世界のエネルギー供給量の推移をグラフ化してみる

2011/03/29 07:05

世界のエネルギー昨今の状況に鑑み、当サイトのエネルギー関連の解説・グラフ記事への問い合わせが増えてきた。それと共にそれらの記事のデータ更新や再構築などの必要性もひしひしと感じている。先日から主要記事の洗い直しとデータの更新の確認などを行い、今後「少しずつ」ではあるが、記事の展開を行っていく予定。今回は「世界の一次エネルギー供給の流れ」をグラフ化してみることにした。

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データの取得元は経済産業省・資源エネルギー庁から公開されている【エネルギー白書2010】。ここの「第1部 エネルギーをめぐる課題と今後の政策 第1章 各国のエネルギー安全保障の定量評価による国際比較 第2節 世界のエネルギー供給構造の変遷」からデータを抽出し、再構築を行う。まずは世界全体の一次エネルギーの供給量推移。

「一次エネルギー」とは【石油中心から多様化へ…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる】でも解説している通り、自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているものを指す。化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)、ウラン、そして水力・火力・太陽熱・太陽光・地熱などの自然エネルギーから直接得られるエネルギーが該当する。ちなみに「二次エネルギー」もあり、これは電気やガソリンなど、一次エネルギーに手を加えて得られるエネルギーを意味する。

↑ 世界の一次エネルギー供給量推移(GWh)
↑ 世界の一次エネルギー供給量推移(GWh)

全体的にはエネルギーの供給量は漸増状態。この40年近くの間に約4倍に増加しているのが分かる。それだけ世界各国がエネルギーを大量に消費する体制に移行しているということだ。

個別要素では、まず気が付くのが「石炭」の量の増加具合。これは【世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)】でも触れているが、エネルギー転換が比較的しやすいこと、大量に採掘できることなどにより、新興国で大量に消費・エネルギー転換されたのが原因。また石油価格の高騰により、石炭の利用が見直されているのも一因といえる。

一方「石油」は技術革新による省エネ化の加速化、価格高騰による消費の減退、さらには埋蔵地域が偏っていることに伴うリスクを軽減する動きが各国で見られるようになり、意外にも減少傾向にある。

意外と言えば「天然ガス」も意外かもしれない。これは石油の代替エネルギーとして、とりわけ発電分野て利用が拡大されているのが要因。

これをエネルギーの絶対量ではなく、総エネルギー量に対する構成比でグラフ化したのが次の図。

↑ 世界の一次エネルギー供給構成推移(100%積上げ面グラフ)
↑ 世界の一次エネルギー供給構成推移(100%積上げ面グラフ)

↑ 世界の一次エネルギー供給構成推移(各項目比率折れ線グラフ)
↑ 世界の一次エネルギー供給構成推移(各項目比率折れ線グラフ)

一枚目の積み上げグラフでも気がついた人はいるだろう。「地熱・新エネルギー」「再生可能エネルギー」といった、新タイプのエネルギーの供給量はほとんど誤差、吹けば飛ぶような量でしか無い。確実に増加を見せてはいるものの、他の主要エネルギー供給種と比べれば、まだ代替できるようなレベルではないのが分かる。

そして比率ベースだが、原子力が今世紀に入ってから低減、石油は1970年後半から減少、1980年半ばからはペースがやや低下したものの減少には違いない。一方でコストが安く、採掘エリアが広範囲にわたっている石炭・天然ガスが地道に増加しているのが確認できよう。

直近の資料では2007年分までのしか数字が確認できないが、世界単位の動きとしては劇的な変化はなく、この傾向が継続していると見てよい。ただ、「昨今の状況」を鑑みるに、今後特定項目の値が減り、複数の多項目の値が増加する可能性は十分にある。その場合、それぞれの項目における2007年までの動きが、加速化する形で現れることは容易に想像できよう。

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