今件広告では他にも「缶」や「買い物袋」の化石も登場させている。

↑ 缶の化石
↑ 缶の化石

↑ 買い物袋の化石
↑ 買い物袋の化石

アンモナイトの化石を同じ岩に埋め込ませているあたりは、オーパーツを見ているようでもあり、シュールな、そして色々と考えさせられるだけのインパクトを持つ画像を創り出すことに成功している。また、ペットボトルは魚、缶は貝、買い物袋は口を開けた状態の魚に見た目を似せることで、それぞれの似せた対象との視覚的オーバーラップを狙っているのが分かる。

最近では微生物によって水と二酸化炭素に分解される性質を持ち、環境負荷が小さい生分解性プラスチックが登場している。またリサイクルやリユースに用いることで、打ち捨てられ、海辺を汚すことを避けられる。また、そもそも論として缶やペットボトル、買い物袋が化石になるのかという話もある(化学変化がしにくいのだから組織構成が鉱物に置換されることは考えにくい。そこに存在していた「跡」が化石となる場合はありうるが)。

しかしそれらの「理屈」はさておくとして、ぱっと見の印象(広告ではこれが大切)で、これらのゴミが長期に渡り環境に影響を与える事実、だからこそ投げ捨てはいけないという内なるメッセージを伝えてくれるものとしては、非常に優れた構成といえる。言葉は分からなくても語りかけたい内容が分かる、ワールドワイドな広告といえよう。


■関連記事:
【生プラスチックを強力分解する酵母菌、イネの葉から発見される】
【東京23区では来年から廃プラスチックが可燃ごみになります】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー